子供は素直で正直であり、楽しく一生懸命生きており、誰も思いつかない驚くべき発想をしたり、時には想定外の行動をよく巻き起こすこともあれば、頼もしい存在となったりもします。
さらに、自分や大人たちを映し出す鏡となる存在であるということを、いつも心に留めて暖かく接していくべきであると考えます。
本稿は、筆者の音楽指導の経験も一部含みますが、まだまだ実戦と経験の数が必要であると感じるとともにも少しでも人の役に立つための備忘メモとして記しています。
①失敗を経験する
子供たちに経験してほしいことの一例として、以下のようなことがあります。
・何でもかんでもうまくいくわけではないことを知る。
・困難があった時に、それ乗り越えられる方法を知る。
・うまくいかない時は、調べたり、質問や相談など助けを得ることができることを知る。
子供自身が自ら取り組んで、尚且つうまくいくという経験をすることが大切です。
もちろん大人の助けが必要ですが、ただし、手助けをしすぎると心の鍛錬を妨げてとなってしまいます。
また、「自分の力で自分なりに考えろ」とか言う大人もいるかと思いますが、子供にとっては「そもそもそのことについて知らない」とか「やり方を知らない」という場合が多いです。
「時には突き放してその子の自力を見届ける」ということも必要かと思いますが、自分で考えてそれなりに動けるようになるまでには、そのステップで必要な「型」を教えたり、上手くいくパターンを学習させたり、見本を見せたり、数分悩んで分からないならすぐに答えやうまくいくやり方を教えるということも必要です。
大人の都合で子供の学習の機会がなくなったり、興味がなくなったり、「もうこれでいいや」と掘り下げることもしなくなったり、聞こえた振りや分かった振りや生返事をするようになっては何の意味もありません。
また、当然それらは子供の好奇心が下がって興味がなくなってしまうまでの間に済ませなければなりません。
できれば少しでも、自分から何か行動を起こして失敗したら、自分から(他人の教えや力を借りてでも)乗り越えていくようにする力がついていくように働きかけていく方が良いでしょう。
②言葉で表現できるようにする
自分で言葉にできることは、現状を分析できているということです。
また、自分で言葉にできることで、ストレス発散の能力や自己洞察能力を高める効果があると言われています。
そのようになっていくためには、人の話や文章を、自分で読み取り、聞き取り、操れる言葉の数も必要となります。
子供の読解力を高める一例として、以下の様なことがあります。
・読み聞かせをしてあげる
・読書などの感想を言う、書く
・自分の取った行動を言える
慣れないうちはこちらから「インタビューをする気持ちで聞いてあげる」と良いでしょう。
ちなみに筆者は音楽指導の時、型や動作や演奏方法などを一通り教えた後は、確認の意味も込めてインタビュー形式で聞いてあげることにしています。
きれいな音が出た時や、スティックの高さや角度などが決められている場面などが上手に演奏できた時は、「どのような感覚だったか」とか、「どういうことを気にしてやっていたか」などということを答えてもらって、自分の答えや一般知識としての答えも知ってもらうことで、考え方や表現の仕方の軸を作ることにも繋げられるでしょう。
③自分で決断させる
相手が子供の場合は、指導上にしても教育上にしても様々な制限があると思いますが、それでも「これは自分で決めていい」、「これはやってよい」と自分に許可できる、決定できることを増やすことは大切です。
また、その反対の、やってはいけないこと、確認や相談が必要なこと、周囲とのルールなどもあることを理解してもらうようにすると良いでしょう。
ステップアップさせていくなら、決断することによって決まる、自分と自分以外の関係性、自分の立ち位置、目的までの道筋などを理解や変化も知ってもらうようにすると良いでしょう。
そこまでいかなくとも、簡単で小さなことからでよいので、やってみることです。
・答えや良し悪しを判断させる。
・自分の意見を大切にし、主張できるようにさせる。
・自分をしっかり持たせる。
・自分のやること、やりたいことをやり遂げさせる。
そして、答えをすぐに教えない(過保護にしない)ことである。
①ちは逆のことを言っているようにみえるかもしれませんが、経験することが失敗でなく「決断すること」ならば、それなりの覚悟や責任も発生することを知ってもらう必要もあります。
とは言え、冷たい対応をするのではなく、もし失敗した後でも「うまくいかなかった後にはどうしたらよいか」と支えとなれるように寄り添ってあげられると良いでしょう。