「どうしていつも自分はうまくいかないのか」を乗り越える考え方

 

1. 「どうせ自分なんて」をやめる

 人間の脳は、その人の思考に基づいて根拠となるものを見つけ、現実で起こることとのつじつまを合わせてくるので、人生は基本的には自分の思った通りになります。
 
 だから、「どうせ自分なんて成功できない」と思えば、無意識のうちでも自分がその根拠となるものを探していることになるので、その通りの納得できるような出来事が起こるでしょう。
 
 信じ込めば大体その通りになるということを逆手に取れば、どのような考えを持っていようが人生は続くし、勉強も仕事も続くので、どうせなら自分を信じて頑張ったほうがよいです。
 しかも、「楽しい勉強」や「楽しい労働」を選ぶ方がいいし、そうなるように少しでも自分から取り組んでいくとよいです。
 
 たとえ初めのうちは人生の時間の中で自己満足の時間が増えてしまったとしても、まずは自分の人生の満足度が高まったと取って、次は他人にかける迷惑や補助を少しでも減らそうとか、次は自立して一人でやってみようとかやっていると、やがて今の活動範囲を少し超えた人から声がかかったり、ほんのわずかでも社会の役に立った実感を得ることができるようになってきます。
 
 「どうせ自分なんて」と自分で自分の評価を下げることはせずに、淡々と冷静に、自分が「これだけは達成したいこと」とか「積極的に関わりたい領域」に人生の時間を使っていく方が、技術や経験の蓄積としても確率としてもうまくいく可能性は広がるでしょう。
 
 
 

2. 「引き際なのに執着する」をやめる

 例えば、完全に自分と合っておらず出世の見込みも感じられない仕事に就いてしまったのに「せっかく入社できたのだから辞めるのがもったいない」とか、何かの投資で回収の見込みが立っていないのに「お金を払ったのだから元を取るまでやめない」とか、変な理由で引き際ややめ時を見誤り、続けることに固執してしまうのは、自分から成功の機会を切り捨てる行為と言えなくもありません。
 
 だから、「やめる」という決断が下せるということは立派な能力とも言えます。やめることでできた時間を使えるようになるからこそ、次の新しい挑戦も可能になります。
 
 また、やめたからと言って直ちに成功への道が永遠に閉ざされるわけではありません。その瞬間では失敗したと思っても、後になって「あの経験があったからこそうまくいった」となるだってあるのです。うまくいかなかったからこそ知れる世界もあるし時代が追い付いていないだけで、今は不正解のものが少し先の未来では正解になることもあるでしょう。
 
 物事の達成には確かに粘り強さも必要ですが、明らかに大きな失敗したり選択を間違えたと思ったら、できるだけ早く軌道修正をする必要があるでしょう。その時は、いつまでも一人で打ちひしがれている場合ではありません。
 
 
 

3. 「一発逆転を狙う」をやめる

 自分から進んで苦労人になりたいのなら別ですが、普通にうまく生きたり物事を達成したいのならば、普通にやるのが一番です。
 普通にやるとは例えば次のようなことです。
 
 ・今から取り掛かることの目的や目標を明確にする
 ・必要な物や人や時間などの材料を把握する
 ・最短の手順を決める
 ・シンプルなデザインにする
 ・テンプレートやマニュアルを活用する
 ・毎日負担なく忘れずにやれる工夫をする
 
 一番最初の取り掛かりの時から、夢いっぱいの大規模で壮大な計画を成し遂げてやろうとか、映画やドラマのような爽快で感動な逆転劇に憧れて、わざわざ困難でいっぱいの茨の道を選ぶ人がいますが、普通に考えたら、茨の道は成功する確率は普通にやるよりも下がります。
 
 だから、成功したいのならば、普通にやるほうが良いです。普通にやって、普通にうまくいって、その後も普通に手戻りも障害も発生しないやり方を習ったり、見つけたり、作ったりしていく方がよいです。どんどん経験して、その数もどんどん増やしていくことです。
 生涯忘れ得ぬ最高に誇らしい成功体験はその中から見つかる方が、最初から夢いっぱいの壮大な計画の中から探していくよりも良いものになることは想像に難くないはずです。
 
 また、成功する人は、心のスイッチのオンオフの切り替えが上手にできるそうで、ここから学ぶとしたら、自分も何かスイッチが入るようなルーティンを作っておくと良いでしょう。
 ルーティンは人それぞれ異なるでしょうが、例えば野球のイチロー選手がバッターボックスに立った時にする一連の仕草などは有名でしたが、一般的な人でも次のようなルーティンを作るくらいならばできます。
 
 ・自分も同じように何か目的を持ったオリジナルの仕草を作る
 ・作業をする前の三分で机の上を片付ける
 ・集中する前には好きな音楽の曲を聴く
 ・使い終わった道具は整えたり手入れして次にすぐ使えるようにする
 
 スイッチの切り替えにうまくいったら、「普通にうまくいくやり方+ルーティン」で組み合わせてみたり、その成功体験を積み上げて脳に焼き付けたり、いつでも再現できるように反復して、いつでも使えるようにしておくとよいです。
 
 一発逆転を狙うよりも、普段から出せる実力そのものを上げることに労力を注ぐことの方が圧倒的に大切なのです。