知らないうちに人から嫌われる習慣


①悪い知らせを伝える(自発的特徴変換)
 悪い知らせを伝える話ばかりしていると、話を聞いた相手はその悪い知らせの内容と教えてくれた人をセットにして記憶してしまうので、教えてくれた人のことも合わせて嫌いになる傾向が高まります。
 ですから、噂好きの人が、根は人が好いのに嫌われてしまいやすくなってしまうことがこれに当たります。
 悪い情報は話した分だけ嫌われることになりやすくなるので、本当に必要な場合を除いて、そういった内容は極力話さない方がよいでしょう。

 

②誰かと一緒にいる時にスマホを触る
 誰かと一緒にいる時にスマホを触っていて目の前の人を無視してしまったり話を聞いていなかったりする行為のことをファビングというそうです。
 そうすると、相手側の脳では仲間外れや内緒話をされている時と同じように反応してしまうため、嫌われやすくなることになります。


 この対策としては、
 ・メッセージの内容を相手に伝える。
  →「今、〇〇さんから急ぎの連絡があって返信ました」
  →「仕事の件ですぐに返信が必要なんだけど、サッと返信してもいい?」

 ・トイレで席を立った時など、相手のいない時に確認する。

 ・大事な連絡が入る予定がある時は、前もってそのことを伝えておく。


 「あなたと一緒にいてくれる人は大切な人である」ということを忘れないことが大切です。

 

③ネガティブさが強い
 ポジティブとネガティブの割合を見た時に、ポジティブの割合が低いということで、心理学ではポジティビティ比が低いと言われることもあるそうです。
 ゴットマン比率と言われる、人間関係を良好に維持するための最低限のポジティブな交流とネガティブな交流の比率がありますが、それによると次のように挙げられています。


 ・親子 → 3 : 1  ※(ポジティブ:ネガティブ)
 ・上司と部下 → 4 : 1
 ・恋人、夫婦 → 5 : 1
 ・友人 → 8 : 1


 ネガティブな比率がポジティブの比率を超えると関係が崩れやすいとされており、この例で言えば、ポジティビティ比率が低い人はどこに行っても嫌われがちになると言えます。
 さらに、悪口やネガティブな感情が多い人と一緒にいると、その時にやっている本来の目的である内の「楽しむ」という部分が害されてしまいます。
 この1点だけを見てもかなり良くないですが、そういう人の特徴としては、余計な一言が多いのではと思います。

 何にせよ、たまに冗談交じりにネガティブなことを言うくらいなら可愛げもあるものです。
 また、ネガティブな部分を時折見たり見せたりすることが、お互いの人間らしさを感じたり感じてもらえたりする機会にもなり得るものです。
 しかし、常にネガティブというのでは周りも息苦しくなってしまうし、離れていってしまいます。

 

④睡眠不足
 睡眠不足が続くと、脳の扁桃体が興奮しやすくなってしまうと言われています。

 興奮しやすくなると、
 ・怒りっぽくなる
 ・ネガティブな関係になる
 ・人間嫌いになる

 そうなると、
 ・愚痴や不満が増える
 ・舌打ちなど、とっさの反応で印象の悪いものが増える
 ・あまり笑わなくなる
 ・雑談が減る

 などの反応が段階的に現れてきやすくなります。
 今まで良好な関係にあった人さえ、敵意がある人や、信頼できない人に見えてしまうことも起こってくるでしょう。
 成人でも睡眠時間はたっぷりと、最低でも7時間はとるとよいでしょう。

 

⑤誰からも嫌われたくないと思っている
 誰からも嫌われたくないと思っている人は、「相手にどう思われるのか」ばかり気にしてしまい、本当の自分を出せなくなってしまう傾向にあります。
 相手から見ると、本心が見えない、何を考えているのか分からないと思われてしまうこともあるでしょう。
 これは、簡潔に言えば、嫌われないための努力をやめることと、素の自分を出すことです。


 例えば、
 ・素直な感情表現をする
 ・弱点を人に見せる
 ・失敗談を話す
 ・不要なLINEグループなどから抜ける


 様々な人に分け隔てなく接したり、物腰柔らかく接することは大切なことです。
 しかし、そこに重きを置き過ぎてもかえって負荷がかかることもありますから、もし当てはまるようでしたり、これからはもっと自分を大切にし、自分が優先するべきことをもっとやっていった方が良いのかもしれません。

 自分が誰かから離れていくこともあれば、自然と疎遠になっていく関係もあるかもしれませんが、今後はそれと同じくらいお互いに波長の合う人も集まってくるものです。

 

⑥マウンティングをする
 マウンティングしてくる人は、相手を支配することが目的です。
 少なくとも「お互いに対等な関係を持とう」という意識はないので、距離はとっておいた方がよいでしょう。
 もしその人から学ぶべきことがあるとしても、他に同じような能力がある人を探した方がよいくらいです。
 時と場合に因りますし、いざという時には自分で自分を守る力もなければなりませんが、まずは自分自身が「マウントを取らないと気が済まない」という人にならないようにしましょう。

 また、特に、話の頭が「違うよ」、「そうじゃない」、「分かってない」などから始まってマウンティングをしてくる人には注意が必要です。
 なぜならその時点で既に、「じゃあアレかな、コレかな」と配慮してあげるあなたの知識や知恵や気遣いを利用した上に、あなたの言葉で、あなたの提案で、あなたの責任で、話や物事を進めることを考えているからです。

 さらに、このような人達は、次の段階ではその人自身から何も言わなくても「あなたの方から自発的に差し出すようになることを望んでいる」のです。
 ここが最初かつ最大の目的でありそこを皮切りに様々なことを要求してくるため、いちいちマウンティングしてくる人には絶対に合わせてはならないのです。
 だから周りから嫌われているのですが、知らないのはあなただけなのです。

 逆の視点で見た時は、どうでしょうか。
 もしもあなたが上記の口癖を持っていてマウンティングをする人なら、直ちに意識して改善していく必要がありそうですよね。
 対策としては、相手の意見や立場は尊重した上で、「違う」なら違うでそのように言った理由や説明も合わせて伝えてフォローできるようなることと、普段の発言や行動の時から相手を大切にし、お互いの信頼感と対等な関係を築いていくことです。

 

⑦自分が受け取ることしか考えていない
 自分が受け取ることしか考えていない人は、ギブ&テイクという言葉からテイカーと言われたり、何でも貰ってばかりだからクレクレ星人と言われたりします。
 こうした人達は、他人にお願いするくせに何のお返しもありませんから、ただお金も時間もエネルギーも吸い取られて終わりになるだけです。
 出来れば最初の一回目のお願いの時に、気づいておきたいものです。

 世の中は、「持ちつ持たれつ」とか「自助、互助、公助」という言葉があるように、お互いに支え合うからこその人間関係でもあり、社会的な繋がりでもあります。
 とはいえ、受け取ってばかりの自分を改善しようとして、最初から一人の人と一つ一つのやり取りに対して「一つもらったらから一つ返す」ということから拡げてすべてに対応していこうとすると疲れてしまいます。
 ですから、まずは小さなところから、一日一回親切な行動をするとか、何かの役に立ったことを一日三点くらい日記に書いてみるとか、新しい経験から得られたことをブログやSNSに書いて不特定多数の人に共有してみるなど、自分ができそうなところから始めていくとよいでしょう。


 また、もしあなたの周りにいわゆる「与える人」がいたら、ラッキーなことと捉えた方がよいです。
 相手が人間性から見て裏表の激しい人でもない限り、もし見習えることがあれば今のうちに取り入れておく方が、その分その先に活かせることも多くなります。
 なぜなら彼らは、人間や物事の本質を見抜いたり、年齢や立場も関係なく親密な人間関係を作るといったことが上手だからです。

 もちろんそんなに上手でない人もいますが、基本的に賢く、同じような人達で同士で集まる傾向も高いです。
 そして単純に、自分の事に加えて、相手やその周辺の事にも配慮できることが多いので、自分の事しか考えられない人達の2倍以上の作業量を、普段からこなしているのです。


 筆者の少ない経験の上でも、特に音楽関連では作編曲家やクリエイターや指導者の先頭を行く人達の集まりに自分も参加させていただいた中では、身になることが山のようにありました。
 こと若い頃の勉強会などにおいては、何回分や何年分の収穫かと驚くほどの発見や気付きがありました。
 そして圧倒的な質と作業量と想像力であり、もし自分が同じことをやったら頭も体もどうかしてしまうのではないかと思うほどでした。

 そうしていくうちに、「自分はもらってばかりになっていないか」、「自分は借りばかり作っていないか」と振り返るようになりました。
 行動を起こしたり何かを作ることで成果を出し、人の役に立っていくことや仕事の繋がりや人を繋げることでお返しや感謝をし、やがて、全体や背景を広く見渡したり、必要な部分に配慮をしたりできる力に繋がっていきました。

 さて、何をするにしても、誰でも最初は知らないことだらけですから、みんな先述のクレクレ星人なのかもしれませんが、それは一定の期間は仕方のないことです。
 しかし、そのままぬるま湯に浸かっていると、たとえまだ「与える人」達の輪に入っていかったとしても、今までの良好な人間関係などあっという間に終わってしまうことでしょう。