聞き上手な人の話の聞き方


①話題だけでなく話し手にも興味を持つ
 人は、自分の興味のない話題は聞けない、もしくは、そのように思い込んでいるようです。
 例えば、喫茶店のスイーツの話題になっても「自分は甘いものをそんなに食べないので、分からないしどうしようもない」と思ったとします。

 自分の知らない話やマニアックすぎる話に接した時には直ぐに「興味ない」とはせずに、「だけど、あなたの雰囲気は気になる」というように、まず人間に焦点を当ててみることです。
 話題が何であったとしても「なぜそれにハマったのか」ということに絞って話を聞いていくことで、相手の方もどんどん熱を帯びて話し始めていくことでしょう。
 そして最終的には「自分も今度喫茶店に入った時に気にしてみるよ」という着地点に持っていくこともできます。

 コミュニケーションはある種、「人への興味」が全てなのかもしれません。
 話している人に興味を持つことで、話題に関係なくどうとでもできてしまうし、「知らないよそんなの」とならずに、懐も深くなりどんな人でも受け入れられるようになるでしょう。

 

②相手の話を盗らない
 たとえ自分の方が相手よりもその話題について深く知っていても、それ以外の他のどのジャンルにもマニアックな知識を持っていたとしても、相手のちゃんと話を聞いた上で、我慢して絶対に相手の話を遮らないことです。
 そうすると、自分が生返事をしてしまうことも、慌てて相槌を打つこともまずなくなるので、相手もよりリラックスをして話すことができるでしょう。

 「自分が詳しいことについて目の前で語られても黙っていられる」という能力は、かなり凄いものです。
 特に、あなたの方が相手よりも年齢や立場が上であるとか、知識も経験も豊富であるほど、相手にとっては「自分の話を聞いて反応してもらえた上に、最後まで聞いてもらえた」となるので、心理的にも非常にスッキリとした気持ちで話してもらうことができるでしょう。

 

③必ず何らかの肯定的な反応をする
 例えば、面白い話に対して笑ったりするなど、相手から話されたことにはきちんと反応することです。
 複数人で話をしている場合であっても、自分から話題を振っていない場合であっても、相手にとって「他の人が笑ってくれなくても、この人だけは絶対に笑ってくれる」という保険があれば、その人は のびのびと話すことができるのです。
 これは一種の心理的安全性が確保された空間を作れているとも言えるでしょう。

 相槌でテンポを作ったり、「それで?それで?」と話を引き出して着地点まで持っていくことで、まずは相手が「自分の話を話し切った」という不満のない状態にすることができます。
 上記の例ならば「笑い上戸」や「褒め上手」の人などが、話し手にとって相性の良い聞き手としてマッチしたことになります。
 もし普段の会社の場などで言うなら、「どんなアイディアでもポジティブに受け止める」という空気を上司が(あなたが)出せば、その会議は円滑に進むことでしょう。

 会議と聞くと、「自分の意見を安易に言えない雰囲気がある場」ということが多いようなイメージがあるかもしれません。
 また、経験値がある人ほど相手の話を否定するところから入ってしまう傾向も否めないでしょう。
 ですから、話の場が特に「親密度を上げよう」とか「アイデアを募集しよう」という場であるほど、こちらから相手の話を肯定的に受け止めようとしていくことで、相手にとっても話しやすい場になっていくことでしょう。