ネガティブな話を聞く時は、サラッと受け流したり中立でいたりするように心がけると良いと言われることが多い。
しかしいくら気をつけていても、もらい事故のように自分もネガティブな気持ちに巻き込まれてしまうことがある。
そのような時は、相手が思うように話して自分はただ聞いただけで終わり、という事態は避けなければならない。
そうならないために、「話の一番最後を楽しい話で締めくくる」ということが大切である。
もしこちらに楽しい話題が特になければ相手に振るとよい。
例えば、「それはそれとして、何か楽しいことはなかったの?」と質問してみるのだ。
相手から一方的に話をされた上にネガティブな話題で終わりにされてしまう前に、最近起きた楽しかったことでも聞いて切り替えるのだ。
なぜなら、一方的にネガティブな状態で終わりにされたら、こちらの負担でしかないからだ。
楽しかった話で締めくくれば、最後に残る印象が楽しかった話なので、お互いに良い話をしていた事実も残る。
だから、相手の話には相槌を打ったり、肯定したり、必要があれば確認や質問などをしながらちゃんと聞いた上で、「それはそれとして」と話題を変えて、相手の中にある最近楽しかったことや感動したことでも、何でもいいからプラスの話題を引き出してあげるのだ。
話を聞いてあげれば、ネガティブな思いを抱えながらも実は友達と遊びに行っていたり、何かに当たってラッキーな思いをしていたり、推し活が楽しかったりなど、何かあるはずなのだ。
きっと「さっきまでのネガティブな話はどこ行ったの?」とこちらが思うくらいに話してくれるだろう。
その人は今、他人にネガティブな話を聞いてもらうぐらい心に負荷がかかっていたり、視野が狭まっている状態にあるので、自分で自分のことに気づけないでいるだけなのだ。
ピークエンドの法則というものがあり、人の記憶に基づく経験の評価は、ピーク時と終了時の記憶によってそのほとんどが決まるというのだ。
つまり、話が終わった時に楽しい話で締めくくれていると、お互いにとって「今日会えて楽しかった」とか、「色々あったけどいい話ができたね」とか、「暗い話を親切に聞いてくれて楽しい話までできた(聞いてあげられた)」という印象で終わることができるのだ。
ネガティブな話ばかりをし続けて最後までそれで終わってしまったら、お互いに辛い話題、辛い気持ちのままの印象で終わってしまう。
最後に楽しい話をするだけで 一気に雰囲気が明るくなって、その時間自体がとても前向きなものに一瞬で切り替わっていくのだ。
大変な話や辛い話を聞く機会というのはいつでも起こり得ることなので、話はしっかり聞いているあげるにしても、最後に何か少しでも楽しいことを話題にしてあげると、お互いに心理的負担も少なく、笑顔で終われるようになる。
このような、ある種テクニックのようなものを覚えておけば、ネガティブな話題を聞く割合が多くなってしまった場においても、比較的楽に対処できるし気持ちも楽にいられるだろう。