仕事にも遊びにも使える時間術


①集中力のある時間帯に集中力が必要な仕事をする
 特に午前中は一日の中でも最も集中力が高い時間帯なので、「午前中にどんな仕事をするか」ということが一番重要です。
 「その日の仕事の始めに最も大変であり最も高い集中力を必要とする仕事をする」ということをするだけでも、一日の価値は倍以上に上がるでしょう。
 こういう作業を夕方になってからやってしまうと、朝にやれば1時間で終わるものが、3倍~4倍の時間がかかってしまうのです。

 大切な仕事ほど朝一番の集中力が高い時に一気に片付けると、あっという間に終わるものです。
 それを、朝一番でメールチェックなどに30分もかけるようなことをしていたら、時間の質としては1時間半から2時間くらいのロスをしていることになります。
 とは言っても、現実では緊急かつ優先度が高い連絡が来ていることもありますから、朝のメール確認はざっと見渡して緊急かつ優先度が高いものだけ対応してから、朝一番で取りかかるべき自分の仕事をするのが良いでしょう。

 

②制限時間を決める
 例えば、「次の予定を先に入れておく」などです。
 仕事を終えた後に夜7時から映画を見たいのなら、先にチケットを予約してしまうことです。
 また、仕事場から映画館に行くのに30分かかるとしたら、遅くとも6時半前には移動を始めなければならないわけですから、それまでに仕事を終わらせる必要があります。

 それなのに制限時間を決めないと、どんなに集中力やパフォーマンスが下がってもダラダラとそのまま仕事をしてしまうことになります。
 多くの人は、残業などの時でも「仕事が終わったら帰ろう」と思っているのかもしれませんが、もしそうだとしたら、だからなかなか終わらないのです。
 「仕事が終わったら帰ろう」というのは、視点を変えれば「制限時間を決めないでダラダラやろう」と言っているのと同じことなのです。

 だから、どんなに残業が積み重なっていても「9時までに終わらせて帰る」などと決めて向き合うことです。
 月末作業などの定例作業をチーム全員でやる必要があるような場合は別ですが、個人の裁量で発生してしまった残業程度ならば、まず終わらせることができるでしょう。
 「時間を決めて仕事を終わらせる」という習慣をつければ、2時間なり3時間なり集中力が高まって一気に仕事を終わらせられるようになるものです。

 ただし、普段はそういうことをしない人が「2時間で全部終わらせる」と言って、いつもは4~5時間かかような作業に対して意気込んでみても、まず無理です。
 ある程度練習をしていくことによって、段取りや作業効率の向上とともに高い集中力を発揮できるようになっていくのです。
 適度な緊迫感があれば脳ではアドレナリンも分泌されやすくなるので、それによって集中力が高まる効果もあるでしょう。

 仕事をやる時は、必ず制限時間を決めたり、毎日毎週必ず発生する作業ならタイマーを使って作業時間を実際に計ってみることです。
 そうすると、「このタスクには○分かかる」とか、「この順番で作業を組み合わせたら、流れが良くなってより早く終わる」ということが分かってきます。
 だから「この作業は30分で終わらせる」、「この仕事は○時までに終わらせる」ということが、気持ちだけでなく中身も把握してきちんと決められるのです。

 時間を計りながら、その上で緊迫感を持って仕事を進めていくことで、より良いパフォーマンスを生み出すことに繋がるのです。

 

③1つの時間に2つ以上の価値を持たせる
 例えば出張した時に、仕事が終わったらその土地の名物を食べたり観光をしたりするということです。
 「仕事で行ったのだから仕事だけして帰る」というのは、わざわざ時間とお金をかけてその場所まで行っているのに勿体ないことです。
 誰だって、ただ仕事をするためだけに時間を使って生きているわけではなく、人生を楽しんだり幸せになったりしたいはずですから、仕事をきっちりやり終えたらその後には楽しむための時間も予定に盛り込んでおくことが大切です。

 仕事を楽しみ頑張る人は、遊びにおいてもそうするもので、一つの時間に二つ三つと価値を持たせていくのです。
 遊んだり楽しんだりすることはリフレッシュにもなりますから、仕事のパフォーマンスを上げるにはむしろ遊びの時間も取り入れておかなければならないのです。
 「ずっと仕事だけ」、「ずっと作業だけ」でそのまま行くのではなく、要所要所でリフレッシュも入れておくことが、日々の集中力を高めることに繋がるのです。

 

 また他の例としても、例えば飲食店で言うなら、A席に料理を出した後はそのまま戻って来ずに、もう帰った後のB席を片付けてくるなり、食事中のC席で食べ終わった空の食器を下げてくるなりすることです。
 要は、「手ぶらで動いている時間を減らせ」ということです。

 一生懸命やっているのは分かりますが、頭を使って作業の組み立てを考えないから一度に一つのことしかできないままなのです。
 だから「遅い」と言われるし、他の人より余計に何往復もして疲れるし、色々なタイミングが合わないし、待たせなくていいお客さんを待たせるし、いつまでたっても片付かないのです。

 これは冷静に見ると、片道分だけ仕事をして、もう一方の片道はただ歩いているだけで何もしていないことになります。
 それは、仕事の効率が50%ということです。
 飲食店は、料理を出すこと以外にも様々な作業が山のようにあるのですから、動きながらでも「あれをして、これをして」と組み立てながら、一連の作業の中に優先順位をつけたり、ひとまとまりの作業としてまとめてやったりした方が、上手に時間を使えて良いのです。