行動できない状態を変える方法


 何か行動しようと思ってもなかなか行動に移せないということがあります。
 動物は、自分が死なないで生きていくために、自分の行動パターンを突然変えたり今いる縄張りから外には出ようとせずに、昨日と同じことを生きていく習性があると言われています。

 人も同じように、いつもと同じ生活パターンを超えて何か新しいことをやろうとすることは、本能的に見れば恐怖を伴うことなのかもしれません。
 そんな中でも、やるかやらないかの二択思考にならずに判断をするにはどのようにしていったら良いでしょうか。

 

①とりあえずやってみる
 やろうとしているのに「でもできない」となっている時は、まずは0か100かの二択での判断をしていないかを気にしてみることです。
 「課題をやらなきゃ、でもできない、でも期日が…。」などが例として挙げられます。

 0か100までの間だったらとりあえず「10までやってみる」、「5分くらいで終わりそうなことならとりあえずやってみる」、そして実際にできたら、「やれた、すごい。」と褒めればいいのです。
 また、タイマーをつけて「1分だけやってみる」というのも、「やり始めたら持続する」という人間の習性を利用できますから、意外と長くやれたりします。

 

②さっさと「やると決断する」
 もし、そもそもやるかやらないかで悩んでいるのなら、さっさと決断してやってみて、「その決断が正しかったと思う行動を繰り返す」ことです。
 「起業しようか」、「ジムに通おうか」などが例として挙げられます。
 後々に影響してくることが多いのも確かですが、先延ばしにしてしまって決断が遅くなればなるほど、もし間違っていた場合にそれを巻き返すことも修正することも難しくなってしまいます。

 また、日常レベルのちょっと面倒なことくらいなら、5秒カウントダウンして切り替えて、さっさと取り掛かってしまった方が良いでしょう。

 

③過程を大切にする割合を少し増やす
 「何手も先のことを考えてしまう」ということが例として挙げられます。
 何手も先のことを考えられるのは素晴らしい才能ですから、まずはその点は大切にすることです。
 ところで、その何手か先の自分が成功していても失敗していても、完璧な自分や群を抜いて活躍している状態を想像していないでしょうか。
 一手目って、今の自分のまま挑むものですので、あまり気負いしない方が良いかもしれません。

 例えば、十手先までやった自分に100点の自分を想像しているとしたら、単純な話、一手目をやり終えた自分は10点分成長できたことにできるでしょうから、まずはそのことを喜び、「残りの90点に向けて頑張ろう」と思うようにすると前向きになれると思います。
 また、十手も先が読めるということは、当然その手前のステップも読めているということですから、プロジェクト管理表やToDoリストなどに落とし込むなりすれば、最終地点までの道筋をよりハッキリとさせることができます。

 結果や成果を出すことはもちろん大切です。
 仕事であれば、最初はがむしゃらでも結果を出して、その後も安定的に結果を出せるように、それまでは仮で設定していた過程を整えて、結果の出るプロセスにするという順番が適切かもしれません。
 そりゃあ仕事ですから、「目指すなら日本一高い富士山の頂上まで登ろう!」くらいの意気込みがあるのであって、「何となく散歩してたら富士山の頂上に着いちゃいました。」ではないのです。

 しかしそうでない場面では、結果ばかりに目を向けて過程をないがしろにしてしまうと、「そもそも型や段取りを身に付けて使えるようにしていますか」という大切な部分が疎かになってしまうこともあります。
 もしかしたら、そこが抜けてしまっているから「初動が分からない」とか、「進める順番が分からない」とか、「押さえてておくポイントが分からない」となって行動が起こせなくなっているのではないでしょうか。

 もちろん、過程ばかりを大切にして結果出すことや目的そのものを見失ったり、「結果がでなくてもいいや」となってしまうのは話になりません。
 ただ、過程が大切という時期も、分野も、今の時点のその人のレベルもありますから、今の考えが偏り過ぎていないかを少しだけ振り返ってみることで、まだゴールまでの過程にいる自分を励ましながら次のステップへと進めていかれるでしょう。

 成功の数は確かに成果と言えますが、たとえ失敗したとしても、その数は成長の数でもあります。
 もし失敗をしたのなら、今後はそれをしない知識が身につくということですから、落ち込むばかりでなく「一つ成長した」という部分に焦点を当てた方が良いでしょう。
 また、「失敗すれば挑戦する前の状態に戻るだけ」と考えればそれほど恐怖心も湧かないでしょうし、その後も「次は○○に気をつけてもう一回やってみよう」とか、「今失敗したことの原因から別のやり方も考えてみよう」などとなっていくわけです。