よく「こんなはずではなかったのに」と言って後悔する人を見かけますが、では、人生「どんなはず」ならよかったのでしょうか。
その状況や対処は人によって様々あるでしょうが、大枠としては次のようなことが大切です。
①自分のやりたいことを決め、
②実際にやってみて、
③やってきたことを振り返り、
④次に改善できるように対策する
世の中には、自分が決められることと、他人が決めることがあります。
学校のクラス分けや会社組織の配属先割り当てなどの他、事前の新人の取り合いもありますし、機械やくじ引きなどを使ってランダムに決められてしまうことさえあります。
また、頑張って合格や就職を勝ち取ってもイマイチなチームに振り分けられてしまったり、本気で打ち込みたいのに「趣味を楽しもう」レベルの集団しか周りにないこともあります。
往々にして、やりたいことをやれたらやれたでやってもやってもうまくいかないものですし、その分野の先駆者や、仲間や、師匠と慕う人物に巡り合えすらしない、努力の結晶もかすりせずにある種の「遠さ」を感じたりして、「自分の人生こんなはずじゃなかったんだけどな」となるのだと思います。
しかし、そんなことは誰にでもあるのです。
そこで、「こんなはずではなかった」と言ったって流れは変わらないのですから、出来れば口にしたり口癖になったりすることは避けなければなりません。
では、人生「どんなはず」ならよいのかというと、それは目的や方向性を持って自発的に動いていかなければ見えてきません。
差し当たって、最初は少し大変かもしれませんが、「自分の本分や目的を見つめ直す」ことと、「今いる環境でできることを自分で探して見つけ出してやっていく」ことから始めることです。
そして、「自分の人生はこうありたいんだ」ということを、小さいことから実際にやってみて、振り返ってみて、改善して、再び実現に向けて取り組んでいかなければならないのです。
さて、世の中の常識や、慣例、押しつけなどといったことに多少うんざりしたかもしれませんが、その流れに逆らってでも自力で一歩を踏み出す実力はあるのでしょうか。
自分から率先して自分を変えていく勇気はあるのでしょうか。
たとえ今は小さなことであっても、自分の力で頑張ってみて、周囲の影響ごときに左右されないような目的・目標や計画を練り、それがうまくいった時にはどの程度の主導権や選択権を手にしたいのか、ということを考えたことはあるのでしょうか。
また、そのうまくいった時にはどのような感情が自分を満たしていて、自分や、自分の生活や、自分の回りにいる身近な人達とはどのようになっていたいのかを考えたことはあるのでしょうか。
こういうことをまったく考えもせず、武器無し、丸腰、丸裸のまま、お気楽にのんびり歩いていこうとしていると、今ある問題に向き合って乗り越えようと思い立つどころか、その存在にまったく気付くことすらできないまま、人生の終わりの時間が来てしまうのでしょう。
そんなことになってしまったとしたら、どうなのでしょうか。
それでよいという人も中に入るのでしょうが、その手前の段階で、それが良いのか悪いのか判断もつけられないようでは目も当てられないことになってしまいます。
「人のふり見て我がふり直せ」という諺がありますが、「もし自分なら」と想像したことが、ざっと思い出してみてどれだけあったでしょうか。
決して回数が多ければよいわけではありませんし、毎日毎日何度も何度も想像する必要もありませんが、その時に「自分の立ち位置が一体どこかも分かつていないのに、人のふり見て人を嗤っていなかったか」を振り返って見るのもよいでしょう。
「もしも自分なら」と考えた時に、「もしかしたら自分はもう少し良くできたかもしれない」と思って人から見習うことができるならば、「こんなはずではなかった」と簡単に諦めてしまうよりは、
「少しずつでも変わっていこう」となれることでしょう。
誰であれ、「まずは自分から行動をしていこう」と思うなら、実生活において身の回りの小さな範囲から変えていかなければなりません。
「自分が一番大切」とか「人生一度きり」とかいろいろ言ってみたところで、結局のところは今よりももっと主体的に生きた上で、時には、或いは定期的に、自分を振り返って客観視する必要があるのです。
ロケットでもミサイルでも鉄砲でも温泉の射的でも、対象を明確にして、距離を測って、照準を合わせて発射するのですから、自分の人生において大事なことを何にも決めずにブラブラしている場合ではないのです。
「こんなはずではなかった」という経験を減らすためにも、次に良くするためにも、自分を振り返り、本来の目的・目標に向けて軌道修正しなければなりません。
もちろんそれは一度や二度でなく、何度も何度も、場合によっては何百回もすることもあるでしょう。
もし、やってみてうまくいったとしても、最初に取り掛かることは数ある項目の中の小さな一つでしょうから、現実はいきなり大きくは変わらないかもしれません。
今のところは自分の気持ちが少し軽くなったり、前向きになっただけかもしれません。
しかし、そうやってようやく少しずつ自分らしい生き方に近づいていき、「こんなはずじゃなかった」人生ではなく「やってみてよかった」と思える経験の多い人生に変わっていくのです。
