よく「怒鳴らないと分からない人もいる」と言う人がいます。
もし短気で怒鳴りやすい性格なのであれば、少し今までのことを振り返ってみるのもよいかと思いますが、部下や子供が言う事を聞かない主な理由は、大体においては以下のように絞られることでしょう。
①信頼関係が構築できてない
②指導者が尊敬されてない 、慕われていない
③説き伏せるだけの論理や技術がない
④伝え方が下手、時間がかかりすぎている
それを部下や子供のせいにして怒鳴って無理やり解決するというのは、あまりに安易で愚かだと考えます。
しかし一方で次のような状況が、あなたにも相手にも起こり得る得るでしょう。
①自分に自信がない
②初めてのことで不安に駆られている
③集中できる時間が短い
④指示や話を理解できていない
⑤そもそも人の話を聞いていない
⑥あなたの言うことだけはとにかく聞かない
①から⑤は、話を聞く姿勢を整えたり、要点をまとめたり、理解の確認をしたり、うまくいった前例を示したり、行動を通して励ましたりして改善していかれることも多いです。
⑥の場合は、例に子供も挙げていますのであのような書き方をしましたが、単にそういう時期とか、自分しか見えていないとか、天邪鬼というだけでなく、誰かに何かを言われていてその言いつけをしっかりと守っている場合もあります。
ただし、⑥かつ大人でも、ごく稀にこのような事が起こる場合もありますが、そういう場合はいわゆる派閥や何らかのグループのようなものが背後にある可能性も考えておき、自分の身を守ることを抜かりの内容にしておき、目的の物事を確実に達成できるように冷静に進めていく必要があります。
また、怒鳴る前に一旦冷静になって振り返ってみれば、一例としてですが次のようなことも考えられるはずです。
・そもそも今の目的や、何をする時間なのかということを共有しているか確認する
ここが分かっていれば、それなりに流れを作って進めていくことができます。
ここが曖昧だと、まともな人でも頓珍漢でズレっぱなしになることもあります。
・伝達事項や手順などで、何か抜けたりかけたりしていたことはないか振り返る
こちらの不手際がなかったかを念のため確認しておくことは大切です。
・どのくらいの失敗で介入してあげようと考えていたか
何回言ってもやっても分からない、出来ない人が放置される方が損害が大きいです。
また、最初は見本や補助をしてあげつつ一人でできるように育てることも大切です。
上記はあくまでも一例ですので、ざっと流して自分のことを省みてもよいでしょう。
ただ、けがや命に関わることや、他者を巻き込んで迷惑をかけたり被害が出るようなことなら、怒鳴ってでも分からせなければならないことはあります。
泣こうが喚こうが頭や体に叩き込んで身に付けさせなければならないこともあります。
世の中には様々な業界や集団があり、そこに属せば、大きい声での指示や号令で一発で人を動かさなければならないこともありますし、緻密で繊細で詰将棋のように人や物事を扱っていかなければならない時もあります。
それは「ものの程度」というものがありますから、より多くのことを学んだり経験したりしながら、その都度判断できるようになれた方がよいでしょう。
何にしろ、普段からコミュニケーションをよくとることです。
よく自己啓発系やメンタル系の本や動画では「相手に合わせてあげる、理解してあげる」という視点が割合多く記されているように感じますが、一方で「こちら側のレベルまで上がってきてもらう」とか、「こちらの意図を必ず伝える/理解してもらう」というような視点は少ないようにも感じます。
もし自分がその両方の面からみてどちらかに偏っていたとしたら、不足を補いバランスよく力をつけていくことで、本当は分かったり気付いたりした方がよかったことを今までよりも多く掬い取れるようになりますから、怒鳴って怒る機会はだんだんと減っていくことでしょう。
取り敢えずすぐにできることは、普段から声は少し大きめでよく通る声で話すように意識しておくことです。