やる気を出すことを頑張るよりも、自分の成長のさせ方を深める

 

①やる気を出すための何かをしない
 やる気を出すための何かをしても、やる気は出ません。
 自分の中のやる気のスイッチを入れるためには、トレーニングでも勉強でも、その内容にやる気を出すことを含めないことです。
 なぜなら、トレーニングをして成長する事の方が大事だからです。

 また、トレーニングや勉強を、まるで義務や使命かのように思ってしないことです。
 取り組む内容や人生の時期にもよりますが、過剰に気を張ったり根を詰めてするよりは、「昨日の自分より明日の自分の方が成長している」と思ってする方が継続しやすいからです。
 ただし、知識でも体力でも何でも、無いよりはあった方が良いですから、力づくで覚えたりできるようにすることも時には必要ですが。

 結局、やる気が出るまで待ったり、やる気を出すために何かをするのではなく、「自分の成長のためにトレーニングや勉強をする」ということ自体をやる気のスイッチにしないと、結果ばかりを気にしたり、つまらないことばかり起きたりして、本来すべきこと自体がつまらなくなり気持ちが離れていってしまうのです。

 先を行く人や先生や指導者と言われる人が、「まず動く。やる気は後からついてくる」と言うのは、こういう理由からです。
 「それ(核となる行動)をやらないと上達しないし結果にも繋がらないんだけど、またズレたことしちゃってるの?」と。
 やることそのものが面白いとかつまらないとかもありますが、もし淡々とやり続けられるならその方が良いです。

 面白くないことやつまらないことをその通りに思って向き合うよりも、もし可能なら、そこに何か活路を見出そうと思って向き合ったり、自分のプラスにして生きようと思って実際に取り組むことです。
 そうすれば、決して大げさではなく、自分自身が少しずつ成長し、だんだんと人生も変わっていきます。

 ただ、やる気を出すための何かをして、もしそれでいつでもやる気が出るのならそれに越したことはありませんから、そういう方はそのままで良いかと思います。

 

 

②自分の人生で一番大切なことは何かを先に問うておく
 問うておくだけでよいです。
 そして、それが何なのかを自分の中だけで分かっていればそれでよいです。
 今無理して「これだ」と決定したり、一つに絞り込んだりする必要はありません。

 また、自分の人生で一番大切なことが既に決まっている人はそのままでよいです。
 自分の人生で一番大切なことなんて考えたことがない人は、いずれ形がはっきりと見えてきたときに決めればよいですから、今は問うだけにして、今のところ考えていることはそのまま自分の中に留め置いておけばよいです。 

 さて、基本的に、自分のやりたいことは自分の心の中にありますから、それを実際の行動に移せる人は自分自身しかいません。
 まあ、当たり前のことなのですが、どうせやるなら、自分が使える時間を全部自分のやりたい物事に変えていく力をつけた方がよいですよね?

 その時に、この「問うておくか、おかないか」で、その後の行動が大きく変わってくるのです。
 なぜなら、やっておかないと、本当は自分のやりたかったはずのことを、ただ無雑作、無作法にやってしまうからです。
 この「無造作、無作法」は、物事を停滞させる大きな原因の一つとなります。

 一般的には、昨日より今日、今日より明日が楽しくなるようにし、より良い物を知ったりより強くなることを続けて実際に楽しくしていけば、「昨日の方が楽しかった」などということはなくなります。
 でも、この「無造作、無作法」には心がこもっていませんから、そもそもそういうことに気付くこともできませんし、「昨日の方が良かった」ことも起こり得るのです。

 先に問うておけば、体を鍛えたり、本や漫画や映画などのコンテンツを楽しんで情操を養ったり、人と出会ったり、会話や文章でやり取りするということも、「実は関連していた」と気付くことができます(もちろん、何か一つのことに集中して向き合う時間も大切ですが)。

 さらにその上で、「今まで知らなかった自分を知った」とか、「できなかったことができるようになった」とか、「知らなかった知識を得た」など実際に自分が成長できたことに繋がりますし、「また明日も何かを一つ達成しよう」と思ってそれができれば、また一つ成長できた自分になります。
 というようなことが実現しやすくなります。

 

 何でも選べて、言いたいことややりたいことを自由に表現できて、食べられて、住めて、そうやって生活できる国にいるのですから、それだけでもかなりの得をしています。
 そこで学びたいとか何かをやりたいと思うのなら、それを実現させるためにできることはたくさんやった方がよいです。

 それなのに、何かあれば不満ばかりが口をついて出てくるのは、単純に人間が弱いのです。
 くだらないことに構っている時間はありませんし、ましてこんなに恵まれた状態を誰かに譲ろうなんて馬鹿げていますし、恵まれすぎて麻痺してしまっている人の対応は一旦置いておいても構いません。
 もし何も思いつかなければ、前項でも述べましたが、「まず動く」ようにしておけば、物事は少しは前に進むし、やる気もその後についてきますから、何かしら手は動かしていた方がよいです。

 様々なことが起こる世の中に生きていく中で、自分の人生で、他の何よりも誰よりもレベルを高めるべきことは何なのか。

 上っ面のやり取りや、口論や、誰かの敷いたレールの上で、刹那的に競い合って勝ったとしても、それよりも、まず自分の力で自分を幸せにするとか、自分と近い大切な数人を幸せにするとか、自分の人生に本気で向き合って強くなろうとしながら日々過ごす力をつける方が大切なのです。

 だから「自分の人生で一番大切なことは何か」を先に問うておくとよいのです。

 勝負はそこから始まっていきます。
 世の中って、結構「勝負」とか「優劣」って、あるんです。
 また、信じられないくらい強引な流れに流されなければならないこともあります。
 
 だんだん話が大きくなってきましたのでこの辺にしておきますが。

 どうせ何かをするのでしたら、何かをしている他の誰かがその手を止めて自分に見入ってしまうくらい、脇目も振らずにレベルの高いものにしていく方が良いのです。

 もちろん、「昨日の方が楽しかった」なんて、あってはなりません。

 ただ、やる気がどうのこうの言って実際の行動をしないままだと置いていかれる一方ですから、「やる気に気をとられていると、見えなくなることや実現できなくなることがたくさん出てくるので、自分の方向性を発展させつつ手を休めるな」ということはお伝えしておきたいです。