自分の限界を感じたり、「これ以上は無理」と判断することは、そり土台や物差しがなければ決断するのはなかなか難しいでしょう。
しかし、これを持ち合わせていなければ感情的に決めることになり、「気合いや根性で乗り越える」などの無茶をすることになります。
もし、やり方をいくつか持っておくことができれば、直面している状況を冷静に判断して線引きができる機会も増え、精神的に一杯になって体や心を壊してしまう前に対処しやすくなります。
基準は人によって様々あるでしょうが、三点記しておきます。
①数値化する
自分の調子を採点し、毎日記録することです。
また、箇条書きでも良いので日記をつけたりするのもよいです。
要は、「いつ頃から調子が崩れ出したかが分かる」ので、時分で自分のことを把握したり振り返ったりすることを客観的にできるようになるのです。
ただし、採点や書く内容は「主観(気分)」なので、後で読み返した時に受け取り間違いやすいという点もありますが、何もやらなければ、「何でだろう、どうしてだろう、いつからだろう」と、延々と悶々と妄想を反復し膨らまし続けることになりますので、それよりは余程気が楽でいられます。
②行動で判断する
できること、できないことを記録することです。
特に、いつもは普通にやるのにできなかったこと、例えば「何だか体調がすぐれず学校(会社)を欠席した」、「いつもきちんと食事するのに、今日は食べ残した」、「いつもは掃除をする日なのにやらなかった」などの行動と、その日付けを記しておくとよいです。
これも、数値で判断するのとはまた違うかたちですが、客観的に見て判断しやすくできます。
今までできていたことが徐々に億劫になっていったり、急にできなくなったり、最近頭が回らなくなってきたり、運動や筋トレなど体にいいことをやっていたのにやらなくなったなど、変化がでたことを把握できるようにしておけば、当然早めに気付いて対策したり元の状態に持ち直すことができるのです。
お風呂に入らなくなったとか、ゴミを捨てず選択も掃除もしなくなったとか、身だしなみを整えなくなった、などとなってしまう前に、「これはちょっとマズいな」と思った段階で対処できるようにしておくに越したことはありません。
③第三者の評価
身近な人や親しい友人に、最近の自分の様子を聞いてみるということです。
完全に客観的な意見を手にすることができます。
本当に辛い状況にある人は、誰かが心配して声を掛けてくれても「大丈夫だよ」と返してしまうものですが、それは自分を客観的に見ることができなくなってきている状態にあるということなのです。
そうなる前に、聞いても答えてくれそうな信用できる人が近くにいる時に、何気なく聞いてみるとよいでしょう。
・家族などから最近の自分の様子について教えてもらう。
基礎的生活音がうるさくなった、これまではなかった変な仕草や癖をするようになった、など。
・他人の言葉や観察に耳を傾ける。
「最近ちょっと元気ないね」とか、「目の下にクマができてるよ」など。
これは、今は仲が良くても、いたずらやドッキリが好きな人だったり、過去に一度でも少しでも意地悪をされたことがある人物は、口にせずにそっと除外しておくべきでしょう。
その人の軽い気持ちの「良かれと思って」という気遣いで、こちらがどん底に落ちてからでは遅いのです。
「腹を割って話せる仲」とは、こういう時に頼りにできる相手のことを言います。