精神的に強くなるために普段からできる練習


 「精神的に強い」という状態は、決して「何かが起こった時に我慢する力が凄く強い」という意味だけではありません。
 精神的に弱ってしまう状態に落ち込ませないようにするために、気分転換するための時間を作ったりして、「一時的に下がった気分を回復させる力がある」と言えるでしょう。
 また、ストレスになるような状況や嫌なことが起きる確率をそもそも減らすということも、立派に「精神的に強い状態を維持できる力がある」と言えるでしょう。

 ここでは、今よりも少し精神的に強い自分になれるように日常でできることを三つ挙げます。

 

①断り方を覚える
 何だか嫌だと思うことや、何の足しにもならない集まりの会などに誘われた時には断ることです。
 断り方を身に付けるための良い材料となるでしょう。

 その時に、後に引き摺らない断り方や、その場に合った口の聞き方、相手を傷つけない方法など、本から学んでみたことでもいいですから、「これだ」と思うものを試してみるとよいです。
 仕事関連の本でも、マナー関連の本でも、何パターンも載っているでしょうから、できそうなものをいくつか選んで使ってみて、いつでも使えるようにしておくのです。

 物腰柔らかく丁寧に断れる力が身に付けば、そもそも嫌なことやネガティブなことが自分の周りにほぼない世界を作れることに繋がっていきます。
 まあ、世の中には嫌だじゃ済まない出来事もありますから、そうした時は対応して乗り越えなければなりませんが、それ以外のどうでもいいようなことが減らせる分、自分が見据えなければならないことに時間を使えるようになります。
 断れない癖がついているままだと、それはつまり、嫌なことが降りかかってくることを放置した、無防備なままの状態とも言えるのです。

 


②リフレッシュ方法を増やす
 仕事でも勉強でも、一区切りつける時にはきちんとつけられるようになることが大切です。
 趣味や楽しみにしていた活動や、ジムなどで運動したり、美味しいものを食べたり、ぐっすり眠るなど、リフレッシュできる活動を遠慮せずにやっておくことです。
 「お金がないから」とか、「時間がないから」とか、「自分なんかがやっていいのか」などと気にする人がいますが、もっと自分を大切に扱うことです。

 リフレッシュをするには、その時間を前もって確保する計画性が必要ですし、自分がより良くなるために時間もお金も考えて使う感覚が必要です(お金を使わない趣味などを持つこともできますが)。
 また、リフレッシュした後はちゃんと満足したか、そして「明日もまた頑張ろう」という気持ちになったかなど、自分の体や心の状態を管理できるようになる必要もあるのです。

 リフレッシュをせずに頑張り続けることは、体も心も回復されないまま自分を擦り減らすことにほかなりませんから、健康を損ねたり寿命を縮めたりすることになりかねません。
 いきなりお金をたくさんかけなくても、好きなものを食べるとか、風呂に入ってゆっくりするとか、寝る前にストレッチをするなどというところから始めてみると良いのではないでしょうか。

 


③人とつながる
 人と交流があると、脳ではオキシトシンが分泌されて、癒しにつながる効果があると言われます。
 これが孤独のままだと、人と一緒にいることで癒されて分泌するはずのオキシトシンが出ませんので、別の行動で挽回しなければならなくなります。
 一人でいる方が楽しいとか、孤独でも丈夫なメンタルを作れるとか、様々な考えはあるのかもしれませんが、一週間に一度でもいいから一緒にいて楽しい友人などと過ごす時間を持つことが大切です。

 また、①で挙げた例で、断り切れずに参加することになった集まりなどがあれば、明るく振る舞うとか、ポジティブな話を相手から引き出してみるなど、試せることはあると思います。
 会社の仕事で嫌だなあということがあっても、元気な挨拶をするとか、少しだけ声を張って大きめな声にしてみるとか、面倒なことでも少し速く動くとか、何かできることはあるでしょう。

 せっかく人と繋がるのですから、少しでも良い印象が相手に伝わるように接することも精神的に強くなるための練習の一つと考えた方が、オキシトシンも出そうです。
 しかも、相手のためを考えて自分からちょっと変わってみようとするのですから、癒しにも前向きにもつながるでしょう。
 気乗りしない環境に置かれることになっても、「A案がダメならB案、それがダメならC案」というように、できる限りのことする姿勢を作ることも精神的な強さを得ることに繋がるでしょう。