①孤独にならないようにする
人と関係が繋がったり会話をしたりすることで、脳ではオキシトシンが分泌され、不安が減り免疫力が上がるようになると言われます。
また、副交感神経が優位になり、リラックスした状態になるとも言われています。
思いやり、親切、感謝、ボディコンタクト等、人と繋がることをしてもされてもオキシトシンが分泌されるので、ストレスで弱っている自分や仲間を助けるには広く役立つことでしょう。
メンタルが下がらないようにするためにも、一般的には以下のような点を振り返ってみて参考にしてみると良いかと思います。
(1) 人と繋がる接点を作るようにする
少しでもコミュニケーションをとるようにしていくことです。
(2) 一人で悩まずに相談できることがあればしてみる
孤独は喫煙と同等のリスクと言われます。
(3) 緩急をつける
仕事とプライベート、仕事時間と休憩時間などのことです。
頑張り過ぎずほどほどにしながら、適度に休みを入れるようにすることです。
昼は一生懸命働いても、夜はリラックスできる時間を作ることです。
②リラックス、リフレッシュできる時間を作る
前項の(1)を深掘りするかたちになりますが、緩急をつけることは非常に大切です。
仕事のことばかり考え過ぎている人はメンタル疾患になる傾向も高いと言われます。
好きなことを仕事にして忙しくしているのは一面では良いことかもしれませんが、過剰になるとやはりストレスになるでしょうから、うまく休めないのなら休む練習をすることも必要です。
●リラックス
仕事や勉強やストレスなどで緊張状態が続いても、どこかで開放できるようにできるとよいです。
・ボーッとしてみる
・風呂に入る
・横になる
・照明や音量を抑えた空間にする
●リフレッシュ
同じ作業を一ヵ所でやり続けず、場所を変えたり移動したり運動要素を入れながらするとよいです。
・カフェなどで仕事や勉強をしてみる
・デスクワークばかりなら、散歩をして体を動かしたり遠くを見るようにする
・目を閉じて情報を一旦遮断して、少し休む
近年では「場所ニューロン」と呼ばれる、「場所を司る細胞」が海馬(脳に入った情報を一時保存する所)にあるとされ、そこでは自分が今どこにいるのかを忘れないように記憶するために細胞が働いていると言われているそうです。
「場所を変えると海馬が活性化して記憶力向上に良いということが裏付けられた」とも言えますが、リラックスしたりリフレッシュする時間を設けることは、普通に考えても段取りの抜けや漏れやケアレスミスの防止にも繋がりますので、意識的に使いながら自分の仕事術として進化させていくとよいでしょう。
③二択思考に陥らないようにする
自分のできる範囲で、過剰なストレスにならないように楽しみながらやっていくことです。
もし頑張りすぎてストレスになっているのなら本来の体の機能や能力が発揮できなくなりますし、自分の楽しみや幸せも感じられません。
また、「頑張ってはいけない」と極端になるのもおかしなことです。
まずは、0か100かの思考にならないことと、そのような考え方にさせられないこと。
「頑張る = 常に100%の全力をださなければならない」、「頑張らない = すべてを諦めなければならない」ではありません。
また、「自分の心や体が壊れたとしても、それを無視して頑張る」というのでもありません。
自分自身に「頑張る」を向けるのであれば、現実的には「自分や自分の実力や今ある環境というものをあるがままの状態でよく見て、その中でうまくやり繰りしていく」という表現が近いと思います。
「今の時代はメンタルを病む人もいるんだから、『頑張ってね』と励ましてはいけないんだよ」と言ったり、それ以外の励ましの言葉にまでいちいち注文を付ける人まで出てくることもありますが、「頑張ってね」と言われたら、挨拶程度に受け止めて「ありがとう」と返しておけばよいのです。
だって、「いただきます」という時に、動物や植物に対して「あなたの命をいただきます」とか、「ごちそうさまでした」という時に、「私をもてなすために方々を駆け回って最高の食材を集めてくれてありがとうございました」という意味を込めて、本当に毎回毎回心から言っているのですか?
相手は、あなたのことを赤の他人と思っていないからこそ「頑張ってね」と寄り添ってくれているのです。
いちいち「アレしろ、コレしろ、アタシの言う通りにしろ」なんて言ってきていませんよね?
それともあなたが「頑張ります」と言った時には、本当に限界を超えて命を削って100%や120%やそれ以上の力を出したり、自分の人生を棒に振っても何の見返りもなくても相手のために全身全霊をもって尽くすのでしょうか?
もし当事者が「頑張ってと言われるのが辛い」と言うのなら話は変わってきますが、故意にとか、過度にとか、押しつけがましくとか、嫌味ととれるように言わないことは当たり前として、「頑張ってね」くらいのことを言った時も言われた時も、いちいち深くまで気にし過ぎないことです。
長々と書きましたが、もし自分がやりたかった何かを頑張って成し遂げたのなら、今までよりも少しレベルの高いことに挑戦したということです。
自分がやりたかった何かを頑張らずに成し遂げたのなら、達成に必要な準備を整え、冷静に計画的に実行できたということです。
周りの人は、あなたが頑張って何かに向き合っているから、その熱意や勇気や信念に対して「凄い」と思って、共感して応援したり寄り添ってくれているのです。
周りの人は、あなたが頑張らずに何かに向き合っていても、その寡黙に継続する力や地道さに対して「凄い」と思って、うまくいくのを静かに見守ってくれているのです。
だからあなたのことを「労りたい」、「応援したい」と思ったり、「自分も見習って何か行動したい」となるのです。
ですから、小さなことに過剰に反応せず相手に敬意を持って接し、柔らかく、しなやかに対応していくのがよいでしょう。
0か100かの二択思考ではなく、中間の50もあれば30も70もそれ以外もあるし、「自分がやったことがないから全然想像もつかないけど、それでもあなたのことを応援してるよ」というのもあるのです。
「頑張ってね」と言われたら、「ありがとう」でよいのです。
「頑張ってね」と言いたかったら、「頑張ってね」と言ってよいのです。