自尊心の捉え方、考え方、高め方について

 
1. 上方比較と下方比較
人は、自分よりも上の人を見ていると自尊心が下がり、自分より下の人を見ていると自尊心が高くなる。
 
 ・上方比較 → 自分より上にいる人を見て奮起する
 ・下方比較 → 自分より下の人を見て満足する
 
簡単に逃げたりあきらめたり、手を抜いたりする癖を自分に許さないという厳しい姿勢でいること。
どんなにたくさんの人から認められても、自分で自分を認めてあげられないのは不幸である。
 
 
2. 格上意識を持つための考え方
1.の上方比較と下方比較だけでは足りない場合がある。
自分に対して格上意識を持つためには、自分以外の人間をとにかく「見下す」こと。
自分以外の人間は、虫けら、ゴミくず同然とみなすこと。
 
くれぐれもいうが、これは自尊心の低い人が格上意識を持つための考え方の1つや練習である。
だから必ず自分の中だけで完結させ改善させて、間違っても大っぴらに行動や発言をしたりしないこと。
一般社会は相手があってこそ成立するので、相手に対して失礼のないようにしなければならない。
 
そして、一般的なレベルで構わないので、きちんとした身だしなみや立ち居振る舞いを身に付けること。
軍人たちの自我は、軍服を着ることによって「強い軍人」として誇張されているというそうだ。
もしも捕虜になると軍服を脱がされ、拡張していた自我をボロボロに破壊され、おとなしくさせられてしまう。
だから捕虜となった軍人は、まず服を脱がされる、というのである。
 
これらの話を参考にして自分の意識を高めていくならば、以下のサイクルで積み上げていくとよい。
 
①自分の格上意識は高いという意識を保ちながら過ごす練習を、自分の中だけで続ける。
②自分の身だしなみや立ち居振る舞いを磨いていく。
③普段の生活において、相手に対して敬意を持って接する。
④普段の仕事や自分のやるべきことについて、しっかりと成果や実績を上げる。
 
あなたの自尊心を高める行為を毎日少しでもいいから、積み上げていくこと。
格上意識は、最初のうちは周囲から「生意気」と疎ましがられることほとんどだが、
謙虚な気持ちを持って上のサイクルのように続けていくうちに、成果や実績も作られていき、
やがて周囲の反応も、「頼もしさ」や「逞しさ」に変わっていくものである。
 
しかしこれを怠れば、あなたが苦労して身に付けた、「振る舞い」や「考え方」や「心配り」といったものは、
自分以外の人からいとも簡単に思考停止させられて、何にもなかったことにさせられてしまうだろう。
さらには、身にまとっている立派な服までをも馬鹿にされて笑われて、あっさりとを剥ぎ取られてしまうだろう。
 
なぜならば他人だって、人をバカにしたり虐めたりすることを通して、その人自身の自尊心を高めるために、
そうした行為を役立てて、生き残ろうとしているかもしれないからである。
そしてその一環として、優しくて大人しくて、やり返してきても大したことのなさそうなあなたを選んでくるはずである。
しかしあなたは、決して人の道を外すことなく、その相手に負けてはならない、もしくは距離を置かなければならない。
 
ここでは自尊心の低い人に向けて、何とかその心に火をつけようと思って過激な表現をしたかも知れないが、
それでも、自分の意識を、より良く、より高く磨き上げ、それを実際の行動として起こし、
「自分の持つ目的や目標といったものに対して、実績として積み上げていく」という努力は、決して怠ってはならない。
丸裸で何にも無しにされた後、人だと思っていたモノは、実はゴミくずや虫けらだったと気づくのでは遅いのである。
 
 
3. 他人の世話や援助について
他人の世話になるのは、本当は、恥ずかしいことなのである。
私にとって、他人の力に頼って生きるのは、奴隷と同じなのである。
ということを、福沢諭吉は、「独立自尊」という言葉でうまく表現している。
自分一人で立っていられるからこそ、自分の感情が生まれてくるのだ、と。
 
もし相手の援助を受けてしまったら、自分が「弱者」という烙印を押されたも同然になってしまう。
それでは、相手に対して強く出ることはできなくなってしまう。
また、援助されることは、自分にとっての自尊心をひどく傷つけることも覚えておいた方がよい。
 
だから、
①自分こそ自立し、自分が中心にいて、その他の全ては自分を中心に巡っていると考える練習をすること。
②他人は自分の欲望や願望を実現させるための「きっかけ」や「縁」や「道具」であると考える練習をすること。
③自分以外の誰にも満足しないこと。
 
この3つをもとに、自分のことをもっと大切にすること。
最低限、自分のことは「この世で最も重要な人物」と思うくらいでちょうどよい。
 
また、大抵自分以外の誰かには、あるいは誰にでも、がっかりさせられるのがオチである。
ただし、あなた自身は違う。あなたはあなたをがっかりさせない。
誰よりも自分のことをよく知り、何が必要か、何が好みかも心得ているし、
何が不安で、何にうんざりし、どうやって憂さを晴らすかの方法まで知っている。
だから、どんな人間よりも自分を丁重に扱い、自分には最高の待遇をすることが大切である。
 
そうして自尊心を高めていくとともに、自分自身が、自分の手で、事を為さなければならないのである。