他人から嫌われた時に自分でできる対処


 他人に嫌われたら、「それでいい」と思うようにするのことです。
 別に、開き直っているわけではなく、まず、他人の考えは自分でどうこうすることができないのですから、「それでいい」と受け入れることです。
 「それでいい」は、「今の自分も、それでいい(自分で自分を下げない)」とか、「まあ、そういうこともあるよね」とか、「たまには合わない人もいるよね」という意味でもあります。

 「私は人から嫌われている方がいいと思うダメな人間だ」と思うことではありません。
 他人の考えに振り回されて生きることは、自分の人生の時間を生きていることにはならないのです。
 他人は「アイツ嫌い」と思っちゃったのですから、こっちもそれに気付いちゃったのだから、仕方ないのです。

 だから、今の自分の状態を「それでいい」と一旦受け入れて、起こった出来事をよく切り分けて考えて、これから自分ができることに意識を向けて、自分でできる解決策を思いついたら実際に行動を起こす、ということが大切です。
 感情に感情で返すより、グッと我慢して後になって反芻して怒りが増幅するより、ただただ落ち込んでいくより、その方が真摯に向き合っていると言えると思います。

 そうやって客観的に見つめてみて、人から嫌われた理由を自分で見つけて改善できれば、それがどんなに幸運な経験かということは言うまでもないことでしょう。

 


 さて、自分を嫌ってくる相手は他人ですから、「相手から嫌われないようにしなければならない」とか、「相手が私を嫌わないようにするにはどうするか」などと悩まないようにすることです。
 それだと、どう悩んでも結局他人のことで悩むことになります。

 他人の頭の中の考えや行動を変えることは、不可能とは言わないまでも、非常に困難なことです。
 また、自分のコントロールの範囲の外にあることについて考えれば考えるほど、泥沼に陥ってしまうでしょう。

 頭の中はいつでもその人のことで一杯になりますし、精神も病んで体も疲弊してきます。
 そして何よりも、その人がその場にいないのに、今この瞬間に何にも言っていないのに、勝手に自分自身の頭の中で妄想を増幅させて、貴重な人生の時間を差し出してしまうことになります。

 基本的には、他人が嫌ってこようが悪口を言おうが何をしようが、自分でコントロールできないことはどうしようもないので、「それでいい」とか「まあ、そういうこともあるでしょ」と一旦は思うようにすることです。
 ただし、これは決して「嫌ってもいいよ」という意味ではなく、自分は自分、他人は他人、としっかり切り分けるということです。
 もちろん、嫌われるとか「嫌い」と言われる以上の実害が出ている場合は事件になる前に対処が必要ですから、話は別です。
 

 

 他人を変えようと思っても、まず変えることはできません。
 ですから、これからは「嫌われたらどうしよう」ではなく、「じゃあ自分はどうするか」ということをまず先に考えるようにすることです。
 そうして、それを書き出して、自分でできることとできないことを分けて考えていきます。


 例えば、
  ・無視する
  ・受け流す
  ・やり返す
  ・誰かに相談する
  ・自分はいつでも親切に接する心構えでいる
  ・ちょっとした会話の機会を増やす工夫をする
  ・別のことで楽しめることを探してみる、など。


 より良い対処としては、大きく分ければ「反撃する」、「受け流す」、「親切にする」の三つが穏便かと思います。
 真っ向から反撃するのでは悪循環ですし、時間もエネルギーも無駄に消費します。
 あなたが相手に嫌われる致命的なミスをしたのなら話は別ですが、何となく「嫌い」の雰囲気を作られている場合などは、相手を変えようとすると、大体の場合は不毛な状態になってしまうでしょう。

 反撃をしてしまうと、さらに激しい反撃となって返ってくる恐れがありますし、嫌いになる側は都合がいいもので、仲間を組んだり増やしたり、あなたに反撃されてもダメージを受けない状態を作ってから行動に移すものですから、そのくらいは考えておきましょう。

 しかし、受け流してスッと打ち切るか親切に接していれば、少し時間はかかりますが、状況は変わってきます。
 仮に相手から直接「嫌い」と言われても、「嫌いなの?教えてくれてありがとう」とサッと笑顔で返して終わりにするくらいの方が、周りから見れば、「言われた側の方が器がデカい」と分かります。
 親切についても、別の面では親切心をもって普段から人に接していればよいのです。

 相手だって、「人には色々な面があるはずなのに、一つ変だから全部嫌いって、おかしいよね」となることもあります。
 相手が仲間に「アイツのこと嫌っちゃおう」と言っても、その仲間だって「そんな不毛なこと、馬鹿馬鹿しくていつまでもやってられないよ」となることもあります。

 ですから、基本的には「受け流す」か「ポジティブな感情で返す」という心構えで対処できるようにするのが望ましいです。
 今の自分の状態を「それでいい」と一旦受け入れて、起こった出来事をよく切り分けて考えて、これから自分ができることに意識を向けて、自分でできる解決策を思いついたら実際に行動を起こしていくのは、こういうことが一例に挙げられます。

 

 繰り返しになりますが、人から嫌われてもいちいち悩んで落ち込んだり、反発しないことです。
 そんな分かりやすい反応をしていると、相手の思うように嵌められてしまいかねません。

 そういうネガティブなことに自分の大事な時間とエネルギーを使うのであれば、


 ①今の自分の状態を「それでいい」と一旦受け入れて、
 ②起こった出来事をよく切り分けて考えて、
 ③これから自分ができることに意識を向けて、
 ④自分でできる解決策を思いついたら実際に行動を起こす


としていく方が大切なのです。