真に受けない方がよい言葉


 自分が相手やチームのことを思いやって行動しても、「ありがとう」の一言も無しに次のようなことを言われることがあれば、その相手との関係は考え直した方がよいかもしれません。

 ・このくらいやって当たり前です。
 ・期待してたのにガッカリしました。
 ・こんなことになってしまって残念です。
 ・一生懸命なのはいいけど何も伝わらなければ意味がないです。
 ・考えていたのはそれだけだったんですか。
 ・他にやるべきことがあったのではないですか。
 ・何かは分からないけど、あなたのやってくれたことはちょっと違う。
 ・やらせてもらって感謝しなさい。

 こういうのは、相手があなたに対して相手が思う無理難題をあなたがしれっと解決してしまったので、実は言いなりにしようとしていた「あいつ思い通りにならない、腹立つ。」という考えの裏返しだったという場合は意外と多いです。
 しかし一方で、社会に出たらこういうことを言われることくらいは普通にあるとも思っておかないと、ちょっとしたことで精神的に参ってしまったり、挫折して引きこもることになったりしたら、人生を棒に振りかねません。

 また、しばらく後になってから「あの時は相手の方が正しかった」と分かる場合もありますから、何でもかんでも「私は豆腐メンタルですから」と逃げたり、自分の行いを一切顧みることなく耳に痛い言葉を「こいつ何か言ってる」くらいに思ったり、聞かないふりをするということも良くありません。
 ただ一つ言えることは、あなたが自分の事も仕事もきちんとやった上で、さらに相手を思い遣って力になれたのだとしたら、特に責任を感じたり気にすることはないのです。
 ただし、あなたが出しゃばって強引に勝手に事を進めたのであれば話は別ですが。

 

 相手の立場になって考えれば、自分が思い描いている筋道のとおりに実現させたいのであれば、あなたと協力し合う段階でそれなりに考えを伝えたり、確認しておくべきことです。
 例えば仕事であれば、「どのような作業をどの程度やって欲しい(手伝って欲しい)」などが言えると思います。
 しかも、自分の本心は明かさずに、あなたの意識を変えさせようとする言葉に言い換えてあなたに投げかけてきているのですから、相手のことばかりをいちいち気にして自分だけが心を締め付ける必要もないのです。

 もちろん「他人が自分の思い通りに動く」と思っていた相手にも反省すべき点がありますが、そこであなたが「ちゃんと要望を言ったり確認をしなかったあなたも悪いでしょ」と言い返しそうになってもグッと堪えるべきです。
 それはこちらが傲慢な立場でとどめを刺すことになってしまいますし、誠実さと冷静さを欠く事にもなりますので、ケースとしては最も良くない選択でしょう。
 「真に受けない方がよい言葉」とは、普通なら相手から言われてメンタルが病むのを回避するための意味でしょうが、この場合は「相手につられてネガティブな言葉を返さない」という意味でも解っておいた方がよい言葉です。


 
 ただ、一先ずは、あなたはこの時点ではその相手から大切に扱われていないと言えますから、その人とは距離を置く良い機会となるでしょう(物理的にそうするのが無理なら精神的に)。
 これを機に、もっと自分の人生を生き、もっと自分の本分を成し遂げることを最優先に考えて、気持ちを新たに行動していくための時間を今までよりももっと多く割いていくことをお勧めします。

 何にせよ、こちらをいい様に使ってやろうと考えたり、「あなたはこういう人だ」というマイナスの印象を勝手に押し付けてくる人は、普通なら迷惑な存在でしかありませんから、サッと距離をとって変に優しさを見せないことです。
 また、経験上、他の誰もが追い付けないくらいこちらが突出した場合は、おかしなことを言う人はいなくなり、真似したいとか付いて来ようとする人や応援してくれる人が出てきてくれますから、それを考えればやはり変な言葉を真に受けず、自分のことに目を向けた方がよいでしょう。

 「自分のことかも」と思うあなたは、人を気遣う優しさの面では他の人よりも少し多めに優れているのかもしれませんが、そういう人であればこそ、自分の人生を力強く生きなければならないのだと思います。
 だって、そもそも他人に優しいのに、さらに他人に協力することができる能力というか人徳があるのですから、人に良くしたり分け与えたりするのは自分のことをある程度やってからにしても十分すぎるくらいです。
 「いい人」は決して、他人にとって都合の良い人になってはいけません。