肯定的ダブルバインド

 
相手がどう答えてもこちらにとっては正解な状態をそう呼ぶ。
連結法でも紹介した例は、肯定的ダブルバインドにもなっている。
二つ以上の文章が連結されている場合、理性は最後の文章を重要視する。
 
・彼は地味だけど頭はいい
 →頭の良い人を想像する
 
・頭はいいけれど地味だ
 →地味な人を想像する
 
同様に、ここでチェックするのは、「人気があるかどうか」、「映画を見るかどうか」だけである。
そしてそれらにどう答えても、前半の「優しい」、「ピザをとる」、「人前で話すのが得意である」を認めることになる。
 
人は選択肢を与えられるとそれ以外の可能性が見えなくなり、その中から最良のものを選ぼうとする。
これを「選択しも幻想」と呼ぶ。
選択肢の幻想は一番簡単な肯定的ダブルバインドである。
どれを選んでもこちらにとっては正解となる選択肢を複数用意し、相手に選ばせれば良い。
 
 ・家事を手伝ってほしい
  →家事を分担するなら、食器洗いとゴミ出しのどっちがいい?