本番を前にして段取りや動作を忘れてしまうことを防ぐには

 
 音楽でも何でも、何かの本番を前にして、覚えていたはずの段取りが抜けてしまったり、あれだけ練習したのに譜面や動作が抜け落ちてしまったりすることがあります。
 これは誰にでも起こりうることです。別に、あなたが悪いことをしたからではありません。
 もしそれが本番の真っ最中であれば何とか切り抜けるしかありませんが、今が本番当日から数日前くらいの期間というのなら、例えば次のように、やれることはまだあります。
 
①記憶する
②忘れる
③思い出す
④アウトプットする
 
 ①記憶するための王道は、その対象に何度も向き合うことです。
 例えば、何度も見返す、何度も繰り返し聴いて覚える、何度も動作を反復する、といった具合いにです。
 
 ②一度ですべてを覚え切ろうとすると、抜けや漏れが必ず出てきます。だから、スキマ時間を使うなどをはじめ、多少の時間や日数を空けて一旦忘れ、忘れた頃を見計らってもう一度覚え直すとよいです。
 人間にとっては緊張することも少しは必要なことかなのかもしれませんが、まずは本番当日までの間はしっかりと睡眠時間をとり、脳が記憶を整理するタイミングを確実にとっておくことです。徹夜してでも詰め込む、ということは、あまりお勧めしません。
 
 ③そうして一旦整理したり、時間を空けて忘れる時間を作って、もう一度思い出す、覚え直す、ということを繰り返すほど、記憶はより強化されていきます。
 もし思い出せなかったら、その時点ですぐに確認をしておくとよいでしょう。合わせて、すぐに確認できるよう準備をしておくことです。
 たとえ先生や先輩が怖かったり厳しかったりしても、集団での演奏や演技にあなたが欠けてはいけませんし、「覚えていなくてもいいや」という心構えもどうかと思います。
 覚えるべきことは、やはり力ずくでも頭と体に叩き込むべきでしょう。
 
 ④そのためには、小さくてもよいので何らかの形にしておくことです。
 予行練習をしたり、人前に出てみたり、人前で発表してみたり、書き留めて記録に残したり、というようにしておくと、次に繋げやすくなります。
 
 
 
 今回は簡単に取り組めることを4つ紹介しましたが、こういう小さなことの積み重ねとその反復こそが、自分の力を作ることに繋がっていきます。
 どうかこれから迎えるあなたの大切な本番の時間に、今までの成果を存分に発揮できますように。