素直さを伸ばしていくためには、自分自身のことをよく観察することである。
他人と比較して自分の方が優れているのか劣っているのかを気にしたり、おかしなプライドばかり育ててみたり、他の人にはないような才能や特技を欲しがったりすることがある。
そのような傾向があるなと感じた時こそ、もっと自分のことをよく見てみるとよいだろう。
人というものは意外にも劣等感を感じやすく、それを勝手に増幅させやすいものである。
だからその前に、自分自身のことをよく観察して、分かったことを受け入れることだ。
つまり、「今の自分を一旦受け入れてみる」ということである。
何か劣等感を感じていたり、プライドが高いとか頑固な気質が理由で人に譲ってあげられないとか、そうしたことも自分の一面なのだ。
そしてとりあえずのところは、「それでよし」とするのだ。
無理やり明るく振る舞うのではなく、例えば「欠点を嫌がる」という自分があってもよいのだ。
こうして、どんな自分であっても冷静に見つめ、それを一旦受け入れていくからこそ、「それでは次にどうするか」となれる。
また、他人より劣った自分でも失敗した自分でも、ちゃんと見つめて受け入れることができたなら、他人より劣っていようがどうでもよくなる。
なぜなら、自分は自分、他人は他人、と切り分けて考えられるようになるからだ。
他人のことばかり言ってる人は、結局自分のことが見えていないのである。
そんなことよりも、自分はどんな人で、何をしたいのかが大切なのだ。
こういうことが分かってないから、自分の中から自分の力で何かを出すこともなく、他人との比較することばかりで自分のことしか考えられないのだ。
他人は他人なので、それぞれの人生で好きにやっているのだ。
それなのに、あなたは自分と他人を比べて時間を差し出し、他人の人生を生きているのだ。
これは明らかにおかしなことなのだ。
まずは、自分自身をよく観察することから始め、今までの自分を一旦受け入れて認めてあげることだ。
そしてこれからを、自分の考えや判断など自分の中から出てくるものによって、しっかり選んで歩んで行ける人生にしていけばよいのだ。
「他の人よりもこの部分が劣っている自分が嫌だ」と思っても現時点ではそうなので、それはそれとして一旦受け入れて、普段の勉強なり仕事なりに影響が出ないようにして、「自分はこの部分が良いからここを伸ばそう」などと頑張れるところは頑張った方がよい。
なぜならば、生きている以上、普段の生活というものがあるからだ。
一つのことで落ち込んだり感情を乱したりして、全方面にまで影響を出してしまうのはおかしいし、損ばかりになるのだ。
それよりも、あなたの良さは何なのか。
他人の心や行動というものは何とかできるものではないのだから、まずは自分自身のことをよく観察したり振り返ってみることだ。
そして、一旦受け入れてみた後に、「何か改善しよう」とか、「これからはこうしよう」ということが決まったら、自分の可能性を信じて自分のやれる範囲の努力ができるよう、気持ちも新たに取り組んでいけばよいのである。