音楽指導をしていると、子供達の中には、本番前などに緊張している時に、自分に対しておまじないをかけることがある。
様々なことが解明されたり確立されたり、すぐにインターネットで調べることができるような昨今の世の中で、驚くほど現実主義の子供が増えてきているようようにも見えるが、それでも中にはいるものだ。
筆者としては、おまじないであれ何であれ、また、それが本番の直前であっても、人の力になれることはしてあげたいので、その下準備の意味合いも込めて以下の備忘メモとしたい。
結論としては、その人にとって「このおまじないは絶対に効果があるんだ」と思えば効果が出るものである。
心理学では プラシーボ効果という そうだ。
「本当に効果なんてあるの?」とか、「どうせおまじないなんてしたって効果がないでしょ。」という人には効果がない。
ちなみに、医学の研究などでは、薬の影響や効果を測定するために、本物の薬を飲用するグループと偽物の薬を飲用するグループの2つに分けて試験を行ったりするのは有名である。
例えば、ただのデンプンを「本物の薬です」として飲ませた場合なども、実際に効果や影響が現れることもあるそうだ。
「薬を飲んでも治らない」と思っていれば本物の薬を飲んでも治らない、治りづらい、というのと同じように、おまじないの言葉として「自分は絶対にできるんだ」と自分を信じたり暗示をかける効果は、かなり見込めるだろう。
また、おまじないの言葉を言うことで、注意もその方向に向いていくものだ。
緊張している時に「大丈夫だ」と自分に言葉をかけることをおまじないとした場合も、心から信じて言ってみれば、言わない時に比べて案外大丈夫そうな気持ちになってくるものである。
言葉は脳に影響を及ぼす。
だから、「大丈夫」と言えば、大丈夫だと認識するし、「絶対にできる」と思えばそのような気持ちになってくる。
注射でさえ、刺される前から「痛い、痛い」と言っていれば、黙ったまま我慢して注射される時の痛みよりも1/5の痛みになったという研究結果も出ているそうだ。
そのように、アウトプットをすることで認知や感覚に影響を及ぼすのであれば、何もしないで我慢してしまうよりは、言葉にして出す方がメンタル的な効果もあると言えるだろう。
であれば、たとえただのおまじないの言葉であっても、信じてやってみることで、暗示効果、プラシーボ効果として効果が現れると言える。
自分でポジティブなおまじないの言葉を作って、それを信じて自分に言ってみて、自分のメンタルをポジティブな方向に持っていくのに役立ててみるとよいだろう。