人から嫌な言葉をかけられたときの対処法


①発憤材料にする
 人から嫌な言葉をもらっても、発憤材料にしてしまえば成功した時にはむしろその人が恩人になっていることもあります。
 さらに、より大きなことを成していくほど、「あの時のことなんて小さなこと」だと思えてくるものです。

 また、相手とあなたとの関係が打ち解けていて以下のような状況であれば、あまり気にしないようにすることです。

 (1) 相手が特に悪気もなく意識もせずに、たまたまその言葉を使った、など。
 (2) 相手が育ってきた環境や地域では普通に使われる言葉だった、など。
 (3) 相手も自分も素が出るくらいに打ち解けている状況で使われた言葉だった、など。

 こういう場合、「その言葉は嫌だからやめて」と言うこともありますが、そう思うならそれなりに、相手から「じゃあ、なんて言えばいい?」と聞き返された時にその答えとなる言葉を持っておける方がよいです。
 ないのなら自分で勉強して知っておき、適切に使い分けられるようになっておくことの方が先です。
 その辺りが曖昧であれば、自分自身も「よかれと思って言った言葉で人を傷つけていることがあるかもしれない」と思って差し支えがないかと思います。

 とはいえ、いちいち気にしているのも良くありません。
 人が扱う言葉にはレベルも意味合いも受け取り方も様々ですが、「相手にも自分にも良い言葉」とか、「相手にも自分にも当たり障りのない言葉」以外のことも知った上でお互いに一方的な価値観を押しつけない言い方を知っておいた方が、関係がこじらせるリスクを回避できるでしょう。
 特に(2)の場合は、相手が嫌な言葉だとは全く感じずに使っている可能性もあるし、そもそもの意味すら異なる場合もあるかもしれませんから、すぐさま言い返すよりも新しいことを知る姿勢でいる方がお互いに得です。

 何にしろ、たまたま言われてかすり傷程度に傷ついたくらいで心を乱して悪い結果を招いてしまうくらいなら、発奮材料にして自分を成長させることに力を使った方が、後々のことを考えれば断然良いのです。

 

②人前であり得ない一言を言われた時に躱す言葉を知っておく
(1) 返答の代わりに、言われたその言葉を繰り返す。
 例:職場などでただ注意されるだけでなく、意図的に一方的に、言われた場合。
 「そんなこともわからないのか、ですか・・・」

 人は、自分の状態を意識させられるだけで緊張してしまう心理が働きますが、そのことをフィードバックと言います。
 それを通じて、相手も自分の暴言の醜さに気づかされることになるのです。

(2) 明らかな悪口には「どういう意味?」と聞く。
 「言葉の意味を考えたり、汲み取ったり、言ったり、聞いたり、理解したりしながら相手とより良い関係を築いていく」というのは実際にはとても労力のいることです。
 ですから、悪口を言う相手のためにあなた自身がそんな労力を使う必要は一切ありません。

 普通は人前ではそんな言い方はしないと思っていても、現実世界では残念ながらしてくる人もいます。
 しかも「あなた程度になら言っても構わない」とさえ思っている人もいることでしょう。
 しかし、自分だけはそこに一緒に落ちていくことなく、今よりも一段高いレベルの言葉、一段心遣いの利いた言葉を使いこなせるように心掛けた方がよいのです。