誰だって、失敗して傷ついたり挫折したりして落ち込むのは嫌なものだ。
「失敗が怖い」というのは、誰もが通る道なのでよくは分かる。
しかし、失敗を経験せずに大人になったり 社会人になったりした場合、人生も仕事もノーミスで進んで行けるかと言ったらまず無理なのだ。
だからまずは、「どこかのタイミングで失敗することはよくある」ということを分かっておいた方がよい。
さらに、自分から落ち込んで精神的に弱っていってしまったり、他人から注意されたり怒られたりすることも、当然起こり得るものなのだ。
今までに失敗や挫折を経験したことがないという人は、人生で突然大きな壁にぶつかってしまうとか、挫折するということになってしまう。
場合によっては、病気になったりして社会復帰できなくなってしまう人もいるかもしれない。
だから、多少の失敗をしたくらいで、また、それに加えて多少注意されたり怒られたりしたくらいでへこたれないためにも、失敗はしておいた方がよいだろう。
「失敗のない人生というのは、やってはならない」と言う方がより適切なのかもしれない。
もちろん、人生の大舞台で本当に成し遂げるべき大切なことは失敗しない方がよいが、それまでにはたくさん失敗した方がよい。
しかも、できるだけ若いうちに、できるだけ社会人になる前に失敗を経験しておいた方がよい。
もう既に社会人になっている人もできるだけ早いうちに失敗を重ねておいた方がよい。
また、その「失敗を重ねる」にしても、仕事の上での失敗は他人にも迷惑をかけることが多いので、たくさんしないことに越したことはないが、例えばダイエットにしろ恋愛にしろ、何か自分の範囲の中で小さな挑戦をしてみて、その中で小さな失敗を重ねていかれるとよいだろう。
そして、そこで起きた失敗から立ち直ることで、精神が作られたり強くなったり、心のしなやかさを得たり、失敗をバネにして前に進む力を強めたりすることにつながっていくのだ。
一回も失敗したことがない人というのは、そこから起き上がる方法も精神力も持たないので、ただそのたった一回の失敗だけで「人生終了」となってしまうのだろう。
失敗を恐れる人は、無意志、無策、無計画、無防備のうえ、全く体力を鍛えることもなく素手で素っ裸のまま戦場に向かうようなものである。
それに対して、失敗することは筋トレのようなものである。
失敗してそれを乗り越える度に体も心も鍛えられ、自分の力が上がり、心も体もしっかりとしていくからこそ、将来大きな挫折や困難に直面した時にもスルッと躱して上手くやっていくことができるのだ。
だから失敗を恐れる必要はなく、むしろ やり直して乗り越えようとすれば、それに対する体力や対応力がついていくのだ。
さらに精神力もついて、しなやかで強い心が鍛えられていくので、むしろ多少の失敗くらいは歓迎して喜ぶくらいがちょうどよいだろう。
さて、「失敗」というから聞こえも悪いし、何か消えない烙印のようなものを押されてしまった感覚に陥ってしまいそうになることもあるだろう。
だから、気持ちだけは「ある物事が上手くいかないということを体験した」くらいに思っておけばよいだろう。
物事が上手くいかないことは、日々の生活の中ではよくあることだ。
昨日と同じことだけをやっていれば新しい挑戦もしないし、自分が快適に暮らせる領域から外に出る機会も訪れない、というだけである。
つまり、失敗もない代わりに、心、体も、技術も、能力も、何も鍛えられないのだ。
もし、失敗を恐れないようにしたになら、物事を上手くいくようにしたいなら、失敗は筋トレだと思ってやることだ。
たくさん失敗していれば、ちょっとのことくらいでダメージを受けなくなるようになる。
失敗するからこそ成長があるし、失敗だけに留まらず上手くいったことや成長したことにもフィードバックをすることで、成長することができる。
だから、失敗は今後の成長のための最大のエネルギー源だと思って大歓迎するようにし、日々様々なことに挑戦してたくさんの失敗をしていかないといけないのだ。
今後は、失敗を怖がっている暇はないと思った方がよいだろう。
失敗を恐れずに失敗に立ち向かい、たくさんの失敗を経験することで、しっかりと自分の足で立ち、歩んでいかれるようになることが大切である。
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(余談)
筆者が音楽で渡米していた頃のこと、そこでは100回、1000回の反復は当たり前、失敗ややり直しはつきものだし乗り越えて当たり前という世界を経験できました。
週一回のビデオ投稿の課題があったのですが、わずか数小節の20秒程度のものなのに、しかもそこそこ上手くできているのに(そのつもり)、自ら100テイクも150テイクもして、より良いものを目指してひねり出していたものでした。
もちろん指導の先生方からは、厳しいコメントや指摘をはじめ、新たな別の課題が降り注ぐことになるのですが、それも今となっては良い経験となりました。
「だからみんなもやれ」という話でもないですし、「あなただからそんなことができたんでしょ」という話でもないのですが、筆者も例外でなく、数回やって結果が振るわなければ心を乱すという、そこら辺の人と同じでした。
しかし行った先は、100回、1000回はやり直して当たり前の世界なのですから、一旦それを経験してしまうと、2、3回程度の失敗ややり直しなんて落ち込むレベルの失敗の数に入らなくなるのです。
だいたい、1000回も失敗ややり直しをしていれば、1001回目を失敗をしたからといって、突然挫折して永久に立ち直れなくなる、なんていうことはまず無くなります。
もちろん成功することに対して甘いわけでも、最初から「一回目は失敗するものだよねー」などと思ってもいません。
一回目から「絶対に成功させてやる!」と言う気持ちで、段取りも準備もしてからやるのが当たり前で、失敗してもその気持ちは維持されたままで、それが1000回続いてもまあまあ大丈夫ということです。
ある種異常と思える状態が当たり前のレベルになっている、ということでもありますので、すべての方にお勧めできるやり方ではないでしょうが...。
個人のブログなので気楽にやりたいので、念のためですが、筆者は熱血キャラではありませんし、「自分ができることは他人に押し付けてもOK」というつもりもありません。
もちろん会心の出来であれば一回目で「成功」として終えることもあるし、仮にもし失恋だったら一発で落ち込むことでしょう。
まあ、1000回反復することが当たり前の世界に飛び込んだからそうなっている、というだけかもしれませんが。
さて、今は何でも調べられて、何でも情報を持てて、何でも手に入りやすい時代になりました。
しかしその中で、現実にとらなければならない行動に対して、及び腰になったり背を向けたりする人を見かけることも、一昔前に比べると増えているように思えます。
それは恐らく、仮想の世界では上手くという予測イメージの解説なり、図解化された理論なり、誰かがやってみて成功した映像なりを見ているので、実際に自分は何もしていないのに満足してしまっているからなのかもしれません。
現実世界でやることに対して「上手くいかない」という結果はつきものですから、「ある物事が上手くいかないということを体験した」と捉える考え方は大変大事です。
そこから、例えば以下のような流れを作っていくことで、ただ失敗に終わるはずだった出来事を、成功のきっかけとなる体験に変えていかれるようになるのではないかと思います。
・10回やって慣れたところでもう一度挑戦してみる
・どこをきっかけに上手くいかなくなるのか探ってみる
・10回やって何回成功しているのか確認してみる
・10回やって何回成功するか、毎日やって平均値をとってみる
・慣れてきたから一週間空けてみてもできているか確認してみる
・他の同じようなことで上手くいっている箇所はないか探してみる
・既に上手くいっている人と一緒にやってもらうなどして、自分との違いを見つける
・教科書、説明書、ヘルプなど、土台となっているものに立ち返ってみる
また、慣れていけば、上手くいかなかった原因はどこにあったのか、などということに切り分けていかれるようにもなっていきます。
・段取り(計画)
・実行するための準備
・使う道具が合っている/いない
・知識不足(そのこと自体知らない、コツを知らないなども含む)
・技術不足(筋力量や反復回数なども含む)
・環境(天気や場所などの条件)
・時間不足
・資金不足
ですから、たった一回の失敗で、「自分はもうだめ」、「人生全部終わり」などとなる必要はないのです。
また、上手くいかなかった原因を冷静に切り分けられるようになることは、「失敗したのはあなたが悪いから」などと言って他人のせいにしたり、あなたの人格を攻撃してくる人などからも、身を守ったり距離を置いたりできるようになることに繋がっていくでしょう。
逆を言えば、あなたと一緒にいてくれる人が失敗してあなたが巻き込まれたとしても、その人の人格や性格を攻撃することなく、誰かに責任をなすり付けることなく、原因と対策を整えて解決に向けて進めていくことができるようになるでしょう。
最後に、「失敗を恐れずに行動できるようになるには」を筆者の経験からまとめるなら、以下の点が重要です。
・既に失敗を恐れずに行動できていると思える人と行動を共にする
・できるまで食い下がってみたり、他の視点や考えがないか探ってみる
・「失敗を恐れずとか、何それヒマなの?」となるくらい、レベルや価値観の突出した世界に身を置く
ちょっと余談を書くつもりが、余談の方が長くなってしまいました。
日常に余裕が出てきたら、この投稿や雑記カテゴリをまとめたり切り分けたりして、記事として向上させられればと思います。