コミュニケーションにおけるアイコンタクトについて メモ

 
 コミュニケーションにおけるアイコンタクトだけに限らず、コンタクトそのものが苦手という人がいる。
 人は、初めてやることや慣れていないことに対して緊張するものなので、とりあえずでも良いから割り切って考えて取り組んでみる方がよいだろう。
 いつもやっていることは今さら緊張なんてしないものなのだから、普段やっていなかったことも回数をこなして慣れていくようにして、これを機に得意になるなり気にならなくなるなりさせてしまった方がよい。
 
 アイコンタクトが苦手というのは、つまりはコミュニケーションに対する何らかの恐怖心や不安というものがあるからだろう。
 その理由には、「普段からアイコンタクトをして話をしていない」とか、「子供の頃からコミュニケーションがそんなに得意でない」とか、「人前で失敗した体験がある」というようなことが挙げられるのではないだろうか。
 「対面で目を合わせて会話をする」というのは究極的なコミュニケーションでもあるから、アイコンタクトが苦手だったり怖いというのは、やはりコミュニケーションにも苦手な面があるということの表れでもあると言える。
 
 ただ、慣れていくためには、実際にアイコンタクトをしながら慣れていくしかないのである。
 苦手ならやるしかないので、最初は怖かったり不安かもしれないが、少しずつ回数や時間を増やしていって見ることだ。
 
 目を見るのが苦手であれば、相手の鼻を見ながら話すとか、眉間を見ながら話してみるとよいだろう。
 見る時間や回数も、最初は1分に1回くらいチラッと鼻を見ればよいし、慣れてきたら30秒に1回くらい鼻を見る、などとして進めていけばよい。
 その他には、重要な話をする時、或いは、話を聞いていて「ここは重要なポイントそうだ」と思った時に、相手の目を見て(苦手なら鼻)集中すると記憶にも残りやすいだろう。
 
 
 
 しかし、何してもやりすぎは良くない。
 時折出会うのだが、こちらの話が終わるまで視線を一切逸らさず、しかも相槌も返事もせずにただ聞く、いわゆる「見過ぎ」の人がいる。
 「そうしなさい」と言われて育ったのか、特に意味もなく目を合わせているだけなのかは分からないが、これは話す側からしてみればただ単に不快に感じることも多いし、中には怖いと感じる人もいるだろう。
 
 ちなみに、経験上このパターンの人は、大体が話を聞いているフリをしているか、聞いていても右から左に抜けているだけの人が多い。
 また、年齢や地域によってなのかもしれないが、「目を逸らしたら負け」とか、「気持ちで負けない」みたいな変なルールを持っている人もいるようである。
 いずれにしても、話の中身を捉えていることは稀だと感じてしまう。
 
 さらに、まだ人生で数回しか会ったことがないが、中には酷いのがいて、「何か言ってる」くらいにしか感じていないようで、「もしかして『何か言ってる』くらいにしか感じていないんですか?」と聞くと「そうだ」という論外もいる。
 この類は、仕事の上であれば既に干されていることが多いので、あまり感情を後に引きずらないためにも気にしないようにしている。
 ただし、音楽指導に行った時に発生した場合は、実力と理論と愛情をもって完膚なきまでにとっちめることにしている。
 
 
 
 話が逸れてしまったので元に戻るが、人の中には視線恐怖という人もいるそうだ。
 親身になったり真剣になって話していると、こちらの目線によってその人を怖がらせてしまうこともある。
 そういう時には、話の中の重要な時にだけ目を合わせて伝えたり、話の最後に要点をまとめたり、相手に確認をしながら話す時などに絞って目を合わせるようにすると、重要であるということをアイコンタクトを通して伝えることが上手くいきやすい。
 
 アイコンタクトが特に苦手という人は、自分がする時は、覚えておいて欲しいところ、重要なところ、分かって欲しいところなど、気持ちを込めたい時にだけアイコンタクトを使うところから始めてみるとよいだろう。
 また、その反対に、話の相手がそれを使ってくる可能性もあるということを知っておけば過剰に怖がることもないし、むしろ「この人はちゃんと話を聞いてくれる人」という安心感や信頼感を相手に与えるきっかけにもなり得る。
 
 上手くアイコンタクトを使えるようになると、話が今までよりも伝わりやすくなる。
 重要な話は、目の前に相手がいるのに下を見てうつむいた状態で話をしたり、相手以外のどこかよそを見ている状態で話をしても、全く伝わらないのだ。
 あらためて言うが、少しずつでもやって、慣れて、使えるようになった方がよいことである。
 
 「コミュニケーションが苦手でアイコンタクトも苦手」という人の気持ちも、その人の立場に立ってみればとてもよく分かる。
 しかし一方で、相手の気持ちになって考えた場合、嫌い、苦手、拒否というようなネガティブなサインを出しているのと同じことになってしまうのだ。
 
 だから、アイコンタクトを適度に入れていった方がよい。
 コミュニケーションも上手くいきやすいし、他の人からも好かれやすくなるし、信頼されやすくもなるのだ。
 できるようになった後に受けられる恩恵のことを考えれば、少しずつでも取り組んでみたり改善させていった方が良いことである。