他人の意見にいちいち心を乱されないようにするためにできること メモ

 
 他人、特に親や家族から「あれしろ、これしろ」と言われるというのは、まぁ、そういうものだしよくあることである。
 これに対して反発する気持ちや、そもそも自分の意志が進むべき方向に向いているということであれば、その納得できる方向に進むように自分で自分の気持ちを適切に処理し、進んで行けば良いだけだ。
 
 ただ、「分かってる」とか、「いちいちうるさい」とか、「今やろうと思ってたのに」などとストレスを溜めるだけ溜めてしまい、無意識のうちに自分の行動が変わってしまうということは問題である。
 また、自分の意識や意志の外でやる気が削がれてしまい、本人は「なんとなくやる気がしない」となって落ち込んでいくだけで、何にも気付くこともなく状況だけが悪化していくことも問題だ。
 
 反発して反骨心を見せるにしても、一旦受け入れて理解しようとするにしても、何しても、それに対して意識ができているのであれば、コントロールすることができる可能性はあると言える。
 もしも自分で問題意識を持っていて、それについて何か対応したいということであれば、やるべきことはアウトプットである。
 自分の心や気持ちというものは実際はかなり漠然としたものなので、「○○しろ」と言われたことに対して反発する気持ちを感じたのであれば、そのことについて詳しく書いてみるとよいだろう。
 
 例えば親が、「勉強しろ」、「お金を貯めろ」と言うことはよくあることなので、そうした場合はそれについて自分はどう感じたのかを書いていく。
 それがお金についての話なら、お金を全く使わず全て貯めた方が良いのか、全て使った方が良いのか、何割か残して使った方が良いのか、最初に半分だけ貯金した方が良いのか、などと考えていることを書いていくのである。
 そして、結果として自分はどうしたいのか、どうするべきか、現時点でどれが最も正しいか、ということを考えながら書き進めていく。
 
 そうすると、「お金を貯めろ」という言葉に対して、自分の意見や考えがまとまってくる。
 もちろん、年齢や環境やその時の状態などで最適な解というのは変わってくるものだが、一旦は一件落着させることができる。
 自分の考えを文章として書き出してみることは、とても大切なのだ。
 
 
 
 このように、自己洞察をする機会を作ることは、自分の考えや行動が定まらない時にとても有効である。
 その時にできる限りノートに詳しく書き出してみて、自分はどういう感情を持っているのかを知る。
 親や友人などの意見に対する反感を書き出してみる。
 
 この時に、「なぜ」ということを時折入れてみると良い。
 なぜ反感を持ったのか、なぜ嫌な気持ちになったのか、なぜ腹が立ったのか、ということを書き出すことで、まずはその時点のストレスが発散されるからである。
 出てきた結果には、素直に従った方が良いものもあれば、たとえ真逆の答えでも自分の考えを貫いた方が良いこともあるが、基本的には自分自身を客観的に分析すれば自然と結論も出てくるし、「どうすればよいか」という行動の方向性も見えてくるのだ。
 
 言葉や文章にすることで、よりはっきりとした道が見えてくることもある。
 科学の面から見れば、脳の中は単なる電気信号と言われているので、そう考えれば確かに、あれこれ思いついたり、移ろいやすかったり、変化しやすかったり、一瞬で真逆な考えに変わってしまうものなのだろう。
 
 しかし、文章にして書き出せば考えははっきりと固定化されていくので、そこから自分の本心というものが少しずつ見えるようになってくる。
 他人の言葉に心を乱されてしまった時は、自分の気持ちや考えを言葉にする練習のためにも、紙に書き出したり日記をつけたりしていくとよいだろう。