人間関係で悩まないようにするためにできること メモ

 
 人間関係で悩まないようにするためには、まずは「人間関係は良くないのが普通」と思っておくことである。
 
 人は、生きていく上で何らかの集団に属することがほとんどだが、その集団において人間関係が悪くて悩む人は多いものだ。
 仮にもし、あなたが今いる会社や学校などの集団において、「人間関係がうまくいっていない」とか「煩わしく感じる人がいる」と思っていたとする。
 しかしそれは、同じ集団に属する別の人からしても、別の集団に所属する他の人からしても、だいたい同じと考えてよいだろう。
 
 むしろ、その集団にいる全ての人から見て「今いるところはなんて人間関係が良いんだ」と感じられる集団というのは、かなり稀れである。
 それは恐らく5、6人程度のチームとか会社などで言われることだろう。
 人数が少なければ、仲間のことについて詳しく知ったりする機会もそれなりにあるので、かなり気を遣うことができたり、その反対にかなり気を遣ってもらえたりすることがあるからだ。
 
 しかし、例えば10人を超えるようになると、全員とコミュニケーションを密に取ることはだんだんと不可能になってくる。
 仮に会社で20人ともなれば、そもそも一日に8時間くらいしか会社にいないので、全員と仲良くなったり全員の仕事を把握して助け合ったりすることはまず不可能になる。
 そうなると、基本的には人間関係は上手くいかなくなってくるのだ。
 
 
 
 ユダヤの教えやアドラー心理学などにおいては有名な話だが、「1対2対7の法則」というものがありその視点から見れば、人が10人集まれば、あなたを嫌う人は1人、応援してくれたり好意を持ってくれる人は2人、残りの7人は中立だ、と言われるそうだ。
 であれば、まずは好意的で応援してくれるような二人と仲良くすれば良いし、中立の7人とも普通に円滑にコミュニケーションが取れる間柄でいながら、これから良くなろうと思って働きかけていかれれば良いのだ。
 
 そうなると、わざわざあなたを嫌う1人に注目して「人間関係がうまくいかない」と悩むことは時間の無駄なのだ。
 しかも、学校や仕事が終わって家に帰ってきて、その後までずっと考えて気分を害する必要なんて全くないのだ。
 だから、基本的には「人間関係は良くないのが普通」と思っておけば良いのである。
 
 その上で、コミュニケーションはキャッチボールであることを考えておくとよい。
 ネガティブなことを言われてネガティブなことを言い返せば、間違いなくその人間関係は泥沼状態になっていくだろう。
 上手くいかなくなってイライラしたり反論ばかりしていたら、それこそ人間関係での悩みが膨らんでいってしまうのだ。
 
 
 
 人間関係で悩みがあった時は、一先ずは、嫌いな人や苦手な人でも笑顔と親切で対応できるように、心構えやマナーなどの型を身につけておくことだ。
 そして、職場なら仕事ができる能力を身につけたり、学校なら勉強ができるように日々学んで実践していくことだ。
 さらに、人間関係が良くないといっても、今の時点でプラスマイナス0の状態の「良くも悪くもなっていない人」もいるのだから、日頃の振る舞いから気を使ったり、今よりも自分を向上させようとしてみることだ。
 
 世の中、笑顔と親切心をもって周りの人の役に立つことは大切なことである。
 職場なら職場で、「どうやったらその職場や人に貢献できるのか」ということを考えるのだ。
 会社の人や職場のために自分ができることを一つ一つこなし、増やしていくのだ。
 
 こうすることは人間関係を構築したり改善したりすることに役立つ。
 なぜなら、まわりとズレていたり役に立たないような人間が来たら、いじめられたり鬱陶しく思われたりするのは当然なのだ。
 その反対に、仕事はできるし、周りの人まで助けられるような人で、しかも使い勝手の良い賢くて人当たりの良い人が来たら、当然歓迎されるし敬意も払ってもらえるのだ。
 
 
 
 最初の頃なんて、人間関係が良いの悪いのではなく、様子を見たり見られたりしながら、見定めて評価をしたりされたりしながら、接するものなのだ。
 お互いに、「この人は自分や集団にとって害がない」と分かれば警戒心も解けるのだ。
 それがないから、爪弾きにされたり、無茶ぶりをされたり、敬遠されたりするのである。
 
 だから、その集団に溶け込むのであれば、最初のうちにすることは、様々なことにめげずに前向きさで返していくしかないのだ。
 そこで怒ったりふてくされたりしてしまうと、今までよりも余計に風当たりが厳しくなってしまう。
 逆の立場を考えてみればわかると思うが、後からやってきた新参者に対して、初めから全員でまったく警戒せずに優しく接してもてなして、何から何まで手取り足取り手助けしてくれる人たちなんて、一体どれだけいることか。
 
 人間は、コミュニケーションを取っていきながら、徐々に親密な関係を作っていくものだ。
 その中には、初めて知ったからこそ分かり合えたという共感を持つことや、協力して何かを成し遂げた経験を共有することや、何か問題解決や得になることをしてあげて警戒心を解いて行ってあげる、というようなことが必要になるのだ。
 新しいところに行ったら、大体は警戒されながら始まり、徐々に受け入れたり受け入れられたりしながら、そこの輪に加わっていくものなのだ。
 
 
 
 人間関係とは自分と相手の関係性のことなので、あなたが何も行動しなければ良くなるはずがないのだ。
 また、「人間関係は良くないのが普通」と言ったが、それは本当に悪い状態もあるし、プラスマイナス0だったり未知の状態だってある。
 何も働きかけなければ、0の人は0の状態のままなので、急に親切になるようなことはないのだ。
 
 だからこそ、ポジティブな関係性を構築できるように、笑顔や親切で対応したり、会社などその集団への貢献をしたりする必要がある。
 コミュニケーションのキャッチボールの例えで言えば、こちらからポジティブなボールをたくさん投げたり、嫌なボールやプラスマイナス0のボールを受け取ったとしてもポジティブなボールを投げ返す、ということをしていく他ないのだ。
 今の時点で「ちょっと人間関係が悪いから」と言って腐らずに、今の自分でできることをやっていくことで、長い目で見て人間関係を改善したり新しく構築できるように働きかけていくとよいだろう。