ネガティブな気持ちを出し切るコツ メモ

 
 気持ちが落ち込んでネガティブになったり、辛い状況に置かれて不平不満が出てしまうような心境を人に話す時、それを「ガス抜き」という言葉で表現されることがある。
 ガス抜きをすること自体は良いことだろうが、それをするにしても相手が必要である。
 また、聞く側に立ってみれば、上手に受け流すことができればよいが、しっかり受け止めてしまい、話した側と同じような心境に陥って気持ちを乱してしまうこともある。
 
 では、自分一人だけでネガティブで辛い状況をどうしていけば良いかというと、その不平不満を紙やノートに書き出すことである。
 自分の中で溜め込んだままでいるから、どこかで爆発してしまうのだ。
 「不平不満やネガティブな感情は溜めずに吐き出す」ということは前提だが、その上で、自分で書き出して吐き出すということであり、話をする相手や聞いてくれる人を探してでも話すというのではない。
 
 書き出す時のコツとしては、以下の3つを参考にすると良いだろう。
 
 
 
①殴り書きをして全て吐き出す
 今思っていることを全部書き出すということである。
 ただし、「全部出し切ったら二度と思い出さないようにし、忘れる。」ということが前提である。
 
 自分の中から嫌なことを全部書き出して吐き出すという行為自体は、今日だけでなく次の日もやって構わないが、出し切ったらその場限りで終わらせてしまう。
 そして、同じ内容を次の日まで持ち越したり、次の日も吐き出そうとしないことだ。
 「今に集中して全部出し切れば、その後はもう自分の中には嫌な気持ちは残らない。」というつもりで書き出すのである。
 
 
 
②書き出した紙を破いて捨てる
 書き出したもののうち、ポジティブなものがあれば、その部分だけ書き写して残すなり保存するなりしても良いと思うが、ネガティブな部分においては後で見返すことができないようにすることだ。
 見返せる状態にあると、見返してしまった時に、そこでまた嫌なことを思い出してネガティブな感情が強化されてしまうからだ。
 だから、例えば①で書き出した後は、その紙を破いて捨ててしまうことだ。
 
 まあ、「それはある種の儀式のようなもの」と思って、破って捨てて無かったことにして、きれいさっぱり忘れて、次からまた頑張ろうという意味である。
 だから、破って捨てた内容について、次の日も同じことで同じように悩んだり、誰かをつかまえてまたネガティブなことを言っているのではダメなのである。
 
 
 
③1回切りで終わらせる
 ネガティブな事柄は何度も話してはならない。
 ②でも書いたが、何度も思い出して書き出すというアウトプットしてしまうと、それに連れて嫌なことに対する記憶が固定されていってしまうからだ。
 そうなると、その記憶は当面、最低でも半年から1年くらいは忘れられないようになってしまうだろう。
 
 失敗を引きずる人の特徴は、その失敗した事柄とそれに関するネガティブな感情について、最低3回以上はアウトプットをしていることである。
 いつまでも失敗を引きずるのは、何回も失敗体験やネガティブな体験をアウトプットするからなのだ。
 上手くいったこと、楽しかったこと、嬉しかったことは何回書き出してアウトプットしても思い出しても構わないが、ネガティブな事に関するアウトプットは、一度だけ吐き出してそこで終わりにすることが重要なのだ。
 
 嫌なことを何回もアウトプットしてしまえば、自分でネガティブな感情を蘇らせ、その記憶を強化することになる。
 つまり、自分で自分の首を絞めているのだ。
 
 これからは、嫌なことがあったらその度に、「一度全部紙に書き出して吐き出し、破って捨てて、忘れてしまう」ことだ。
 それを癖なり習慣なりにしていくことができるよう練習していった方が賢明である。
 
 嫌なことがあっても、自分で処理することができるようになったり、誰かに聞いてもらうにしても1回限りで終わらせて、後は忘れる。
 それができるようになれば、真に「自分自身や自分に寄り添ってくれる人を大切に扱う」ということができるようになっていくのである。