長い人生、どうせ生きるのであれば気楽に生きることができた方が良いものだ。
気楽に生きるためには、そうするための言葉の使い方も必要だ。
言葉の力というものは想像以上に強力であり、上手に使いこなせれば様々な困難を小さく感じて物事を乗り越えて行ったり、その反対に何でも大事にとらえて深刻になってしまうのである。
人生を気楽に生きるのに必要なことは、お金を蓄えることでもより良い職業を求めて転職し続けることでもない。
最初のうちは、慣れない言葉を使ったって頭も体も伴わないかもしれないが、少しずつでも言葉を上手に使いこせるようになっていくことだ。
言葉を敵にするか味方にするかの違いで、その後の人生は大きく変わってくるだろう。
①人生、良いこと半分、悪いこと半分
運が悪いとか、ツイてないという日は誰にでもある。
そういう時にこの言葉を言えば、「今日はたまたまツイていなかっただけだ」という気になれる。
人生は、悪い日ばかりが続くわけではないのだ。
例えば、毎日一回、5枚のコインを同時に投げるとする。
コインを5枚投げる時、全て表か全て裏の確率は32分の1である。
もし、踏んだり蹴ったりの最悪な一日が、全てのコインで裏が出た状態だとすると、そういう日もだいたい月に一度くらいは起こるペースだと分かる。
その反対に、絶好調の一日もあること考えれば、それもやはり同じように月に一度くらいのペースで起こるはずだ。
その他だって、割と良い日や結構凹んだ日、やや良い日や微妙に良くない日、普通の日となり、その割合も同様に起こり得る。
何か良くないことが立て続けに起こった最悪の一日が、どこかで一回あったとしても、そういう日だってあるものなんだし、それがずっと続くわけではないのだ。
そう考えれば、「人生、良いこと半分、悪いこと半分」という言葉も受け入れやすくなり、気楽に過ごせるようになるのではないか。
また、現実を受け入れて心の落ち着きをに戻せるようになれれば、些細なことでイライラしてしまう気持ちにも上手に対応できるようになるし、普段から心掛けることを決めたり、準備や対策をしたり、習慣を気にしたりできるようになっていくのだ。
②面白い
心理学には、仕事でも人間関係でも「面白い、面白い」と言っていれば本当に面白くなってくる、という効果があるそうだ。
もし、人でなしと思えるような考え方をする人や、図々しい振る舞いをする人に会ってしまったとしても、「面白い考え方をする人だなぁ」と、まるで新種の人類でも発見したかのように面白がってしまえば、悩みや後悔で自分を締め付けることも少なくなるだろう。
仕事だって、そんなに思った通りには上手く行かないところが面白いのだ。
簡単な雑用だって、「いかに早く終わらせるか」を考えてやるから面白いのだ。
人間も物事も、この世は面白いことで溢れかえっているのである。
言葉というのは不思議なもので、「面白い、面白い」と言っていれば、最初はそのように思っていなくてもだんだん面白くなってきたり、今までになかった着眼点を発見できたりする。
これを口癖にしたり心のツッコミにしたりすれば、悩みがちだった人間関係も、つまらなかった仕事も、めんどくさい勉強も、もう少しくらいは楽しめるものに変わるのではないだろうか。
現実とは、思ったことを実際にやってみて、より良く変わっていかれることも多いので、そういうところがまた面白いのである。
③この程度で良かった
人生には、大きかれ小さかれ、アクシデントはつきものである。
この言葉はそんな時に心を軽くしてくれるだろう。
突き指したけど、骨折でなくて良かった。
車を壁で擦ってしまったけれど、相手が人じゃなくて良かった。
仕事でミスをして怒られたけれど、何億円も損害を出すようなことでなくて良かった。
この言葉はシンプルが故に、ネガティブな言葉を中和できるし、あらゆる場面で使えるだろう。
ちなみに、当たり前だが、嫌なことが起きたり怪我をしたその瞬間に「この程度で良かった!」とはならない。
辛いもの、嫌なものは、やはり辛いし嫌だし、一旦その辛さを味わってから乗り越える必要があるのだ。
その後になって、しばらくして振り返ってみて「このくらいで済んで良かった」となるのであるため、日頃から良い行いをしたり誠実な対応を心がけるようにして、手抜きをしたり人様の悪口を迂闊に言ったりしないように気をつけていくのが賢明である。
④いつか笑い話になる
今直面している辛い経験も、どうせやがては笑い話になるのだから、今から笑ってにこやかに過ごしてしまえばよい。
そう思って前向きになるためにも、「いつか笑い話になるさ」というような言葉があるのだ。
辛い生活も「いつか笑い話になる」と言えば暗いムードも明るくなるし、マイナスな気分を立て直すこともできるのである。
辛い時のその時点では分からないだろうが、その時に感じている、恥ずかしい、辛い、苦しい、といった感情も、「いつか笑い話になるさ」と言ったり思ったりしていれば、やがて面白い、楽しい、前向き、といった感情の方が勝ってしまうものである。
この言葉は辛い時だけでなく、ツイていない時、落ち込んだ時、惨めに感じた時、悲しい時、恥ずかしく感じた時など、あらゆる場面で使えるので、覚えておいて損はないだろう。