他人の気持ちを理解するためのトレーニング メモ

 
 「この人はどのように感じているんだろう?」とか、「この人はどう思っているんだろう?」ということを正しく理解することができるということは、コミュニケーションをする上でとても有利に働く。
 相手がどう感じているかを感じ取る能力、つまり「相手に共感できる能力」を高めていくにはどのようにしたら良いだろうか。
 
 
 
①感想を書き出す
 本でも映画でも、登場人物の心理を分析したり共感する材料としてひとつ選び、やってみるとよいだろう。
 例えば、「主人公がこのような理由でこのような行動をとったことに共感した。なぜならば・・・。」というような形式で感想を書いてみるだけでも、人間観察、人物観察、心の動きの観察というものが取り入れられる。
 
 小説や映画を今までよりも少し深く見てみることで、そこに描かれた人間の心理は無視できなくなるものだ。
 これが、登場人物の心理を考えずに話だけをたどっていてもつまらないし、見たことを周りの人に話すにしても、大したことのないつまらない会話で終わってしまう。
 だから、より深く人物や心の動きが分かり、実際に読み取れるようになっていくためにも、自分で感想を書いてみることは大切なのである。
 
 ただし、ただ見た、読んだというだけなら、本を何冊読んでも映画を何本見ても、エンターテイメントを楽しんだ時間を過ごしていただけであり、その先には何の足しにもならないだろう(体験そのものとしては足しになるかもしれないが)。
 読んだり見たりしたこととアウトプットとを掛け合わせるからこそ、「他人の感情を読み取る力が伸びる」という自己成長に繋がっていくわけである。
 内容をよく観察して、分析して、文章にしていき、自分と対話をしながら自分の言葉としてまとめられるようになるに連れて、少しずつ変化が起きてくることだろう。
 
 
 
②本や映画の感想を他の人と話す
 物事には色々な見方があるから、もし自分以外に相手がいた場合、その2人の人間がいただけで、最低でも2つの物の見方が存在することになる。
 さらに第三者が見れば、また別な見方が出てくる。
 
 だから、たくさんの視座を持つということは、物事をより多角的に、客観的に、中立的に分析することができ、感情に流されずに冷静に物事を見ることができるようになることに繋がるのだ。
 本でも映画でも、見た人の意見も考えも考察も、その見た人の数だけある。
 
 まずは自分と向き合って、自分の考え方や心理の捉え方をアウトプットしてみることが重要である。
 その上で、「他の人はどのように見ているのか」、「他の人にはどのように見えているのか」、ということを知ることが、人間観察力や 、洞察力や、共感力を高めるために効果がある。
 そうなると、家族同士や友達同士などでお互いに感想を話題にするのは重要なことだし、そうすることで「相手はこのように考えるのか」という人物観察にもつながってくるのである。
 
 
 
③他人の感想を読む
 自分の周りで同じ作品を見た人がおらず話題を共有することができない場合は、インターネットを検索してみて同じ作品に対する感想を書いている人を探してみるとよい。
 そうすれば、「他人はどのように見ていたか」を知ることができる。
 こういうのは、ブログに書かれている批評であれ、作品のパッケージ販売のレビュー欄に書かれている批評であれ、どこかで誰かが書いているものなので、自分と違う考え方を知るにはかなりの高確率で見つかる。
 
 さらに言えば、ネット上で批評されている場合は、その人は現実ではどのような人物か分からないので、今の自分の身の回りにいる人とはかなりタイプが異なる人の可能性も高い。
 誰かと感想を話し合うにしても、世代や、性別や、今置かれている環境が近い人同士ということも多いものだし、いつもの顔見知りの間柄からではそれほど突出した意見というものもなかなか出ないこともある。
 だから、そういう意味では、ネットでの批評から学ぶということは、ある種の新鮮さがあるとも言えるだろう。
 
 ただ、そもそも「自分とは違う考え方の人もいる」ということは最低限意識しておき、ネット上には「自分の考えと異なる人がいたら否定して攻撃する」という人がいることも分かっておくことだ。
 普通だったら、「10人いたら考え方も行動も性格もそれぞれ」だし、「全員があなたを好きというわけではない」ということくらいは分かりそうなものだが、もしかしたら世の中にはそれが分かっていない人もたくさんいるのかもしれない。
 だから時には、「自分の視点でしか物事を見ないので、周りのことなんか分からないし、知らない」という扱いをする人を見かけたり、不運にも出くわしてしまうこともあるということは、知っておいて損はないだろう。
 
 その辺りも含めて、だからこそ様々な視点や他人の視座で物事を見ない限り、「自分のことを嫌う人もいるし、好いてくれる人もいる。」ということも、見えてこないと言える。
 ただ、いきなり一作品すべてやれというのは無理があるので、印象に残ったシーンだけやってみるなど、負担が少なくやれそうなところからやってみるとよい。
 他人の気持ちを理解するための「共感力」というものは、自分一人で頭の中だけで考えていても養われることはないので、まずは本や映画などの登場人物の心理を読み取る練習から始めてみるのはどうだろうか。