アドバイスをすると怒り出す人への対処 メモ

 
 例えば健康面でなど、「こうした方がいい」とアドバイスすることで気分を害してしまう人は多い。
 それは、基本的には他人を変えることに対する反発感に因るものである。
 言われる側の立場に立ってみれば、他人から言うことを聞かされるだとか、自分の欠点を指摘されたように思えるということを考えたら、その気持ちも分かるだろう。
 
 こちらとしてはよかれと思って言っていても、言われた方としては「不健康だ」と言われているように感じたり、マウントを取られたと感じるというのは、少なからずその人の中にも引け目を感じている部分があるからだろう。
 また、健康に良くないことをしていたり、健康に良くない習慣を変えられなくて困っていたりして、その人も薄々は気付いているだろうから、相手が正しいことを言えば言うほど、自己防衛のために怒るのだ。
 謙虚な人や素直な人はくだらない自己防衛などしないので、「それはいいことを知った」とか「明日早速やってみます」などと人からのアドバイスを受けてどんどん改善したり成長したりするのだ。
 
 世の中、頑固な人や人の話をすぐには聞かない人は8割ぐらい、残りの2割ぐらいは素直な人やすぐに行動に移せる人、くらいに思っておくと良いだろう。
 頑固な人にはどんなに素晴らしいアドバイスをしても拒否をされ、なぜかこちらが悪者にされて怒られたりするので、特にアドバイスをする必要はないのだ。
 もっとも、自分の大切な人や家族に対してそうする必要がある時は別だが。
 
 アドバイスなんて、基本的には「教えて」欲しいと言われた時に教えれば良いのだ。
 聞かれたことに対してきちんと答えてあげれば、相手はすぐに話を聞くものなのだ。
 相手が「知りたい」、「話を聞きたい」という状態になってもいないのに色々とアドバイスをしても、飛び込み営業のセールスマンに売り込みをかけられているようなもので、絶対に聞かないのである。
 
 人は、自分が欲しいと思う物や情報に対しては心が開いた状態になる。
 だから、心が閉じている時に、そこを無理やりこじ開けてアドバイスをしても当然喜ばれないし、かえって嫌がったり怒ったりするという心理が働くのだ。
 
 アドバイスをする時は、あなたの話を受け入れる余力のある人や、家族や親しい友人などに言うと良いだろう。
 親しくもない人に誰でも彼でもアドバイスをしたがために、かえってこちらの方が不快な思いをさせられてしまうということだけは、自分のためにも避けなければならない。
 ただし、相手から聞かれた時においては、親切に詳しく教えてあげるように心掛けることで、相手の方も素直に聞くし、やってみるし、身につくし、良好な関係を作ることにも繋がっていくのである。