広く一般的には、慢性的な睡眠不足が続くと、癌、脳梗塞、心不全、生活習慣病、メンタル疾患からその先のリスクが上がり、病気になりやすいと言われている。
また、病気にまではならなくても、集中力が下がって生産性が低下したり、食欲が増大して肥満になる原因にもなったりする。
それ以外にも、睡眠不足になると意外なところでメンタルや感情に対して悪影響が出てくる。
そうした傾向や兆候を事前に察知して改善を図るには、どのようなことを知っておいたらよいか。
①イライラして怒りっぽくなる
睡眠不足によって扁桃体が興奮しやすくなるため、不安や恐怖や怒りの感情が起こりやすくなる。
②人間関係が悪化する
誰でも、自分の貴重な時間を使うなら楽しい人に使いたいものだ。
イライラして怒りっぽい人は仲良くなりたがられないし、そうしていたら単純に損をするだけなのだ。
③レジリエンスが低下する
睡眠不足によって、ストレスをやり過ごす力が弱まってくる。
体と心に余裕がなくなり、疲れも溜まりやすくなり、ストレスをうまく受け流せなくなるのだ。
通常は7時間から8時間程度の睡眠時間がとれると良いと言われているが、あなたは普段、何時間ぐらい睡眠をとっているだろうか。
例えば、もし最近職場の人間関係が上手くいっていないと感じているのなら、睡眠時間が6時間を切っていないか振り返ってみるとよいだろう。
睡眠時間がしっかり取れていれば、気持ちに余裕があって穏やかでおっとりした性格に戻っていくので、人間関係などのトラブルがあったとしても余裕を持って対応できるようになっていく。
何年も悩んでいたことが、睡眠時間を毎日1時間増やすというたったそれだけのことだけで解消されるのだとしたら、なんと簡単なことなのだろうか。
悩みは様々あるのだろうが、睡眠時間さえしっかり取れていれば人生すべてがうまくいくと言っても過言ではないのだ。
それだけで解消しない場合ももちろんあるが、睡眠時間が少ない人というのはほぼ間違いなく人間関係が悪くなりやすいし、感情や仕事の処理が余裕を持ってできなくなってくるものだ。
そのようなパフォーマンスが下がっている状態を元に戻すだけで、広い範囲に対して好循環に切り替えることができるのである。
「たかが睡眠時間」と言うかもしれないが、睡眠不足は病気になるリスクを引き起こす以外にも、人間関係にも多大な悪影響を与えてしまう可能性があるのだ。
だから、まずはしっかり睡眠をとって感情を落ち着いた状態にし、人の話を余裕を持って聞けるようにすることが大切である。