自立するためにできる、気持ちで負けない5つのポイント


 一言に自立といっても、精神的なものや経済的なものだったり、働いて一人暮らしして食べていけるとか、様々な税金を滞りなく納めるなど、捉え方も様々かと思います。

 仕事にしても生活にしても、自分で決断して一通りのことが出来てきて、自分の足で立っているその足や体を支えてくれている人がいる(いた)ということに気が付いた時、そこがようやく自立した人生への入口であり、人生における大切な気づきでもあり、「一人として周囲との支え合いができる程度には自立したのではないか」と考えるのが自然なのではと思います。

 しかし、「自分の足で立っている自負がある」とか、「自分の力だけでやれているからすごい」と少し鼻息も荒く思っているうちは、まだまだ自立できたとは言えないかもしれません。
 また、他人に振り回されて自分の時間を捧げてばかりだったり、他人のせいにしてばかりいるという人も、まだまだでしょう。
 少しでも自分を大切にし、自分で判断し、決断し、責任感のある行動を増やしていくには、どうしたらよいでしょうか。

 

 

①あなたを大切に扱わない人と付き合わない

 一緒にいて、あなたに対して「自分は何てダメなのだろう」とか、「自分は価値がない」と思わせてくる人とは距離を置くこと。
 もし、一緒にいるだけでこちらの自尊心や自信を破壊してきたり、自分で自分を肯定できなくなるほど気持ちが下がってしまうようなら、その人といることが精神的な自立を妨げていると言えるでしょう。

 この世に生きていて、価値のない人はいません。
 そんなこと言われなくたって分かっているでしょうが、あなたが「私は価値のある人間だ」と感じて大切にしていることを軽んじてくる人とは離れた方が良いでしょう。

 

②依存し過ぎない

 物事を解決するのも、幸せになるのも、自分の人生を生きるのも、基本的には自分の力で何とかしていく必要があります。
 と言っても、少しくらい頼るのは最初のうちは当たり前だし、それが文明の利器であれば全力で使い倒せる方がよいです。
 また、人のつながりやチームワーク、物事の仕組みや経緯を知って何かを一から作ってみたり、自分の能力として身に付けていくことはもちろん大切なことです。

 ただ、「何かに頼りすぎることは、自分の弱点を作りやすくなる」ということは、覚えておいて損はないでしょう。
 その何かが物であれば失ったり使えなくなったり、人であれば裏切られたりいい様に使われてしまうという側面がある、ということです。
 今そこそこ調子よく事が進んでいるとしても、無策無防備のままでいれば、誰かのご機嫌を伺ったり、その誰かの変化に怯えたりする羽目になってしまいます。

 決して、世の中に既に存在してるもので、それが多くの人達が自由に使えるというのにもかかわらず、
「全てを自力で一から何とかしなさい」と言っているのではありません。
 それはは膨大な時間の浪費ですから、そこまで極端なことを言うつもりはありません。
 そうでなく、「自分の力だけでは何にもできなくなるくらい依存してしまう状態は避ける」ということです。

 ある程度のこと、例えば、一人で生活できるとか仕事を遂行できるという力があれば、それは自分に自信もついてきますし精神的にも安定してきます。
 また、毎日がそこそこ上手くいっていたとしても不測の事態は起きるものなので、予測をしつつ、実際に起きたら柔軟に対応していかなければなりません。
 いざその時になって何もできずに途方に暮れるばかりだと、誰かから足元を見られたり、引き摺り降ろされたり、いい様に使われることになるのです。 

 

③他人に迎合しない

 自分の考えを曲げてまで、一から十まで何でもかんでも他人の気に入るように調子を合わせないこと。
 失敗したって恥をかいたって、自分の頭で考えて自分で行動を起こしていくことでしか経験は積み上げられません。
 「聞き分けのよい人」が重宝されるのは、その方がコントロールしやすいからであって、あなたが頼りになるとか尊敬に値するというような理由ではないのが本音だということに、早く気づいた方が良いです。

 「いい人」とか「利口」という表現は確かに褒め言葉ではあるかもしれませんが、あなたがもし他人の言うことばかり聞いていることでそう言われているならば、その事で得をしたり良い思いをするのはあなたではありません。
 あなたのことを支配したりいい様に利用したいと考えている、あなたの周囲の人間であると考えてほぼ間違いないでしょう。
 分かっているでしょうが、「あなたの人生は誰のものか」という視点を持つことが大切です。

 他人に迎合しないためには、「相手のお気持ち」でなく「実利」を取ること。
 仕事であれば、心得やノウハウばかり集めず、自分のできる技術を磨き、1ランク上の技術や資格などを目指して身に付けてみる。
 お金であれば、誰かの論を追うだけでなく、金融や経済、貯蓄や副業の本でも読むなりして、例えばネット証券で百円千円くらいで、損害が出ても少なくて済む金額で実際に経験してみるなりする。

 まだ特に思いつかないという場合は、自分の頭の中にある「やってみたいこと」を書き出してみて、よりハッキリとした言葉にさせて行動に移してみる。
 世の中や政治について問題点や改善点があるなら、その書き出した文章を他人に見せられるように整えてから、地元の議員に対して陳情してみる。

 そういうことを、あなたをコントロールしようとしてくる人の話なんか聞くを待たずに、先に自発的にやるようにするのです。
 自分の利益や実力に繋がることについてさっさと行動した方が、ひいてはあなたの大切にする周りの人達や社会のためにも、よほど現実的な結果をもたらすのです。

 

④時にはお人好しでいない

 基本的には、人は人に優しくある方がよいです。
 それが、家族や身近な人、心の打ち解け合った友人や仲間だったりしたら、もちろん優しくするだけでなくそれ以上に大切にした方がよいです。
 まあ、嫌なことは嫌とか、やめて欲しいとか、意思表示が必要な時もたまにはありますが。

 ただ、一歩社会に出たとき、残念ながら世の中には、優しい人を「弱い人」だと勘違いしたり、「こいつには何をしてもよい」と見誤って横柄な態度をとったり、さらには度を越えた要求をしてくる人達もいます。
 あなたは日々「もっと良くなろう」と前向きに生きる道のりの上にいて、「今日も楽しい一日にしよう」と思っているのに、そういう人達に出くわしてしまったらその時点の未熟な頭で判断したり対処できないといけません。
 その時の対策のためにも、次の3つくらいは選択肢として持っておいた方が良いでしょう。

 1) 善人でない者に対して、お人好しの態度で振る舞わない
 2) 善人とは限らない相手に対して、思い遣りを期待しない
 3) 自分の境界線は自分で引き、自分の意思を堅持する

 「自分の意志の無いお人好し」が癖づいてしまうと、自分の人生の貴重な1ページに自分自身で重大な傷をつけかねません。
 生きていく上で、自分や自分の人生、自分の命、自分の時間、未来、思い出といったものを大切にしたいという人であれば、よくよく心に留めておくべきことです。

 


➄救世主は来ないので、自分で最悪の事態を想定して対策しておく

 自分のすべきことについて、幼稚でもヘタクソでも笑われてもいいから、一旦は自分で何とかしようとして、泣いてでも這いつくばってでも自分の力で最終工程まで実際にやってみることが大切です。
 なぜそうした方が良いかというと、最後に信じられるのは自分だけだからであり、自分の人生は自分の力で切り拓いていくものであり、「自分で何とかする」という覚悟を決めてそうするのが一番確実だからです。

 自分で何とかしようとすると「不測の事態」はつきものですから、最悪の事態に陥って困らないためにも、段から少しずつ念入りに準備をしておいたり、少し先のことを計画したり、対策を見直したりしておくことです。
 当たり前のことですが、その人にはその人の人生でやるべきことがありますから、最悪の事態に備えることを人生の主軸にまでする必要はないでしょう。

 よく漫画やゲームや映画の中で救世主が現れて一気に解決に向かう描写がありますが、ここは現実の世界ですからそれはまずありません。
 ですから、誰かが何とかしてくれるのを待ったり願ったり期待するのは、他力本願であり不幸の元でありただの現実逃避であると心得てください。
 加えて、魔法も必殺技も、世界の運命が託された神がかった能力も使えませんので、それはエンターテイメントや作品や世界観を楽しむ時のためにとっておいてください。

 また、仮に救世主が本当来てくれたとしても、それは恐らくほぼ100%の確率であなたの望むかたちの救世主ではありません。
 なぜなら、救世主は救世主のやり方で解決させるからです。
 「誰か何とかして! ここでこう現れて、こう解決してほしい!」と具体的に言えるなら自分でそうした方が速いのに、今まで自分で何とかしてこなかっただけなのです。

 そして恐らくあなたは、せっかく来てくれた救世主に対しても、こう言うのでしょう。
 「違う。それじゃない。それだとかえって迷惑。あぁ、あなたが全部滅茶苦茶にしちゃった。あ、帰っちゃった。ねぇ、あの人なんか最初からウーンって感じ。」
 結局、自分の理想の救世主が完全解決してくれて、自分のことを全肯定してくれる世界はないのです。

 現実では「このタイミング」という機を狙って人に頼ったり、「たまにはお言葉に甘える」ということもあるでしょうが、そこから先をどっぷりと依存してしまうことは避けなければなりません。
 また、未成年を除けばどのような大人であっても「自立していないことが原因で状況を改善できない」ということも避けるべきことかと思います。
 「まずは自分でやってみるし、何か問題があって最終的に何とかするのも自分だ」という気持ちが大切です。