自分を大切にして、自信を持って決断する方法


決断できない、判断に迷った、優柔不断を治したいなど、人生の中で決断について迷うことは多いものです。
 決断することが苦手だと、A案かB案かを選ぶことについて色々考えて迷った上に、その選択も見誤って失敗することもあるでしょう。
 また、「今は決断ができないから」といって先送りをしてしまい、後になってより大変な状況に陥ったりします。

 結論から言うと、上手に決断する方法とは「自分の気持ちに従う」ということです。
 自分の心とよく向き合ってみれば、「自分は本当はこう思っている」というのがあるはずです。
 しかし、それが色々な雑念や、世間体、他人の意見、利害関係などで覆い隠されてしまい、結論が歪んでしまったり、自分を脇においてまで「親や友人はどう思っているのか」と考えてしまうのです。

 自分の本当の気持ちを理解せずにそれと異なる決断をすると、必ず後悔するものです。
 自分の心に従って決断をすれば、その結果失敗したとしても実際のところそれほどダメージの大きい後悔をすることはなく、今回は良い結果にならなかったとしても「むしろ自分が本当にやりたかったことをできた」と受容することができるのです。
 と言うように、話の上では「自分の心をもとに判断していけば後悔のない人生を歩んでいかれる」ということに繋がるのですが、そのためにはどうしていったらよいのでしょうか。

 

 

 

1. 決断できない原因

①将来のビジョンが明確でない

 自分が何をすべきか、どう生きたいのか、どちらに進むべきかが曖昧なので迷うことになります。
 こういう時はまず、将来のビジョンを明確にし、それに照らして判断の基準を作った方が良いでしょう。

 

②メリットとデメリットが拮抗している

 あんなに書き出したり分析したりして調べたのに「決められない」という時も稀にあります。
 そんな時は、脳の中での処理としては「どちらでもよい状態になっている」と考えるのも対処の一つです。
 もし後で方向修正できることであるならば、迷うのは時間の無駄ですし、寧ろやらないでそのままにして時間だけが過ぎていくことの方が最大のデメリットになるでしょう。

 

③情報が不足している可能性がある

 決断する期日を決め、それまでに情報を集めみると良いでしょう。
 「普段からもっと勉強しておけばよかった」と後悔するのはもう少し後にしても良いです。
 なぜなら、「現時点で最善の選択をするために、これまでのすべてを注ぐことができる良い機会だから」とも言えるからです。
 今まで学習してきたことをまとめた記録などを見返してみるのも、情報不足を補うための対処の一つとなります。

 

2. 気をつけておくこと

①口癖に気を付ける
 ネガティブな言葉は、それを発した本人だけでなく、周囲の聴いた人にまで影響を与えてしまいますから、まず自分から前向きに考えたり前向きな言葉を使うようにすることです。
 弱気なまま決断しても、良いことは少ないでしょう。
 その上で、実現させたい夢があるなら、次の点に気を付けること。

②決断の早い人たちの傍で生きていくこと
③自分自身が速く決断できるようになること
④遅い決断は、どんなに正しくても全て不正解であると知ること
⑤成功者たちの辞書には、「検討中」や「一旦保留」は存在しない


さらに、「でも」は雑念と考えておくと良いです。
 多くの人は何かを決断をする時に、「自分は○○をしたい。でも××したらどうしよう。」と、必ずと言っていいほど「でも」が付いてしまいます。
 「起業したい。でも失敗が怖い。」とか、「部活を最後までやって引退したい。でも受験勉強を始めたい。」というように、「何かをしたい」という気持ちはあっても、それに対立するマイナスの理由が浮かんでしまいます。

 このように、文脈として捉えればやりたいことは決まっているのに、雑念があって決められなったり、打算や利得を考えてしまうことで、本来の思いから惑わされてしまいます。
 「でも」とは打算、計算、仮定であるため、何をやっても失敗する可能性を考えることになる上、言い訳にもなり得るため、やらないとただ後悔だけが残ってしまうことになります。
 「でも」は誰でも考える言葉ですが、だからこそ決断の時は雑念になると考え、普段使う言葉とは切り離して受け止めた方が良いのです。

 「自分の心に従えば後悔が最も少ない」ということは分かっているはずです。
 「でも」に従えば、後になって後悔したり残念な気持ちになる可能性は高くなるのです。
 しかし、まず先に気付いておかなければならないのは、自分の本来の心の声というものは、「でも」の前に既に現れているということです。

 

3. 決断の基準にするとよいこと

①自分で決断する

 「自分が好きだ、やりたいと心から思えることを自分で選んだかどうか」が最も大切です。
 それが正解かどうか、他人が賛成してくれるかどうか、ではありません。
誰に、何人に相談しても、最終的に決断するのは自分以外の誰でもない、ということを決して忘れてはならなりません。
 少しきつい言い方かもしれませんが、「自分で決断したもの以外は一切決断とは呼ばない」と考えてみると、自分で決断しない人生など生きていないのと同じなのではないでしょうか。

 

②最初に思いついたものを選ぶ

 基本的には、「最初に思いついたことがやりたいこと」です。
 しかし、会社の戦略を決める時や学校での進路を決める時などにおいては、他との比較をしたり、利益が最大になることを考えたり、将来起こり得るリスクを想定して決断までに準備をすることは、当然ながら最重要事項と言えます。
 そういう場合は安易に「最初に思いついたから」と決断するのは無鉄砲と言うこともできてしまいます。

 ただ、「日常の上で」とか、「やり直しがきく中で」という状況で何かを決める時ならば、かなり有効でしょう。
 、様々な状況においてもこの「最初に思いついた方」というのは、それまでの経験や願望や興味の蓄積によるものということもありますから、直感や閃きというレベルで思いついたのなら、やらなければかえって大きな後悔を引き摺ることにもなります。

 

③ワクワクする方を選ぶ

 「決断に迷ったら、AとBのどちらかワクワクする方を選ぶとよい」というのは広く知られていることですが、その信憑性はかなり高いと言えます。
 なぜなら、ワクワクした時には脳の中でドーパミンが分泌しているからです。
 ドーパミンは能力や集中力や記憶力を高める物質であり、普段の数倍の力を発揮できるとも言われていますから、ワクワクする方を選んだ方がそもそも上手くいきやすいと言えるからです。

 もし、もう一方を嫌々選ぶと、コルチゾールというストレスホルモンが分泌され、やる気をなくしたり、記憶力を低下させることに繋がります。
 単純な例だと、ワクワクする方を選べばパフォーマンスが倍になり、嫌々選んだ方は半分になるとすれば、「ワクワクすることを前向きにやる人」と「嫌なことを嫌々やる人」とではパフォーマンスは4倍違うことになります。
 ワクワクしない方を選んで結果が上手く出ずに結局失敗となってしまうのなら、ワクワクすることに全力で集中した方がよいでしょう。

 もし、どちらがワクワクするか分からない時は、それらの良い面と悪い面について書き出してみることである。
 頭の中だけで考えても、どうせ堂々巡りになったり途中で分からなくなって投げ出してしまうものなのですから、A案とB案それぞれのメリットとデメリットをしっかりと書き出してみることです。
 よほどの天才でもなければ、人間の頭の中ではせいぜい同時に3つぐらいのことしか考えられないのが普通ですから、どちらの方が良いかを考え付くだけ書き出してみて、実際どちらの方が得なのかを冷静になってよく考えた方が、その時点でより明確な結論に辿り着けるでしょう。

 ②でも述べましたが、基本的には「最初に思いついたことがやりたいこと」であって、自分自身の中ではやりたいことは既に決まっていることがほとんどです。
 その上で「ワクワクする方を選ぶ」と決めているなら、最初の決断の時はワクワクしているので、成功する確率は高いし、もし失敗したとしても後悔することはないでしょう。
 もちろん、何から何までそううまくいくというものではありませんし、決断した後はやり切らないと結果は出ないので、ワクワクする方を積極的に選んで、諦めたり怠けたりせず自分が持っている力の100%以上を出せるような段取りや環境を整えることも重要です。

 

④未来の自分を信じる

 「もし失敗したらどうしよう」という気持ちを何とかするには、「失敗しないためにはどうしたらよいか」ということを考えたり書き出したりして理解し、失敗しないように一生懸命やり、上手くいくまで実際の行動をとっていくことです。
 それ以外の方法はないでしょうし、「決断したことをやり切る」ことこそ成功するための法則だと言えます。
 決断もしないで何か疑問を感じながらダラダラ進んでいく人生よりは、決断して全力でやり切る人生の方が、今よりも良い状況になる可能性が圧倒的に高いということは言うまでもありません。

 自分の人生の時間には限りがありますから、もし自分が何かをやりたいのであれば、自分のことを信じてやりたいと思うことをやり切ることです。
 いつまでも「でも」とか「もし失敗したら」と考えてばかりいたら、人生は前には進みません。

 また、何も挑戦できないまま、何も達成できないまま、何となく一生が終わる、というのは果たして楽しいことなのでしょうか。
 仮に失敗しようが何しようが、挑戦してやり切った感覚と経験があれば、次の挑戦ではやる気も出やすいし成功率も上がりやすくなるものです。

 生きていれば上手くいかないことは確かにありますが、そこで停滞していなければそれは失敗ではなく経験であり、その経験をもとに次に挑戦することもできます。
 これからは、「失敗したらどうしよう」ではなく「まず失敗して経験を積む」ということの方に目を向けた方が良いでしょう。
 自分を信じてワクワクする方を迷わず選んで挑戦していった方が、結果として上手くいくというものです。

 

⑤信頼できる人に相談する

 誰にでも相談したりアドバイスを求めたりしたくなることはありますから、どうしても自分一人で決断することに迷ったら、あらかじめ決めておいた一人にだけ相談することくらいはしても構わないでしょう。
 ただし、その一人に相談する前には、必ず自分で決断しておくことです。

 そして、「相談に対する回答はどうでもいい」と決めておくことです。
 大切なのは、何を言われても自分の決断が揺るがないことだからです。

 さらに、決して二人以上に相談しないことです。
 二人以上に相談すると、自分でも気づかないうちに三人以上に相談することになり、やがて決断できなくなるからです。
 迷いに迷って選んだ結果が二つ以上になることはまずありませんし、相談の結果として決断することを一つに絞ることを、他人しかも複数人に委ねることはあってはなりません。

 

⑥より困難な方を選ぶ

 判断に迷ったら、「3秒以内で決める練習」、「自分を鍛えるための決断」だと思って決めると良いです。

 

3. それでも決断できない場合

①二択で決められる方法で決めてしまう

 ・コイントスの表裏の結果で決める
 ・靴でも下駄でも投げて表裏の結果で決める
 ・サイコロを振って偶数か奇数かで決める

 ・紙の真ん中に線を引き、鉛筆がどちら側に倒れるかで決める

 

②そこに自分がいるかを振り返ってみる

 自分のことを大切にしていますか?
 自分のことを大切にしてきたのなら、将来のこととか、自分が喜ぶこととか、何となく分かりませんか?
 もしかしたらその決断自体、他人にいいように無意識のうちに選択させられそうになっていませんか?

 決断すべきことなのにそこに自分がいないと、後で取り返しがつかないことにもなりかねません。

 普通の人は、自分にとって本当に大切な選択をする時は先ず、より良い結果につながるように、今も未来も楽しくなるように、少しでも多くの楽しみや希望が持てるように選択をします。
 さらに、その次に可能であれば、周囲にもより良い影響となるように選択をします。
 その方が自分も嬉しいしやりがいを持てるし、自分が何かを成しとげた結果身近な人やお世話になった人にも嬉しく感じてもらえるような選択となるからです。

 自分のことをもっと大切にしてください。
 他人の人生を生きてはなりません。