音楽指導をしていると、小学生くらいの子供たちを教えることがあります。
小学生くらいの子供は、言語能力としてはまだ未熟であり成長過程ですし、知らないこともたくさんありますし、いつも触れ合っている大人とは違う存在にも慣れていません。
「だからアウトプットはまだちょっと無理だよね」で済ませるのではなく、むしろその逆で、トレーニングをすれば伸びていくということです。
当たり前のことですが、私たち大人はもう普通に話したり聞いたり書いたりできている状態にあるので、あらためて考えてみれば分かることでも、いざその状況になると意外と見えなくなってしまうこともあるのです。
子供にアウトプットを楽しみながらやってもらうには、好きなものについて語ってもらうのが話が早いです。
また、それをこちらが聴く時には、語ってもらったことを、例えば次のように肯定していくことが重要です。
・どんな練習を一生懸命やって成果が出たのか、ちゃんと伝わったよ。
・良く知ってるね。どうしてそんなに詳しいの?
・早かったね。どうやって調べたの?
・説明が上手でためになったよ。
・すごいね、全然知らなかったよ。
ただ一言で肯定するのもいいですが、きちんとやり取りができていることと、それに加えて感想を聞いたり質問を投げかけてあげることでさらにアウトプットも引き出せますので、それもまた肯定します(もちろん時と場合と内容にもよりますが)。
そうすると、説明したり教えることが楽しいことだと刷り込まれていきます。
順序としては、次のような感じです。
①好きなことをアウトプットしてもらう
②アウトプットの楽しさを感じてもらう
③アウトプットしたことを褒めて認めてあげる
その他に、感想を聴く、質問をするなど。
子供というものは意外と大人が思っているよりも、実は物事を感じ取ったり思ったりしているものです。
ただ大人が聞かないから黙っているだけだし、認めないから自信を持つきっきけを作れないだけなのかもしれません。
技術を教えて、それができたのかできていないのかはパッと見て想定できるとして、やってきたか、どのくらいやったのか、どのあたりで躓いて困ったのか、どんなことが気になっているのかというのは、コミュニケーションを取らないことにはなかなか分からないものです。
子供にとっては書くことは話すことよりも高度な能力なので、まずは「遠慮なく話しかけたり質問してもよい」という環境や雰囲気を作りながら、話すアウトプットからトレーニングしていくと良いでしょう。