自分に自信をつけるためにできること


 よく「自信は後からついてくる」とか、「みんな最初は自信なんてないよ」とは言われますが、誰だって無駄なことはしたくないし、遠回りしたくもないものです。
 また、がむしゃらにやって何とかなるものなのか不安が付きまとうのも気が重くなることでしょう。
 自信の付きやすさは取り組むものにもよりますが、そもそも「自分に自信が持てない」とか、「短所やコンプレックスが気になる」というような気持ちが強い時は、次のようなことを振り返ってみるとよいでしょう。

 

①方向性を今よりもはっきりさせる
 どんな自分になりたいかを言葉にしてみるとよいです。
 「何となくこんな感じ」であっても、書いておくことで後々確認して再認識できるし、この先自分がもっと学習して成長していくにつれ、イメージにより見合った言葉も見つかることもあります。

 何をやるにしても、ただ漠然としたまま突き進むのと、方向性や目的や指針となるものがあるのとないのとでは、手の付け方も進み方も変わってきます。
 また、小さなことでも自分で段取りを組んでその通りにうまくいけば自信につながることも多いです。

 例えば、この先どんな自分になりたいか、人生でやりたいこと、大切にしたい価値観、この一カ月でやるべきこと、といったものから書き出してみれば、少し先のことを思い描くことができるようになってきます。
 それらをできそうなことから一つずつやっていくことで、今までよりも一歩成長した自分を振り返ることができるようになりますから、「最初の頃よりも理想に近づけている」という自信を持つことに繋がっていくことでしょう。

 

②長所を伸ばす
 短所やコンプレックスを克服しようすることも大事かもしれませんが、それよりも長所を伸ばすことに時間をかけた方が良いです。
 短所は克服できても、平均的にできるようになったとか、ギリギリ及第点ということ程度のこともあります。
 得意や強みになって自信につながるためのスタートラインにようやく立てた状態ということでもありますので、「短所でさえなくなればいい」という考えならば克服できたことが自信につながるでしょうが、そこからもうひと頑張りすることを考えると、自信がつくまでの道のりは少し遠そうです。

 一方、自分の良い面や得意なことに気づけた方が改めて自分を知ることができますし、自分のことを大切に扱うことにもつながりますから、ひいては自信も付きやすくなります。
 良い面がある、長所がある、得意なことがある、と言うだけでも、何にもできない状態よりは遥かにマシです。

 さらに、長所や良い面を伸ばすことで自信がついてくれば、心も明るくなって前向きで活動的になり、自分の長所や自分のことについてより正しく認識できるようになりますし、人生も少しずつ楽しくなっていくことでしょう。
 また、日常でも仕事でも、長所があるから頼られたり重宝されるというだけでも、社会的なつながりを築きやすくなりますから、それがすぐに自信に繋がらなくても精神的な負荷は少なくなります。

 

③形から変えてみる
 何か目指しているものがあるなら、「そうなるための行動」に変えてしまうとよいです。
 例えば、単純に自信が欲しいと思っているだけでも、「元気よく挨拶する」、「背筋を伸ばして姿勢を良くする」、「今までよりも少し機敏に動く」などでも変化を作ることができます。
 上記のように、実際は性格が少し暗くても、元気な挨拶をしていれば周囲からは明るい人に見られるし、少し声の音量を上げるだけでも自信がある人のように見られるものです。

 また、技術職や習い事などであれば、その分野で決まっている型を覚えるとよいです。
 「何とかしてこれをできるようになりたい」ということが「自分を変えたい」という意味の場合なら、「今の時点では未熟な技術を向上させたい」と置き換えることもできるからです。
 そうすれば、できるために必要な事柄を確認したり、上司や先輩や先生に教えてもらうなどして、その後は地道に伸ばしていけばよいだけのことです。

 「そもそもやり方を知らない」という程度の段階であれば、「型を覚えて使う」とか「そういうものとしてさっさとやる」として割り切って、体が覚えて反射的にその動きになったり、一瞬で反応できるくらいのレベルになることを優先させた方がよいでしょう。
 何しろ、身に付けば自信につながるわけですから、さらに磨き上げて研ぎ澄ませていけば高い技術と揺るぎのない自信が組み合わさって、もう一段階進めるわけです。

 

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 その他に、色々考えて塞ぎ込んでしまい本来の力が発揮できなくなっているとか、誰かの何気ない一言によってできてたことができなくなってしまっている、ということが真の原因ということもあるかもしれません。

 その時は、一旦ありのままの自分の状態を受け入れて、その自分を尊重したり好意的に見たりして肯定していくという「自己肯定感」を高めていくことを優先させた方がよいでしょう。
 多少の時間はかかるかもしれませんが、頭の中で自信がないことを堂々巡りをさせることだけは避けたいものです。

 ここで言う「自信をつける」とは、ある意味「自分を変える」ということにもなりますが、それは、その人の本当の心の中の奥底とか、人格、性格、精神や哲学で言う自我、といったものを別人のようにすり替えるという意味ではありません。
 日常生活レベルにおいて今までと少しアプローチの仕方変えることで、或いは、知っているけれど一時的に忘れてしまっていたことを思い出すことで、負荷やストレスを少なくしたり悩みを解消させて、本来の堂々とした自分でいられるようにしようというものです。