1. 軸を作る
「働く」ことについてどう考えるかは人それぞれあるかと思いますが、大体は、自己実現、自己成長、楽しい、といった考えになるのかと思います。
まあ、人の考えですから様々あると思いますが、仕事や働くことに対してその人なりの価値を見出すためには、2つの軸を作っておくことが有効かと思います。
①ライスワーク
・生活のために必要なこと
・食べるためにする仕事
②ライフワーク
・自分のやりたいこと
・本当にやりたい仕事
色々な経緯も経験も経ながら様々なことを実現していく中で、自分の成長を感じたり、今まで気付かなかった楽しさにも結びついていくことでしょう。
こうした「軸」を考えながら続けていくことで無計画でいることも避けやすくなり、また、ライスワークだけでなくライフワークも実現していくことができるようになっていきます。
自分が好きでやりたいことがあるなら、「ただの社会の歯車」で終わるとか「ただの夢追い人」で終わるとかいう二択思考にならないよう、詳細な計画や収入の見込みが無事に立つよう、とにかく手を止めずに学びながら続けることです。
もし運よく、アルバイトや日雇いやクラウドワークなど、何らかのかたちで実務として経験できる仕事が既に存在しているなら、本業が休日の時だけでも、月一回二回だけでも、少し体験するだけでもいいから、実務を経験してみるとよいでしょう。
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筆者の場合は、本業以外で楽譜を描いていた時代を挙げられそうです。
自分のやりたいことではあったのですが、周囲で誰もやっていませんでした。
また、吹奏楽のうち特にマーチングバンドに関しては筆者が学生の当時にはまったく有名ではなく、インターネットも世の中に出始めた頃ですし、学問としても欠片ほども確立していなかったようですし、専門的な本もお店もほとんどありませんでしたし、あまり情報が整っていなかったのです。
興味自体はありましたから、自分で勝手に色々探して音源を聞いたり、演奏会やイベント出演などがあれば多少遠くても何時間もかけて実際に見に行ったり、楽譜を買ったり借りたりしながら勉強し、少しずつ譜面を書き溜めていったのです。
また、自分と似たような環境にいる人との繋がりは、いつも大切にするようにしました。
だから、いざ「お試しの依頼」が来た時には、すぐに対応することができたのです。
まあ、お金になるまでには多少時間がかかりましたり、情報に溢れた現代社会ではこんな話は役に立たないかもしれないですね。
とりあえず、やりたいことがあるのでしたら小さく始めてみたり、どんなにささやかでも決して手を止めることなく継続しておくのがよいのではないでしょうか。
2. 自分の適職について考える
①今の仕事をやりながら考える
②機会ができたら迷わずに、小さく(試しに)やってみる
③その仕事をしている人の話を聞いてみる(目指したい職業がある場合)
自分の適職について考える時は、「仕事か、娯楽か」で言うと、仕事であり娯楽、娯楽であり仕事という感覚がで始めていくとよいでしょう。
例えば、個人で楽しむならば読書は娯楽ですが、本を管理したり売ったり人に紹介したりすると仕事になります。
こういうことを自分で考えたりアウトプットする力をつけていくと一方向からの見方も減る上、複数の方向からの関係性が繋がったり、新しく見えてくるものこともあります。
また、情報発信をすることで自分の考えがまとまったり、さらに深掘りできたり、純粋に楽しむ時間も増えていきます。
何にせよ、いきなり壮大な計画を立てようとせずに、今できる範囲で小さく始めていくことが大切です。
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1. の続きでもありますが、筆者も自分と似たような活動を仕事にしている人に会いに行ったことがありました。
現代社会、特に若者の世代でどうなのかはよく分かりませんが、一昔前の世の中では「楽譜を書ける力」というものは、一般企業で働くような仕事や職業と認知されていませんでしたから、それを生業としている人に合う機会は、かなりレアな経験だったと思います。
だって、自分と同じレベル程度の知り合い達は、その人やその周りの人や、本場のアメリカでやっていたことの見様見真似をするばかりだったのですから。
特に打楽器は、音楽として、出し物として、入門者や熟練度のそこそこ高い団体などのグレードに合わせて書き分けることをしていたのか、甚だ怪しいものでした。
どうやら「こういう決まりを元に演奏してね」というものがあったようなのですが、筆者の情報収集力では当時出回っていた情報の中からはそれに辿り着けず、周りに聞いてみても、何だかよく分からないけど何となくそれっぽい雰囲気を作ってやっている様子でした。
そこで、本場で学んでみようと思ったのです。
3. 現在の仕事を辞めずに、どうすればもっと稼ぐことができるかを考える
①今の仕事をこれまで以上に真剣に取り組み、かつ勉強量を増やす。
②内向きの視点を取り去り、顧客の方を向いて仕事をする。
目の前の顧客1人ひとりが何を求めているか、対話の時間を増やしつつ真剣に考える。
③顧客の求めているものが分かったら、その解決策を真剣に探す。
④同じような顧客がもっと増えないかを考え、行動する。
今の仕事の延長線上にやりたいことがあるのなら、今の仕事でもっと世の中に通用するように、或いは今の会社がなくなってしまっても同じ業界や似たような仕事で生き残れるように、やれることを積み上げていくことが大切です。
今の仕事とは関係なく新しいことを始めたいなら、今の仕事の本質的な部分を見出したり、仕事やお金や商品の流れや、市場や流通といったことを今の仕事に結び付け、積み上げていくことです。
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2. の続きですが、本場で学ぶために余裕を持ってお金を貯めることができたので、仕事は一旦辞めるつもりだったのですが、運よく辞めずに済みました。
事務系や資料作成系やプログラム系の仕事なら、渡米していてもできるように自分で土台を作ったからです。
若い皆さんの多くは、コロナ渦の中でオンラインコミュニケーションを身に付けていったかと思いますが、筆者の頃はまだ、Dropboxみたいなクラウドストレージとか、Zoomみたいなオンラインミーティング用のアプリケーションとか、そういうのが流行る前でした。
ですから、会社にいなくても仕事ができる機能のあるアプリケーションを自分で探して、見つけて、使いこなせるようになったり、会社の年上や年配者でも筆者とインターネット上でやり取りできるように、イチから教えて使えるようになってもらったり…。
それなりに大変でしたけど、楽しかったですね。
テレワークの理解されない時代に、テレワーク環境を自力で用意して渡米して、会社は辞めずに済んだというのは、かなりのことをしたのではないかと今でも思います。
「執念」と言えばそうなのでしょうが、自分で使える道具を増やして、自分で何とかして生きていかれるようにしようとしていくことは、それが機械や通信の上での話であっても大切ですよね。
男性の筆者としては、家を作り、狩猟し、家族のために食べ物を獲ってくるような肉体派の生き方の方がイメージの対象でも憧れの対象でもあるのですが、まあ、機械と通信であってもそこそこ近いことはできたのかなと思っています。
おかげで、ここ数年で本当にテレワークの時代がやって来た時には、当時は小さな会社でしたが(と筆者が言っては失礼ですが)、皆さん特に抵抗もなくスムーズに移行できたので、「色々やっておくものだなあ」と感じました。
本題の内容に絡めて言えば、①の「今の仕事をこれまで以上に真剣に取り組み、かつ勉強量を増やす。」が出来なければ、そもそも自分一人になった時にまったく戦えないことになりますので、大変申し上げにくいのですが、最低限とか最初の一歩とかいうのを「自力で何とかしてみよう」とできない人は、どこに行ってもダメかと思います。
もちろん、最初からプロに教わって一気に伸びようとするのはアリだと思います。
既に自分の理想のかたちで成功している人達がいて、尚且つあなたに手取り足取り全部教えてくれるプロのコーチや職業として存在していればの話ですが。
4. 仕事を変えても成果を出すには
①転職、異動、配置換え等であっても、その仕事で成果を出すには
(1) 今の仕事である程度の成果を出せるようにしておくこと
(2) ある一定以上の慣れ、スキル、知識をつけること
(3) 人間関係、経験、発見を重ねること
(4) 夢や目標を変更した時に、前にやっていたことを活かすこと
その業界というものには特定の知識しかありませんから(ただし、それなりにたくさんあるし深いですが)、今まで蓄積してきたことをうまく利用できると新しいアイデアを生みだせるようになれます。
また、これらができていると、仕事を転々とすればするほど将来成功する可能性をかき集めることができるでしょう。
ただし、やっておかないまま仕事を転々としてしまうと、同じような業界を転々とするほど地位だけが(当然収入も)落ちていってしまうことになります。
②もし自分のやりたいことを誰かが先にやっていたら
(1) アウトプットの仕方や内容を変えること
(2) 誰も手を出さない業界や新しいプラットフォームを使うこと。
競合とか慣例とか、余計なしがらみがないところで前の業界の知識をまとめつつ自分の中に蓄積していくことができれば、自分にしかできないものが勝手に見つかる可能性が上がるでしょう。
だから目の前のことにきちんと向き合ったり、想像力をもって集中して取り組んでいくことが大事なのです。
ちょっと古臭い言い方かもしれませんが、そうやってできていくのが企業であり、業界であり、新商品であり、人の未来や夢となるのです。
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3. の続きですが、「②もし自分のやりたいことを誰かが先にやっていたら」は、筆者の譜面作成にも影響を与えました。
特にその中の「(1) アウトプットの仕方や内容を変えること」は必須です。
文章には「書き方、伝え方」というものがあるように、楽譜にも記譜法や構成や形式、その他そのジャンルの慣例となっている書き方がありますので、その点は王道のやり方や時代の主流になっているやり方に合わせた方が良いです。
よく、若くて鼻っ柱だけは強くて一流と思っている子が、「自分流」を貫こうと躍起になっているのを見かけますが、まあそう長くないうちに消えます。
残念ですが、二度と見かけることがなくなるほどに、間違いなく消えます。
普通に考えて、みんながきちんと礼装でいる場に、例えばジャージで、しかも手ぶらで行って、そこでのマナーに則った挨拶も振る舞いもできない人が、生き残れるはずがありません。
筆者が偉そうにポジショントークをしているかのように感じたら恐縮ですが、そんな気は少しもありません。
ただ、一般の会社に勤めていた頃もそうでしたが、土台となる情報とか、説明書とか、書き方とか、進め方とか、通例とか、正攻法とか、基本の「き」とか、オーソドックス(正統派)と言われていることがいかに大事なことか、冷静になれば誰にでも分かると思います。
筆者も先を行く人に追いつこうとするので手一杯ではありますが、こういうことは良く学んで身に付けておいた方がよいですからね。
まったく知らずに無防備なのと、知っている、分かっている、できる、いつもしている、のとでは、明らかにその後が変わってくるものです。
例えばマナーで言えば、お家や身近なところでの行儀なのか、親しい友達と分かり合えていれば大丈夫な礼儀なのか、社会に出た時に必要なマナーなのか、絶対に失敗が許されないプロトコールなのか、それぞれ違いがあります。
「そこで生きるためのしきたり」と言ったら堅苦しかもしれませんが、そういうものが実際にあるのですから、大失敗してしまってもうその場所に戻れなくなってからでは遅いのです。