自分は確認過剰かもと思う癖や傾向にはどう対処したらよいか

 
 あることをすると、「やり忘れがないか」とか、「それでよかったのか」ということが気になったりして、何度か確認することは誰にでもあることなのではないかと思う。
 もし、心配になって何度も同じ確認をして余計に時間を使ってしまうという場合、自分でルールを決めるか、チェックリストを使うとよいだろう。
 
 例えば、外出する時に家の玄関の鍵を閉めた後などに、「さっき本当に鍵をかけたか。実は確認した際に鍵を開けてしまったのではないか。」と不安になって確認に戻る。
 そして鍵がかかっているのを確認して、何度もガチャガチャやって安心する。
 
 こうしたことは、1、2回くらい心配して戻って確認するということは、まあ、あるだろう。
 特に泊まりで旅行に出かける時などであれば、玄関の鍵だけでなく、窓の鍵やガスの元栓や水回りの確認なども気になるだろう。
 ただ、その確認があまりに酷い回数だと、強迫性障害のうち「確認脅迫」と言われる状態になっていることも考えられるそうだ。
 
 
 
 このような状況をまず自分の力で何とかしてみるならば、一つ目の対処としては、「自分なりのルールを作る」ということである。
 もし、上記のような鍵の確認行為に対して自分でルールを作るとするならば、「2回までは確認する」などが良いだろう。
 
 「2回確認したから大丈夫だ」という水準で、自分の取った行動をしっかり確認できるかどうか、安心できるかどうかをまず知ることである。
 それで物事を漏れも抜けもなく終え、且つ安心できるのであればそれで終わりであり、当たり前の普通のこととなっていくだろう。
 
 2つ目は、「チェックリストを使う」のが良いだろう。
 「外出時のチェックリスト」などとして以下のように作ってみて、運用してみると良いだろう。
 
 2階
  ・窓の鍵、
  ・電気の消灯
  ・トイレの水(流れっぱなしになっていないか)
 
 1階
  ・窓の鍵
  ・電気の消灯
  ・ガスの元栓
  ・台所、風呂、トイレの水
  ・電源タップのスイッチオフ
 
 ちなみに、スマホのアプリなどを使ってこうしたリストを作って使ってみると、かなり楽になる。
 いちいち紙に書き出す必要もないし、パソコンから紙に印刷してチェックを記入する必要もない。
 さらに、スマホ自体を忘れて出かけることを防止することにもつながる。
 
 
 
 何しても、「何でこんなにいちいち細かいことが気になっちゃうんだろう」と自分にプレッシャーをかけ続けるのではなく、自分なりにルールを決め、そのルールの中で安心できるように仕組み化してみたり、忘れることを防止したり、漏れや抜けをなくして正確性を高めていくという練習につなげた方がよいのは明らかであろう。
 また、この「練習」というところに気持ちや考えを持っていかれるかどうかも大切である。
 何かやり忘れる度に一回一回自分に対してガッカリしたり、自分で自分を追い詰めていくのは良くないことだからだ。
 
 ただ、何度も何度も確認してしまうことがどうしても止められず、「もしかしたら強迫性障害なのかも」と疑っているのであれば、このブログの様な場所ではなくもっと専門的なサイトや発信されている媒体を調べてみるのが良いだろう。
 ちなみに、「本人が著しい苦痛を感じているかどうか」と「社会生活に支障をきたしているかどうか」が判断基準としてあるのだそうだ。
 
 ここで言うのは強迫性障害とか確認脅迫なんて今日まで考えたこともなかったような人が、色々確認行為をしてしまうことから必要以上に時間を取られているという状況を、「こんな方法で何とかしてみたら?」という程度のものである。
 だから、確認の回数も1回や2回程度の通常よくあるようなことを想定しており、「10回も20回も確認行為をしてしまって結局外出することそのものが困難になる」などという状況には対応できない。
 もし心配なのであれば、早めに医師などの専門家などに相談してみるのが良いのかもしれないということは念のため述べておきたい。
 
 
 
 ちなみに筆者も昔、「もしかしたら強迫性障害かも」と思ったことはあったが、先に色々調べたり本を読んでみたりして、その中にあったチェックリストについて自分に合うものを作って使ってみた結果、かなり気持ちも作業も楽になったし性に合ったと感じた。
 しかも、リストをブラッシュアップすれば正確性が高まるし、項目の順番を変えれば準備にかかる時間も短縮できるので、何か作業をしたり仕事をしたりする他、外出すること自体も純粋に楽しくなり、やがて「もしかしたら強迫性障害かも」という思いはなくなっていった。
 今になっても、何かの打ち合わせの時や音楽指導に行く際の持ち物リストとか、年に何回かする大掛かりな片付けや掃除をやり残さないためのチェックリストなど、特に精神的に何ともなくても普段使いとして自分で作って使っている。
 
 筆者自身は脅迫性障害と診断されたことはないが、強迫性障害の方は完璧主義の傾向が高いことが多いのだそうだ。
 勝手な想像でものを言って恐縮だが、良い意味で言えば物事を完璧にこなせるのだろうから、やはり自分なりのルールを作ったり、チェックリストなどのツールを活用してみたりすることで、その人の持つエネルギーの割り振り方によっては様々な場面での成果を今よりも上げることができるのではないかと思えるし、対処次第で何なら普通の人よりも強みになるのではと考える。
 一方で、筆者は筆者で現状をポジティブに捉え、「何か一箇所間違えたとか、上手くいかなかったステップなどを見つけることに繋がった」と受け止めて割り切って、次にやるときから改善させていこうとしている(もちろん空き巣や放火などの被害は怖いので戸締まりや火の元は2、3回しっかり確認するが)。
 
 一先ずは、「確認行為が少し多いかも」と思ったくらいで必要以上に自分を責めてしまうことはしなくてもよいだろう。
 実際、自分で考えている範囲において一見すべて欠点のように見えていることも、見方を変えればその人の特性だったりするものだ。
 だから、あまり心配しすぎず、ある程度のことは割り切って考えたり自分なりの仕組みを作って改善させたり向上させたりしながら、前向きに進んでいった方がよいだろう。
 
 もし今まで少し自分自身のことを心配していたという方がいたとしたら、筆者の(ちょっと神経質気味かもしれない)日常的な行動や考えから「あぁ、よかった。自分の方がまだマシだった。これから気楽に行こう。」と思って楽な気持ちになっていただけたら幸いである。