コミュニケーションが上手になるには

 
コミュニケーション能力が高いとは、相手をいい気分にさせるのがうまいことである。
 
1. コミュニケーション上手な人がやっていること
①相手の名前を呼ぶ(ネームコーリング)
人の脳は、他人から名前を呼ばれること自体が快感である。
なぜなら、自分の存在が認められ、受け入れられていることにつながるからである。
初対面の人でも相手を認め、受け入れ、親しみを込めて、「〇〇さん」と声をかけてあげるとよい。
 
②質問で相手の話を盛り上げる(フォローアップクエスチョン)
人の脳は、自分の事を話すこと自体が快感である。
自分から自分の話ばかりを切り出し続けるよりも、
相手に興味を持ったり、共通点を探すところから始めてみるとよい。
「話し上手は聞き上手」の「聞く」とは、質問の事である。
 
③相手の真似をする(ペーシング)
相手の真似をすると、相手はだんだんリラックスし、穏やかになる。
たとえば、食事のペースがゆっくりな人を相手にさっさと食べ終えて、
「早くしろ」という雰囲気を出されたら、誰でも居心地が悪くなるのと同じである。
 
コミュニケーションも相手のペースに合わせてあげるようにしていくと、
相手の話の組み立て方や、着眼点、ユーモアのセンスなど、
意外なところで自分の参考になることが多いものである。
 
④オウム返し(バックトラッキング)
人は、自分に関心を寄せる人物に関心を寄せる。
そして、その人にとって重要なことほど繰り返して伝えるものである。
相槌などに付け加えて、要点をまとめて返してあげると(一回一回ではなく)、
「あなたの話をちゃんと聞いていますよ」ということが伝わりやすい。
 
➄笑顔と頷き(スマイル・ノッド・カップリング)
笑顔も頷きも同時に行うとよい。
前項のオウム返しと合わせると、相手も乗ってきて、話にも花が咲くだろう。
 
ただし、話に花が咲きすぎると、相手にその気がなくても主導権を持っていかれることもある。
こちらが伝えなければならないことがあったり、進行役を務めているなどの場合がもしあれば、
押さえるべきところは注意して押さえないと、単なる聞き疲れとして終わってしまうし、
話を着地点に持っていかれないという無駄な時間を過ごすことにもなり兼ねない。
 
 
2. 効果的な非言語コミュニケーション
①心に思う
ポジティブな思いを相手に伝えようと意識すること。
「分かりやすく伝えたい」、「仲良くなりたい」など。
 
②アイコンタクト(目を合わせる)
重要な時にできるようにすること。常時ではない。
広い会場などで大勢の人に話すようなときは、
Z字型に見渡して一人一人と目を合わせるつもりで話すとよい。
 
③オープン(ウェルカム)な態度
人と接する時にオープンな雰囲気を醸し出そうと思っているかどうかで、
相手の話しやすさが決まってくる。
例えば、次のように一声かけてあげるのもよい。
 
 ・「質問があれば言ってください」
 ・「意見など、言っておきたいことがあれば言ってください」
 
 
「心持ち」は相手に伝わるものである。
だから、非言語を上手に使うと人間関係を良くすることにつなげることができる。
 
そして、ポジティブであれネガティブであれ、
感情を持って相手に接したことはすべて自分に返ってくる。
悪口などは特に良くない。
 
 
3. 初対面の人とコミュニケーションをうまくとる方法
①好き嫌いを判定しない
②ニュートラルでいる
③事前準備をする
 
・①②について
人の脳の扁桃体は、0.05秒位で好き嫌いを判定してしまう。
ザイオンス効果の検証でも、「初対面で相手を嫌いと判定していない」ということが前提となっている。
 
相手を観察することを頭に入れ、先入観を持たないでいることがよい。
「相手に嫌われたらどうしよう」などの警戒は、伝わりやすいものであるし、
その逆に、好かれる可能性もある。
 
・③について
人は、相手の予備情報を知っていると安心できるためである。
それができない場合は、初対面の場で相手に質問したり、
自分のことを話したりしながら、相手についての情報を集めていくとよい。
 
相手のことを知り、自分の事も理解してもらい、安心させながら少しずつ警戒を解いていくと、
自分にとっても安心できる材料が増えていくので、コミュニケーションも上手にとりやすくなる。