●原因
1. 睡眠不足
2. 行動が定まっていない
3. 感情を調整できていない
最も大きな括りとしての原因としては、自制する力が低下または不足していることである。
また、自制については、ここでは文脈によってセルフコントロールや調整などと言い換えている。
●対策
1. 睡眠不足
睡眠の「時間」だけでなく「質」による影響も受けやすい。
先延ばしはセルフコントロール力の低下が大きな原因となるため、
睡眠不足の影響で、今まで習慣だったものまで急になくなってしまうこともある。
対策としては例えば、
・7時間以上睡眠時間をとる
・起床と就寝の時間を規則正しくする
・眠る前は入浴などリラックスできる状態を作る
・眠る前に強い光を浴びない
など、睡眠の時間と質には様々な研究成果や対策が出ているので、
個人の現状に合わせて、できそうなものから取り組んでみるとよい。
2. 行動が定まっていない
①行動を視覚化する
(1)自分が先延ばしをしているか、どういうタイミングでしているかに気付く。
先延ばししても結果が良くならないならしない方が良いが、
今やらなければならないことが起きて、それが5分以内に終わるのなら、
やらなければならないことを先にやってしまった方が良い。
(2)先延ばしすることで出る損害をあらかじめリストアップしておく。
同時に、今すぐ行ったらどんなに良いことがあるかを考える。
今やる理由がないと、人はやらない。
(3)作業できるだけ細かいステップに分ける。
人は、これからやらなければならないものは過大に見積もる。
だから、とりあえず手をつけるということができない。
細かい作業に分けるほど、1ステップごとにマイナスを感じにくくなる。
毎日やることはチェックリストなどにしておくと良い。
②必ずする行動や習慣に対して付加する
「IF~THENプランニング」と呼ばれることもある。
・もしAがおきたらBをする。
例えばトイレに行きたくなったら、トイレのドアを開ける前にスクワットを5回する。
これらは習慣を身につけやすい方法であるとも言われている。
人は何かをやろうとすると、実際の何倍も負担を感じるようにできているので、
実際の行動をリストにすることで、全体や流れが分かるようになり、
取り掛かりをよくすることができるため、心理的な負担を減らすことができる。
3. 感情を調整できていない
感情のコントロールには次のような対応が良いとされる。
・感情を高める、感じなくさせる
・瞑想
・運動習慣
・習慣化させる
習慣化させることについては②でも述べたが、当たり前の行動になることで、
行動する前に気持ちをつくったり、些細なことなのに詳細な計画を立てたりということを、
いちいちその都度しなくて済むようになるからである。
①先延ばしをしてしまった自分も一旦受け入れる
先延ばしをしてしまった時に自分責めるほど、同じことが起きた時に同じミスをしやすくなる。
なぜならば、自分を必要以上に責めることで、次のような行動をとりやすくなるからである。
・そこから逃げやすくなる
・罰を受けたからもう良いと考えるようになる
・失敗から学ばなくなる
・その他の防衛、回避、逃避の行動
また、先延ばし癖のある人ほど完璧主義の傾向がある。
その場合は次のような考え方が改善の道標となる。
・自分をどれほど許せるか
・自分の責任範囲を理解できているか
・自分のコントロール外のことまで気にし過ぎていないか
先延ばしすることがある自分を認めた上で、次にどうするかを考えること。
そこに劣等感を感じたり、反省を繰り返したりして、自分自身を締め上げ続けることではない。
②セルフコンパッション(自分への思いやり)
先延ばしをしてしまった時の後悔やストレスを自分に直接向けるのではなく、
自分の友人が同じ状況だったらどのような優しい声をかけるかを紙に書き出す。
※自分に向けて行うと、単なる甘やかしになる可能性があるので注意すること。
・ポイント
○傾向を責める(一旦受け入れた上で少しずつ改善する)
×後悔、反省をする(過去にとらわれる)
③運動習慣
運動すると意思力がついてくると言われる。
週1~2回ジムに行くことの研究結果で、8回程度で結果が出ており。
決まった日、定期的にであれば、脳ではその運動内容は判断しないとされた。
運動には以下を例に、様々な効果が挙げられている。
・誘惑に抗えるようになる
・忍耐力がつく
・先延ばしをしなくなる
・感情のコントロールが上手になる
・アルコールなど依存物質の摂取量が減る
・貯金が増える
・衝動買いが減る
・ジャンクフードが減る
・野菜の摂取量が増える
・テレビを見る時間が減る
・勉強する時間が増える
・遅刻が減る