何とか自分を変えたい、成長したいと思う時には

 
 今までやったことのない新しい事や、目的に向けてできる新しいことを、できるだけ小さな行動に分解し、順序だてて地道に積み上げていくことが大切である。
 人が自分から「変わりたい」と思って何かに取り組み、実際に変わるまでの時間は、5年から10年ぐらいは見て気長に取り組むとよいだろう。
 
 もし何かの技術を身につける程度ならば、実際3ヶ月や半年程度でなんとかなることもあるが、「自分の性格や人格を変えたい」という意味なのであれば、余程のことでもない限り短期間では難しいだろう。
 無理に変えようとするのではなく、地道にコツコツと5年から10年ぐらい積み上げていけば、少しずつ自分の思うような人間に近づいていくことができるだろう。
 
 心理学では「脱感作療法」といって、例えば苦手なものを克服するために「少しずつ慣らしていく」という方法がある。
 自分の苦手なことをやるので割と辛いこともあり、どうしても変えたいという時に選べる選択肢の一つ、くらいに思って痛いだろうが、実際のところ、精神的な事は努力して少しずつ積み上げていって、初めてつくものである。
 
 だから、中には苦手なことに直面すると、甘えて何もしなかったり、いきなり高すぎる目標を立てて無理をする人が多のかも知れないが、もっと細かい行動単位に分けて行ってひとつずつ地道に取り組んで行く他にない。
 ギリギリを攻めて、多少なりとも辛いとか苦しいということを経験しないと、人はなかなか成長しないものなのだ。
 それは裏を返せば、少しくらい辛い・苦しいということを感じていれば、それは成長しているという証と言うことでもあるのだ。
 
 過剰な負荷をかけるのは望ましくないが、今辛い苦しいと思っていることを少しずつ乗り越えていくと、それを乗り越えた結果、大きな成長が待っている。
 こういった成長は、自分で乗り越えないければ実感できるものではないし、実際ほとんどの人は、諦めたり、逃げたり、断ってしまうことも多いのではないかと思う。
 だから、ちょっと難しいことに挑戦するという気持ちで取り掛かってみればよいのだ。
 
 例えば仕事で3ヶ月かかるプロジェクトに参加しているとして、「今はダメでも3ヶ月後に成長して出来るようになっていよう」と考え、向き合えることを一つずつ一生懸命やっていけばよいのである。
 「仕事ではやるのはちょっと」と思うなら、趣味や遊びで今までやったことのない新しいことをやってみるとか、目標を立ててクリアしてみる、というところから始めればよいだろう。
 それらを続けるほどに挑戦力や精神力が養われ、結果として様々なことに恐れず取り組んで行くための力をつけることに繋がるのである。