「今」に使う時間の割合をもう少し増やし、あまり先すぎる未来のことは考えないようにするとよいです。
大切なことは、今日を生きる上で心も身体も健康であり、今日やるべきこともやれて、一日楽しく過ごせるということであって、今からほとんど毎日一年先、五年先、十年先のことを考えて不安になることではありません。
確かに未来のビジョンを描くということは大切ですが、それはノートにでも書き留めておいて見返すことができるようにしておき、頭の中で物事に焦点を当てる時には、「今」にもっとその多くを割り当てることです。
もしも現在調子が悪かったりうまくいっていないのであれば、早いうちにその状態を変えていかないと、そこから想像できる未来も明るくないものになるでしょう。
例えば一か月後の話で、今日から一か月間調子が悪くて、一か月経ったら突然状態が切り替わって、そこからは力がみなぎって最高のパフォーマンスを発揮できる幸せな人生になる、とは限らないからです。
人は先のことを考えると不安になるものです。
忘れてはならないことは、「大抵の不安は自分の頭の中で作っている」ということです。
だから、「あらゆることに対して将来を見据えて行動する」などということはせずに(三つ四つぐらいは目的・目標や方向性があってもよいのでしょうが)、もっと今にフォーカスすることに割合を割くことです。
今から一年後の試験や本番のことを考えて今から不安になるよりも、今日やるべきことができたとか、良かったこと悪かったことを振り返って次に備えたとか、ご飯が美味しかったとか、友達と楽しい話ができたとか、昨日できなかったことが今日少しできるようになっていて嬉しかった、ということに焦点が当たるようにすると、実は意外と良い一日を送れていたと思えるのではないでしょうか。
確かに、五年後、十年後が上手くいっていれば嬉しいですが、それならば尚更、今日一日をより楽しく、作業などもより楽に、心もより気楽になるようにして、その結果、嬉しいことや楽しいことや良かったことで溢れた一日になるように、逆算して今日できることをやれる範囲でやっていくことが大切です。
先々に起こることについて、準備に準備を重ねて将来を選択することもありますが、その一方で、ある時に突然選択せざるを得ない状況が訪れてしまうという現実もあります。
いざその時になってみると、意外とすんなりこなしてしまったりすることもあるので、実は何年も先のことを考えていたのは取り越し苦労だった、ということもあります。
であればやはり、あまり先すぎる将来のことばかりを考えるよりも、今できることを考えてそこに焦点を当て、やれることをやっていくことの方が大切となってくるでしょう。