頑張り過ぎをこじらせる前にできること

 
①「自分が今どんな状態なのか」を振り返ってみる
 自己分析ができているということは、自分でブレーキもかけられるはずである。
 自分が今どのような状況にあるのかを文章としてまとめたり、他人に話したりするということは、かなり難しい行為と言うことができる。
 また、今の状態を文章にするだけで頭の中を整理する練習にもなるので、それだけですっきりする効果もある。
 
 自分の状況を文章で表すことができるのならば、自分自身のことをかなり正しく観察できていると思われる。
 そこから、現状を改善したり、多少手を抜いてペースを緩めたりするという、頑張りすぎない状況を作ることもやりやすいだろう。
 現在の様子を見つめ直してみることで、自分で自分のことをギリギリと締め付けるような行動は減っていくのである。
 
 
 
②「自分は今頑張り過ぎている」と言葉にしてみる
 仕事中でも何でも、「一生懸命やりすぎてしまった」と感じた時に独り言として言ってみる。
 これは、誰かに表明したり相談したりするものではなく、自分の状態を客観的な立場で観察する意味で行うということである。
 そうすることでその時点で、そのままやり続けるか、ペースを落としてみるか、ということを考える余裕もでき、頑張り過ぎを防げ具可能性も高まるだろう。
 
 もしそれが大切な仕事で、今のところ体力も精神力も問題なさそうなのであればそのまま頑張り続ければよい。
 しかし、「その時点で対処ができるタイミングがある、または持つことができる」ということが大切なのである。
 
 「気付いたらやりすぎた」とか、「自分の悪い癖が出てしまった」というところに自分で気付いて自分で呟いてみるからこそ、その次の段階としてどうするかということが見えてくるのだ。
 
 
 
③比較できるものを取り入れてみる
 「頑張り過ぎないようにしたい」という一方で、「頑張っているのになかなか周りから評価されない」という悩みや不安も世の中にはある。
 だから、頑張っている自分を感じることができたり、周りからも「頑張っているよね」と言われたり評価されたりすることは、それはそれで良いのではないだろうか。
 
 また、言い方を変えれば「マイペースというものが分からない、または持っていない」のではないだろうか。
 誰だって、調子が良い日があれば悪い日もあるのだ。
 だから、「調子が悪い日でもこのぐらいできる」という経験則から調整するとか、「頭がうまく働かないときにこそチェックリストやToDoリストなどを使う」ことで最低限のことはこなすとか、何かあるだろう。
 
 このように、目で見て分かったり比較できる物差しがないから、頑張っているとかいないとかいうことを、頭の中で悶々と繰り返しているだけなのかもしれない。
 もし自分自身でマイペースというものが分かっていないのであれば、やれる事をやれる範囲で出来るようなものから設定してみるとよいだろう。
 
 
 
④リラックスできる行動に注力して取り入れてみる
 休日にリラックスできることや、平日でも仕事終わりにリラックスしたり楽しみにできることを持っているだろうか。
 誰でも24時間365日頑張り続けることはまず不可能なのだ。
 そして、リラックスしたりリフレッシュするからこそ、翌日や翌週からまた元気よく活動することができるのである。
 
 特に何も持っていないというなら手始めに、5分や10分くらいの時間が空いた時には「目を閉じてぼーっとしてみる」ことをおすすめする。
 もしかしてそのちょっとした時間にも、スマホを操作していたり、スマホのゲームをしていたり、喫煙したりしていないだろうか。
 それは休憩とは言えないのではないだろうか。
 或いは、自分自身の体力や精神力について、過信し過ぎではないだろうか。
 
 休憩も計画のうちである。
 だから、脳や体が疲れる前に休憩がとれるように、ペース配分をしておく必要がある。
 
 アスリートやボディビルダーがトレーニングをする際にもショートブレイクのタイミングを考えているのと同じように。
 仕事のプロジェクトのスケジュールに予備日や調整日や進捗確認会議が設けられているのと同じように。
 
 疲れきってから休憩のことを考えているのでは遅いし、回復にかかる時間にも大きな違いが出るのである。
 
 休み、休憩、リラックスの時間をうまく取り入れるのも仕事のうちなので、休み方やリラックスの仕方などについても、もう少し興味を持って取り組んでみるとよいだろう。
 それができるようになれば、「頑張りすぎないためにはどうしたらよいだろうか」とか、「手を抜かないようにするにはどうしたらよいだろうか」などと考える必要もなくっていくのだ。