「めんどくさい」を回避するためにできること メモ

 
 人は何かにつけ「めんどくさい」と思ってしまう時もあるが、それはその人自身がだらしなかったり実行力がないというわけでもなく、人間としてはごく自然な感情なのだろう。
 科学の視点では、脳が体のエネルギーをできるだけ温存したいためにエネルギーを維持するのが善、消費するのが悪、というようにも捉えられるのだそうだ。
 そこに基づいて考えてみると、脳の機能としてできるだけエネルギーを消費しないように「めんどくさい」という感情を出し続けるのというのもある程度は分かる。
 
 しかし、それにも負けずかそれを知らずか、普通は面倒に感じてしまう物事に対しても、楽しんだり、テキパキ動いたり、努力を積み重ねることが出来る人もいる。
 こうした中で、自分自身を少しでも能動的に積極的にしていくために、或いは、脳のその機能を理解して上手に向き合っていくためにはどのようなことができるだろうか。
 
 
 
①言葉の使い方を変え、脳の認識を変える
 人は、自分の体調が良い時は出くわした困難が小さく見え、その反対に体調が悪い時には大きく見えるという「身体化された認知」があると言われている。
 実際は自分の体調の良し悪しに関わらず同じ事実なのに、脳ではそのように捉えて錯覚が起きてしまうのだそうだ。
 
 であれば、たとえ調子が悪くても、「今は調子がよい」と言葉で言ってみるとよい。
 続けていくうちに、多少はめんどくささも小さくなることだろう。
 普段から前向きな言葉や強気な言葉を使うようにして、弱気な言葉を使わないようにする、ということだ。
 
 「気持ちが先に立つよりも、言葉が先」とはよく言われることである。
 先に、良い言葉、前向きな言葉、強気な言葉を使っていると行動も伴うようになり、現実も後からそれに合わせてついてくるものである。
 
 
 
②条件付け行動をしてみる
 普段している行動をきっかけに、やるべきことをする流れを作ってしまう、ということである。
 これは「IF-THENプランニング」と呼ばれ、「Aをしたらその後にBをする」とか、「Aをする前にBをする」ということだ。
 プログラミングにもIF-THENを用いた構文もあるので、馴染みのある人もいるかもしれない。
 
 例えば、「外出の時に玄関の鍵を閉める前に火元や戸締りの確認をする」のと同じように、「昼食をとる前にメールを一通送る」、「夜9時になったら入浴を済ませて歯を磨く」などのように、日常的にとる行動の前後にやるべきことをくっつけてしまうと、自分の意思を強く持って新たな計画と行動を入れ込むよりも、流れを作れやすくなるのだ。
 
 普段は染み付いているのであまり意識したことがないかもしれないが、「歩行者信号機が赤の時は立ち止まり、青になったら歩き出す。」という行動が、意識せずとも身についていることを考えるとわかりやすいだろう。
 まずは「日常の行動にくっつける」、「時間になったら行動を開始する」、「外出した時のついでに片づける」といったところから始めてみると、取り掛かりやすくなるのでおススメである。