人は、未来のことを考えると不安になり、過去のことを考えると後悔ばかりするというのがなんと多いことか。
それを振り払おうとして今に集中しようとするのだが、それは大切なのだがなかなか上手くいかないし、何でもかんでも頑張りすぎるのは良くない。
また、無理やりやろうとすると、変に集中しすぎて本筋からずれてしまったり、余計なストレスを抱えて疲れてしまう。
今の世の中にある、あらゆるものの中で最も良いとされる方法であっても、その人に合うか分からないし、無理やりやると上手くいかずにストレスになるものなのだ。
そうして、今回もまた思っていた通りに良い習慣にもならなければ継続すらできなくなり、そこで自分の無力さを感じてしまって、どんどん沈んでいってしまう。
しかし、こういう時にはそれぞれの段階においての自分の実力や、そこでできることや、そこでしかできないこともあるのだから、やれることをやれる範囲でやっていくのが良い。
まず最初の心得として、世の中には「これをやったら今までよりも良くなるんじゃないか」というものに溢れていて、それを見つけてはしょっちゅう反応してしまうこともあるが、まあ、無理をしてまでやらないことである。
また、「自分にだけはとびきり良い結果が訪れる」というような、期待に胸を過剰に膨らませて臨むべきでもない。
先の文で「やれることをやれる範囲でやっていく」ということを書いたが、今できないこと、今できていないことなのに無理をしてやろうとするから、良い結果に繋がらなかったり具合が悪くなったりするのだ。
例えば、「○○すると健康に良い」というものを、今日やるには辛い健康状態なのにもかかわらず、「○○すると健康に良い」と言うから、倒れるかもしれないのに無理してやるから上手くいかないのだ。
そして、自分の中で収まりを付けられず、不平不満や文句を漏らすことになるのだ。
それよりも、最初の段階のうちから「今日はなんとなくいけそうだ」とか、「今日はいつもより元気が良い」という時にやるようにすれば良い。
具合が悪くてどうしようもない時にまで今に集中しようとして、あまりにも一生懸命やりすぎるからかえって良くないのである。
それなら、その「今に集中する」というのは、「元気な状態に回復すること」に向いていなければおかしいのだ。
「今に集中する」ということは、今この瞬間にある自分を楽しむということである。
誰かからためになる話を聞いて「ためになったな」とか、「面白い話を聞けたな」というのが今に集中しているということである。
話を聞いている最中に他のことを考えているのは、今に集中できていない人なのだ。
今この瞬間にある自分を楽しんだり、今この瞬間に目の前にあるものを楽しんだり、見たり、聞いたり、会話したり、食べたりしている時を楽しむことが、今に集中することなのである。
今に集中していなければ、その物事を理解したり、分析したり、思いを汲み取ったり、感想を書いたりすることは難しい。
ただ感想を書くにしても、それを書くには、話を理解して、自分で考えて、文章を整理して、アウトプットしなければできないので、たとえ1行書くのであっても今に集中しないと書けないのだ。
その今に集中するためにも、アウトプットすることを前提として話を聞くからこそ、集中して聞ける。
今に集中するためには、アウトプット前提で物事に向き合い、実際にアウトプットしてみることだ。
例えば誰かの話を聞いて学ぶという場合は、アウトプット前提で話を聞きたら、そのアウトプットとして自分が解決したいことに役立ててみたり、質問につなげたり、感想やコメントを書くことに繋げていく。
このようにして今に集中する練習を重ねていくと良いだろう。