他人や世の中の悪い面が気になっても、まず自分の対応が先

 
 例えば、世の中に悪口を言う人は、なぜこんなに多いのだろうかと考えたとする。
 その場合、もしあなたの周りに悪口を言う悪い人しか集まっていないとしたならば、あなたの性格が元々悪いという可能性が高いからである。
 「似た者同士が集まる」というのは心理学では解明されているようだが、そうでなくてもある程度経験を積んでいる大人ならよく分かることだろう。
 
 しかし一方で、他人が悪口や陰口を言っている場に出くわしたり、最近はいつもより聞く回数が増えてきたと感じた場合は、自分の行動や言葉というものを見直す良い機会にもなり得る。
 ちなみに、「彼らに染められてしまったから自分もそうなったのではないか」と考えて関係を見直そうとするのは、その後のことになる。
 まずは自分自身の対応が先なのだ。
 
 さて、同じように、失敗を恐れて行動できないという場合はどうだろうか。
 いつも心配したり後悔したりして何にも手がつかないという場合はどうだろうか。
 「あの人さえいなければ上手くいくのに」という場合はどうだろうか。
 
 結局のところ、最善の手は、まずは自分から「変わろう」としてみることだ。
 例えば、いつもと異なる人と接してみること。
 例えば、いつもと異なる集団や環境に身を置いてみること。
 
 そのようにして、小さなことからで良いので一歩踏み出して、判断や行動をより良く改めてみることである。
 そして、良いのかも悪いのかも分からなかったら、「分かろう」ともしてみることだ。
 世の中には新しく知ることができることもたくさんあるし、自分の中には「実は自分が気付いていないだけだった」ということも恐らくたくさんあるのだ。
 
 だから、元々の性格が悪いにしても、失敗が怖くて行動できないにしても、似た者同士で集まって盛り上がったり他所に原因を作ったりするのを、当たり前のように、しかも先にやらないことだ。
 まず自分の対応が先であり、誤った判断や行動を修正したり、心や体を整え直したり、一つでもより良く変えていくことが大切なのである。
 決して、同類相哀れんだり、匙を投げて自暴自棄になったり、ヒステリックに反発したり、何でも他人のせいにして自分の殻に閉じこもり続ける、というような時間にしてはならないのだ。