自分の性格や長所短所は一喜一憂せずに上手に使うのが良い

 
 音楽指導をしていると、自分の性格とか長所短所で○○は良いことですか?、悪いことですか?、みたいな話をたまにされることがあります。
 まあ、私の返答次第で今後がすべて決まってしまうということはありませんが、音楽でなくてもこういう場合は、良いか悪いかの二択で判断しないことが大切です。
 その人のある一箇所の性格だけに限らず、全ての性格というのはパラメーターやレーダーチャートのように考えると良いと思います。
 
 例えば、ゲームのように考えれば、力、素早さ、賢さ、スタミナ、魔力、みたいなことです。
 魔法使いならレベルアップした時に賢さや魔力が伸びやすいとか、或いは、レベルアップした時に3ポイント振り分けられる中で、賢さや魔力に割り振る割合が高いと魔法使い系に育っていくなど。
 そして、ストーリーの中盤で役に立つとか、あるイベントでキーマンになるから上手に育てて大事に使うというような、そんなイメージです。
 
 さて、現実の世界で言えば、感受性が高いとか、度胸がないとか、空気が読めないとか、そういったものが当てはまることでしょう。
 感受性にしても、高いのが良いのか悪いのかというのはその人の使い方次第と考えられるようになると、自然に考えられるし、自分を上手に使おうと思えるようになるし、ストレスもそれほどかかりません。
 
 感受性が高ければ、音楽の良さや美しさを感じ取ったり理解して演奏できるでしょうし、それに合わせてリズム感や旋律感や強弱感などと言った表現も豊かに演奏できることでしょう。
 その反対に悪く取ってしまうと、周りの音が気になって混乱やストレスを感じやすくなったり、先生や先輩にアドバイスしてもらったことが一つ一つ気になって演奏どころじゃなくなったりすることでしょう。
 また、度胸がなくたって、協調性が高かったり物凄い回数の反復練習が苦にならない人かもしれませんし、空気が読めなくたって、他のみんなが怖じ気づいて動けないでいる時に自分は一歩踏み出せる人かもしれません。
 
 その人の持っている性格や長所短所のような特徴というのは、あくまでも特徴なので、そこで固定されて一生変えられないことではないのです。
 まあ、ソロ向きとか、リズム楽器向き、という一つの傾向というような意味合いでは、部活動などであれば担当楽器や編成を決めるための要素の一つとして考えられることもあるかもしれませんが。
 
 何にしても、もしもポジティブな感情が抱けない特徴だったとしても、ネガティブな感情を持って使うのは当然良くないでしょう。
 それをどう上手く使いこなすのか、どのように前向きに使いこなすのか、どうしたら自分のこの特徴を上手く活かせるのか、ということを考えてやってみることが大切です。
 そうしたことを考えていけば決して悪いものにはなりませんし、あなた次第でいくらでも変えていかれるものなのです。