努力が過剰なのか不足なのかを見分ける方法


 自分は努力のし過ぎなのか、それともまだ足りていないのかを見分けるには、「自分がやれることを、やれる範囲でできているか」を見つめ直すことが大切です。
 次の三つで判定することを基本としてみると良いでしょう。

①記録をつける
②加点法で調整する
③生活の土台となることが崩れていないか

 自分がやれる限界が100として、もし現在120で頑張っていたとしたら、数日程度なら問題ないかもしれませんが、これが数週間や1ヶ月続けば明らかに自分の容量を超えてしまうことになるでしょう。
 そして、疲労もストレスも蓄積し、やがて心も体も参ってしまうことになります。

 生産性の高いレベルでやりたいことややるべきことやり、頑張り過ぎずに且つ疲れを溜めずに進めていくには、自分が100やれるうちの90から95の範囲を目指すとよいです。
 要は、「自分のできる範囲でうまくやりくりしていく」ということです。

 とは言っても、自分の「ちょうど良いところ」がどこなのかはなかなか分かり辛いものです。
 そもそも、自分の体の調子を正確に判断することすら難しいことです。
 努力の度合いを自分で判断するにしても、他人が「ここだよ、こうだよ」と教えてあげるにしても、正直なところその勘所は人によって様々あるでしょう。

 であれば、まずは自分の調子を自分で見極められるようになる必要があります。

 

①記録をつける
 記録を付けるためには、自分のやった仕事や作業、身体や心の状態、やってみた後の気持ちや感想などを書き留めておくとよい。
 また、取り組んだ内容について、回数などの数値で表すことができるものであれば、やり過ぎなのか、足りていないのか、やっている割に成果が出ていないのか、などという判断もしやすくなります。
 そうすれば「ここまでやるとこうなる」という勘所も分かるし、「無理しすぎている」と思ったらその手前でブレーキをかけられるようにもできます。

 自分でつけた記録を自分を見て判断する力を養っていくと、頑張りすぎを防ぐ基準も一つくらい見えてくるものです。
 さらに、努力以外のことであってもデータを見て物事を判断する力をつけることにも繋がります。

 

②加点法で調整する
 「どうしても頑張り過ぎてしまう」という場合は、7割や8割の時点で余裕を持って、手前で止めるようにすると良いでしょう。
 体感や経験から判断するのでも良いのですが、①のように記録を付けている場合、さらに判断しやすくなるでしょう。

 そうすれば、仮に120の努力で頑張っていたとしても、その7割は84なので、かなり手前の段階で気づいて止めることができます。
 そこから90までやれるのか、95まで行けそうなのかは、その後に探せばよいのです。

 人によっては「えー、8割?」と思うかもしれませんが、それが頑張り過ぎの人の考え方というものとも言えます。
 そもそも、たった一かけらでも、努力や頑張ることをせずに怠ける人もいるのですから、「そういう人に比べたら、8割もやるなんて、自分はなんて働き者なのだ」と考えるくらいで良いのです。

 このように、努力を判定する視点として加点法で100を目指すことが大切です。
 101以上に超えてしまった過剰な努力を、減点法で100まで下げてくるのではありません。
 また、繰り返しになりますが、①の「記録をつける」こととセットでやるのがおススメです。

 

③生活の土台となることが崩れていないか
 「生活の土台となることが崩れている」と思い当たることがあれば、自分に努力の負荷がかかり過ぎている可能性を疑い、直ちにいつも通りの状態に戻すようにした方が良いです。
 例えば、「寝る間も惜しんで努力して、昼夜逆転を起こして最近体調が良くない」というようなことがこれにあたります。

 努力のために、睡眠、食事、運動など健康的な生活の土台となることを崩してはなりません。
 家族や大切な人と円満に過ごす時間を無理矢理に絶ったり、自分にかけてくれるいつも通りの言葉に対して聞く耳を持たない姿勢をとるのも良くありません。
 こうした時間を制限したり削ったりするのは良くないことであり、こういう事をしていた場合はすぐさま止めて、あるべき土台を死守しなければなりません。

 「3時間しか寝てません」なんて、あってはなりません。
 「疲労と心労で食事も喉を通らない」ということも、あってはなりません。
 「目的達成までは家族の忠告はいちいちウザいから、普段から全部無視」も、あってはなりません。
 「体を動かしてストレスを発散することも叶わず、イライラを溜め込むばかり」ということが常態化することも、あってはならないのです。

 何をするにも、普段の生活や健康な体、さらには家族や大切な人達との人間関係があってのことです。
 その土台となることを犠牲にしたり、いいかげんに扱って事を成したとしても、それは努力と呼びません。

 

----------

 人は、人生の目的や現在の目標などの他、普段から大切に思っている事ですらちょっとしたことであっけなく忘れてしまう生き物です。
 意識して努力をすることで過剰に奮起し過ぎたり意気込みすぎたりして、最も大切なことをうっかり忘れてしまうということも起こり得ます。

 ですから、大切なことを忘れずに指針としたり計画に含めたりするためにも、基本的には「少し細かいかな」と思っても、メモして書き留めるぐらいで丁度良いでしょう。
 そうやって一つ一つ書き留めつつ現在の状況を把握したり整理したりして、自分のできることやその範囲を少しずつ拡げながらこなし、成長していけばよいのです。

 また、「このようにすれば良い」ということが分かったら、その反対の「良くない面」を見ることもできるようになります。
 他にも、「100頑張るか、0か。」の二択だけで判断するだけでなく、「そこそこできてる80点の合格ライン」という「尺度」を自分で作り、昨日の自分と比較することもできます。

 学んだことを上手く応用して確実に努力を積み上げ実らせる必要がある中で、「ほどほどに頑張る」とか「ちょうどよく頑張る」とか、そういうフワッとした感覚を理解していくことは、最初のうちは大変かも知れませんが、物事に柔軟に対応していくためにはそうした感覚もまた必要なことです。
 上記の3つの視点でうまく調整しながら見つけていくと良いでしょう。