何か問題に突き当たった時というのは、基本的には自分自身が乗り越えられることしか起こらないと言われます。
それは、あなたが考えて目にしている出来事は、すべてあなたの気持ちの投影だからです。
ですから、問題に対して動揺したり尻込みしてしまうよりは、「気にしない、気にしない、たいしたことない。」と気持ちの余裕を持って向き合う方が良いでしょう。
また、問題が起こった時、それも初めてのことだったりする時には、「動揺するな」というのはなかなか難しいことです。
以下のように、ある程度は想定して初期対応を用意しておいたり、事前対策などをしておくと良いでしょう。
①事前にイメージトレーニングをする
人間は環境変化に弱いので、動揺するのは普通の反応と言えます。
何かの本番にしろ、大勢の前での演説にしろ、言い合いや小競り合いにしろ、いつもと環境の違う時には平常心が揺らぐことが多くなります。
しかし、動揺してしまう対象が予定として分かっていたり、人間関係で起こりそうな流れなどなら、どのようなことが起こりそうか事前に想定して対処法を考えておくこともできます。
ですから、環境が変わっても動揺しないためには、イメージトレーニングをしたり、うまくいくための計画や想定外のことが起こった時の対応を事前に考えて対策し、その成功を繰り返し頭や心に描いておくことです。
ポイントとしては、うまくいくための実際の準備であり心の準備であるため、前向きにイメージトレーニングしておくことです。
ネガティブな考えを持って「〇〇すると××になっちゃう」というようなマイナスのイメージトレーニングばかりすると、うまくいくはずのこともうまくいかなくなってしまいます。
②時間的余裕を確保する
人は時間的プレッシャーを与えられると、まともな判断ができなくなってしまうことがあります。
ですから、目的、計画や、準備は日頃からしておき、物事には余裕をもって取り掛かることが大切です。
ほんの小さなことですが、出かける時に「〇時に家を出よう」とするためにその準備をしたり、「友達と遊びに行くのに〇時に待ち合わせ」とするなら例えばその10分前に待ち合わせ場所に着くようにするというようなことも、普段からできる練習とすることもできます。
思った通りにうまくいくためには、どのようなものや条件が必要になってくるのかを分かっておき、そのために必要な時間を考えて動けるようになることが大切です。
また、何か問題が発生した時にできるその場での対処として、一呼吸おく、間を空けるなどがあります。
もしも動揺してしまったり、してしまいそうに感じた時は、深呼吸するなり伸びをするなど大きくゆっくりできる動作をするなりすると良いでしょう。
気持ちに余裕を作り、全体を捉え直す時間を作り、冷静さを取り戻し、態勢を整えることに努めることです。
③リラックスする
イライラした時、気持ちが乱れて激しい感情に襲われた時などは、自分自身の気持ちをリラックスすることが大切です。
感情が乱れている時に目に付くことは、それが相手や物事の良い面であっても悪い面であっても、自分の気分の状態によって左右されていることが多いのです。
ですから、その対象自体を無理やり変えようとするのではなく、目を閉じて呼吸を整えるなど一旦リラックスして落ち着いて、自分自身の視点や捉え方を見直してみる方が良いでしょう。
また、何かの本番などの大事な場面では、あなたにとって大切な人やお世話になっている人からかけてもらった励ましの言葉などを思い出したり、自分だけの願掛けの道具などを触ることで気持ちを高めたりすることも効果があるでしょう。
いつもと異なる状況は、逆境に立ち向かっている状況とも言えるでしょう。
その時に、自分を肯定してくれている人の言葉や心が安らぐ持ち物に触れてリラックスしようとすることは自然なことであり、不要で過剰なマイナスの緊張感でなく、新しいことに挑戦しているときなどに起こる、いわゆる「良い緊張感」や「ワクワク感」といったものをもたらすことに変わるでしょう。
他にも普段の生活では、疲労や心労などの蓄積によって、気持ちが乱れやすくなったり落ち込みやすくなったりもします。
入浴や睡眠などを良くするために、いつものやり方、時間、道具を変えてみたり、アロマやBGMなどを検討するなど、自分にとって効果のありそうなことから取り入れてみるのも良いでしょう。
④自分を客観視する
自分を客観視して物事を捉える時には二通りあります。
(1) 感情と思考を一旦切り離す
心の中が、プラスの感情であれマイナスの感情であれ激しい感情でいっぱいになっていると、その感情によって脳の他の機能がストップしてしまうことがあると言われます。
そのような状況に陥ってしまった時は、例えば「今、〇〇という気持ちでいっぱいになっている」と自分自身の実況中継をするなどして、客観視してみることです。
そして経験が重なるにつれ、「全体や流れはどうなっていて、自分はその中のどこにいるか」ということを見られるようになると良いです。
まずは、一旦切り離して冷静さを取り戻し、現状を客観視するということさえできてしまえば、次はどう対処して進んでいったらよいかという判断に繋げていくことができます。
(2) 自分とそれ以外を一旦切り離す
「自分」と、他人や起きている現象など「それ以外」のこととを切り離して冷静になるためには「他人は常に自分を喜ばせるために生きているのではない。そして自分もまた同じである。」と考えてみることです。
その時その時点だけでも自分とそれ以外を一旦切り離して考えることで、乱れた気持ちも少しは楽になるでしょう。
もちろん、周りに冷たくしてもよいと言っているのではありません。
他人や社会の役に立つとか喜びや感動を与えるということが、人として生きる上で大事であることは当たり前の前提です。
そうでなく、たとえそれが仕事でも遊びでも、今出くわした不愉快なことでも何でも、そのどうでもよいはずの小さな出来事と自分とを無防備にも一致させてしまい、自分の気持ちを乱してしまうことで、大切な自分とその時間が無駄になってしまっていることが問題なのです。
他人がその人自身のために自分とそれ以外を一旦切り離し、自分のために一生懸命生きているのと同じように、あなたもそうした方が良いです。
自分自身に関することと自分の時間は最も大切なことなのですから、他人にあっさりと差し出したり、いいように使われたり、自ら犠牲にしたりしてしまうようなことは、賢いこととは言えません。
また、もしかしたら自分か他人のどちらか或いは双方が未熟だから、今の不可解な現象が起こっていて、もがき、悩み、苦しんでいるのかもしれません。
自分とそれ以外を一旦切り離すことができれば、気持ちが落ち着き、本来持っている冷静さを取り戻せるでしょう。
その後は、現象に惑わされず原因を探り、改善し、まずは自分が自分自身の力で立てるようにしていくことです。
話はそこからです。