専門用語の勉強と理解についての重要性


 自分の専門となる分野に進むなら、その勉強の半分以上は専門用語の理解に費やすことが大切です。
 これは、専門性の高い資格試験ほど顕著な傾向で、用語の理解を問う問題は正否がはっきりしているということもあり、また出題もされやすいです。

 「用語を制するものは勉強を制する」と言われることがありますが、決して言い過ぎということもありません。
 試験にせよ仕事にせよ、習得した知識を上手に使えるようになって進んでいくことが大事なのはもちろんですが、他人に伝えてられてこそ意味があり、このときに最も力を発揮するのが専門用語と言えるでしょう。

 

①略語について知る
 略語は長い用語を理解するため省略されているものですが、略語だけを覚えて何となく進めるのではなく、元となる略されていない言葉を知ることが大切です。
 その意味まで知っておけばなお盤石な知識となります。
 省略のされ方については、以下の様な場合が多いです。

 (1) 当たり前の部分
 (2) 状況から推理すればわかること
 (3) 読み手(自分)にとって価値がないもの

 物事のつながりや順序と、それが何のためにあるものなのか考えることです。
 ちなみに、短く簡素な用語は分かりやすい反面、多少は意味がおおざっぱになることが多いです。

 

②用語の覚え方
 問われた用語を主語にして「〇〇とは××である」と答える訓練をするとよいです。
 少し堅苦しいですが、要は「一言で言ったらそれって何なの?」ということです

 一例として、
 Q: FOMCとは何か?(証券関連用語)

 A: FOMCとは、アメリカの金融政策を決定する会合のこと。
  Federal Open Market Committee(連邦公開市場委員会)の略。
  日本では「日銀金融政策決定会合」で金融政策を決定しており、それに当たるもの。

 

③専門用語の検索方法(和訳・外国語訳)
(1) 和訳の場合
 外国語で書かれた専門用語と共に日本語を打って検索するとよいです。

 例:appoggiatura(音楽関連用語)
 「appoggiatura は」、「appoggiatura とは」、「appoggiatura 意味」など。

 ちなみに「appoggiatura」はアッポジャトゥーラと読み、倚音(いおん)や前打音のことです。
 その小節の和声やコードといったものの構成音ではない音のことを意味します。
 また、逆をする場合は「appoggiatura イタリア語」などにするとよいです。

 日本では外国語は英語の方が普及している割合が高いので、「〇〇 英語」、「〇〇 is」、「〇〇 mean」などとするとよいです。

 
(2) 英訳の場合
 その専門用語が用いられている分野の英単語を添えると検索効率を高めやすいです。

 例:序破急(古典芸能関連用語)
 「johakyu noh zeami」(序破急、能、世阿弥)など。 
 ちなみに序破急とは、雅楽では、楽曲を構成する三つの楽章のことと言われます。
 他にも一般的にでも、浄瑠璃や舞踊、俳諧などにも広く使われている言葉です。

 また、こうした単語の英訳は意外と辞書に載っている場合が多いので、辞書を参考にする癖をつければ最初から信憑性の高い回答を得られる可能性が高いです。
 ただし、和名が全くつけられていない英語の専門用語もあるので確認は必要でしょう。
 その場合、その分野にはまだ専門家が少ないという理由もあるのかも知れません。