物事の理解の仕方について


1. 理解の段階について
 物事を理解していく過程として、次の三つに分けることができます。

①うろ覚えの段階
②考えれば思い出せる段階
③考えるまでもなく口から出てくる段階

 ③まできてやっと、自分の血肉として知識を自由に操れる状態と言えます。

 

2. 理解するまでの順番について
 論理的に情報を理解するためには順番が重要です。

①主題は何か
②その主題がどうしたのか
③どういう条件で成り立つのか
④その理由は何か
⑤その他の補足情報はあるか

 

3. 理解できているかどうかの確認について
①理解したことを全部再生してみる
 (覚えていること、気づき、記憶に残っていること)

 方法としては、例えば、
 ・順を追って書き出せる
 ・体系立てて書き出せる
 ・表や図解にできる
 ・話や説明をした時によどみなく言える

②そこに書き出されなかった(言えなかった)内容が、自分が理解していない情報
 ちなみに、まだ知り得ていない情報については、この時点では言及しません。
 普段から①をやるようにすれば、アウトプット前提でインプットをする癖が付いてくるので、自然とより深く理解を得ようとするようになっていきます。

 例えば、
 ・講義が終わった後に要点をまとめる
 ・人の話や仕事の指示などを聞く時にメモをしたら復唱をして確認をする

ということをやることで、より話を聞き逃さずに理解して聞けるようにもなります。

 

4. 人の記憶の仕組み
 人は、もともと理解している情報を元に新しい情報を認識します。
 そして、新しい情報も取り込んで大きくなった基盤を元にして、さらに新しい情報を認識していきます。
 理解の仕方の効率が良いほどより盤石な知識として定着させられる可能性も高まります。
 ※脳がどのようにして記憶していくかについてはここでは述べません。

 また、独自の発想をしようとする時には自然と深い理解をしようと努めることが多いものですが、それは、ユニークな発想をするにはその事柄について全体像をしっかりと把握していないとできないからです。

 

5. 理解が必要なケース
①教養を深めるための勉強など
 時間に余裕があれば、表面的な事実を丸覚えするのではなく、その背景や背景に合う理論もしっかりと理解することです。
 時間も手間もかかって回り道に見えるやり方かもしれませんが、結局は記憶に定着させる一番の近道となります。

②業務に必要な専門用語など
 業界や業種によってさまざまですが、例えば、「商流」、「開発工程」、「管理工程」など、実務に取り組むにあたって必要な用語は確実に記憶しておくことが最低限の社会的な義務と考えて差し支えないでしょう。
 覚えなければ話にならないものは、やはり力ずくでも記憶するしかないのです。

 なお、特に何事もなく一発ですんなり理解して覚えられる場合であれば、余計なことをせずに無条件に理解することを優先させた方がよいです。