自分の考えを上手に速くアウトプットできるようになるための対処法


 タイトルでは「アウトプット」と一括りにしていますが、要は速く文章を書いたり、自分の考えを上手く発表したり説明したりできるようになるにはどうしたらよいか、ということです。
 そのためには、様々なやり方があるでしょうがまずは頭の中にあることを書き出すところから練習を始めていくとよいです。
 「頭の中で大体イメージが沸いているから大丈夫だろう」としていると、自分だけの視点に偏ってしまうことも多くなるため、実際のところは大丈夫じゃないことも多くなります。

 上手に伝えたり、順序だてて考えたり、速くて的確な状態でアウトプットができるようになるには、経験や場数は必須です。
 うまくいかないとか後で読み返して恥ずかしく感じるというのは誰でも通る道ですから、気軽な気持ちで始めてみると良いでしょう。

 

①自分の考えを書き出す
 自分の考えや意見をアウトプットすることは、慣れるまでは毎日練習した方がよいです。
 文章として自分の考えを紙に書くためには、筋道を立てて論理的に展開していく必要があり、そこには人に説明するのと同じような難しさがあります。

 最初のうちは一文だけとか、2, 3行だけとか、短い文章になると思います。
 しかも、ある程度時間を置いた後に読み返してみると、自分で書いたのに幼稚でヘタクソな恥ずかしい文章と思えたり、訂正したい部分をたくさん見つけることにもなるかと思いますが、誰でも一度はそういう道を通るものです。
 慣れてくれば、つながりのある文章を書けるようになったり、シンプルな一言で言い表せるようになったり、体裁を考えたりできるようになっていきます。

 だから何も心配せずに、雑記帳でもチラシの裏紙でも何でも、自分のやりたい事や考えていることを何か書き殴ることから始めるのがよいです。
 もし後で読み返したいなら、ちょっと良いノートを用意して、日記をつけたり本や映画の感想を書き記していくことなどをやってみるのももちろんよいと思います。

 

②時間を決めて書く
 良い章を書こうと思ってそうしていても、結局は今の時点の自分のレベルにおいて思い描いていることしか表現できませんので、質の良さとしてはどんなに時間をかけてもそれほど上がらないでしょう。
 質の部分は今のままで構わないので一旦置いておき、それよりも「締切」を決めて一気に集中して書くことをしてみるのがよいです。

 文章も表現の一つですから、そう考えれば「いきなり感動の大作を完成させるよりも、短くても簡単でもいいから一旦完成させるという経験をたくさん積む」ことが大切でありコツとなります。
 やっていくうちに、どのくらいの時間で、質で、量で、どんなものが書けるかという勘所が身に付いてきます。
 そのようにやっていった方が、上達が早いです。

 そのうちに昔の自分の文章を読み返してみてあらためて成長を感じたのするものですし、行き届いていないところを追加・修正したくなるものですし、読み返したことをきっかけに新しい発想が湧く時もありますから、そこからまた行動に移して経験を積み、伸びていけば良いのです。
 


③構成を決めながら書く
 本文を書く前に、構成、目次、章立て、見出しなど骨子となることを先に決めておき、その後に本文をどうやって書いていくかを考え、実際に書いていく、ということです。
 このアウトプットの仕方を少し練習すれば、「どのような順番で、どのように伝えたいか」が分かってくるので、仕事の資料を作る時でも何かの段取りを考える時でも、幅広く役立つことでしょう。
 本を書きたいというのなら、尚更役に立つことでしょう。

 ちなみに、筆者は自分の本を書いてそれが出版されたという経験はありませんが、プログラム開発をする時に経験し、その時もその後の人生にも大変役立ちました。
 プログラムを動かしたいでも、本を書きたいでも、芸術を表現したいでも、プレゼン資料を作りたいでも、何らかの目的がありそれを成立させるためには、全体像や目的や達成ラインというものを明らかにし、頭から終わりまでの流れを決めて、順番通りに適切に進めていかなければ完成しないということは同じです。

 ある一定以上の塊の文章を書くのであれば、書き方、構成の仕方、読ませる対象の絞り込み方などを知っておいた方が良いでしょう。
 また、どのようにアウトプットをするかを参考にするには、書評、論文、新書、ビジネス書、絵本など生きた例が様々ありますし、他にも「テンプレート」、「フレーム思考(フレームワーク、フレームワーク思考)」という言葉で検索してみても良いかと思います。
 基本的には探せばでてくるものですから、学ぼうと思えば色々なところから学ぶことができます。

 

④アウトプット前提でインプットする
 例えば「聞く」としたら、会議であれば、議題について意見を求められたり、いつもの質疑の流れで「何かある?」と聞かれた時にどう答えるかということを、書類や自分のメモ用紙などにメモをしながら聞くとよいです。
 どう思うか、何か質問があるかと聞かれた時には、そこに書いてあることを答えればよいのです。
 もしくは、そこに書いてある文章の骨組みを利用して、その時の状況に合わせて言葉を当てはめていくのもよいかもしれません。

 また、例えば「読む」としたら、本を読んだら感想を話したり書いたりすることを考えて、どんなことが書かれていて自分はどう思ったかを考えながら読むとよいです。
 要は、「この後に何か質問されたり感想を聞かれたりするかもしれない」とか、「これを学んだら○○に役立てよう」とか、「試験や課題のために学ぼう」などの何らかの目的や予測がある方が、それに見合った成果を得やすくなるということです。

 余談ですが、「自分の子供が本好きになるのはその後の人生において得だから本を読ませたい」という人を見かけますが、買い与えて終わりにするのでは勿体ないです。
 買ったら「どんなことが書いてあったか、簡単でいいから教えて」などとやり取りできればアウトプットも促せますし、没頭したりすぐに読み切って「次のが欲しい」となればできる限り時間を空けずに買ってあげれば願ったりかなったりの結果になるでしょう。